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第二十節「心よ強く在れ 事実を乗り越え 麗龍招参」
~麗しき龍人~
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異形と成り果てたギオの強烈な雄叫び……。
重音、そして命力を乗せた低音の叫び声を張り上げ、ビリビリという感覚が周囲へと伝わっていく。
「アリガトウ……君ノオカゲデ久々ニコノ姿に成ル事ガ出来タ……!!」
「うぅ!?」
歪な鱗に包まれ赤黒く染まりきった表皮……そして顔の形すらも既に変容していた。
「感謝シ礼ヲシタイ所ダケド……昂ル自分ガ抑エラレソウニナイ……!! 戦エ……共ニ血涙ガ歓ビニ変ワリ果テルマデ戦イ続ケヨウジャナイカ……!!」
「うおぉ!?」
その時、ギオが大地を蹴り付けたと同時に跳ね上がる。
勇へと一直線に飛び込み、高速の拳を突き出した。
パゥオォォォーーーーーンッ!!
突如肉と肉の激しくぶつかる衝撃音が鳴り響いた。
ギオの殴りつけられた拳からは煙が立ち上り、その衝撃を物語る。
だが、その拳は真正面に重ね合わされた勇の両手によって受け止められていた。
カララーンッ!!
時間差でエスカルオールの落下音が鳴り響く。
「ナッ……!? コノ一撃ヲ受ケ止メラレルノカッ!?」
驚きの表情を見せるギオ。
だがその視界が勇自身を映し出した時、その目が大きく見開かれた。
一撃を受け止めた勇の肘から後ろ首元へ光の筋が軌跡を描き、共鳴音を鳴り響かせていたのだ。
魔装ジャケットが光り輝き、その力をふんだんに奮う。
キィィーーーーンッ!!
「アアッ……!! 君ハッ!! 面白イ人ダッ!!」
そして途端に始まるギオの拳による突きのラッシュ。
だが勇がそれを手で器用に受け流し捌き躱す。
強くなったはずのギオの攻撃を受け止める勇の変化に気付いた剣聖が「ニヤァ」と笑みを浮かべその様子を見つめる。
「ほぉ……なかなかイイモン着てるじゃねぇか……!!」
さすがの剣聖……魔装ジャケットの特性に気付いたのだろう。
興味深そうにその様子をまじまじと観察していた。
「そりゃあそうッス!! ボクの造った自慢のアイテムッスよ!!」
突然そう声を上げたのはカプロ……いつの間にか騒動を嗅ぎ付けて馳せ参じていたようだ。
「翠星剣とおんなじ理論で組み立てた上で、当人の命力を使わずに魔装自身の力で装着者の力を高める事が出来るスグレモノッス!!」
「んなの聞いてねぇんだけど!?」
「当たり前ッス、言ってないッスからね……こういう秘密の能力はいざって時に発揮した方がカッコイイもんッス」
『こんな緊急時に何言ってるんだ……』という心の声が聞こえてきそうな雰囲気の場の中、トテトテと走り込んでくる茶奈の姿。
その懐には翠星剣が抱え込まれていた。
「持ってきました!!」
「よっしゃ……タイミング良く渡すんだっ!!」
「えっと……今は無理そうな……」
「そ、そうだな……」
今なおお互いが殴り合う様子を見せ、間に付け入る隙など微塵も感じない。
そんな中、アージが突然「ハッ」とした表情を見せる。
「思い出した……もしや彼奴は噂に聞く『麗しの暴君』ではないか……?」
その二つ名を口にした時、剣聖が空かさず言葉を返した。
「ほぉ、あいつの事を知ってるたぁ随分博識じゃねぇか」
「うぬ……だが所詮は噂とばかりで信じてはいなかった。 実際に存在したとはな……」
「まぁなんだぁ、アイツぁ『暴君』なんてぇ柄じゃねぇからなぁ~……強いて挙げるなら―――」
まるで面白い物を語るかの様に笑みを浮かべ……二人の戦いを見据えながら剣聖の口が開く。
「―――『そっち側』のニュアンスで、麗しき龍人……麗龍・ギオ……」
「麗龍……!?」
龍人……まさにその猛々しい姿は荒ぶる神・龍そのもの。
まさに龍とも取れるその姿と異名を前に、茶奈達は焦りを隠せなかった。
「そ、そんなやばそうな奴ならよ……俺達全員で掛かった方がいいんじゃねぇか……?」
誰もが閉口する中、心輝がぼそりと呟く。
だがその言葉を聞き取った剣聖が顔も動かさずその言葉を遮る。
「馬鹿が……お前等全員勇に勝てなかっただろうがよぉ~……」
「あ……」
剣聖が言うのは詰まる所、本気の勇との実戦形式で行った訓練の事。
あの時、勇に勝つ事が出来た者は誰一人として居なかった。
勇自身は連戦だったのにも拘らずである。
それはつまり、勇と他の者達との間にある戦闘能力の開きを示す事に他ならない。
「お前等が加勢に入った所でアイツの邪魔にしかなんねぇよぉ~……それよかアイツの戦う様をよぉく見ておけ。 もしアイツがこの先力尽きた時、お前等の中の誰かが今のアイツと同等かそれ以上の力を持たなきゃなんねぇんだ」
そんな言葉が発せられると……心輝の拳が不意に「ググッ」と力強く握られ真剣な面持ちを作る。
「でもなんで急にそんな……」
意味深な言葉を連ねたのが気に成ったのか……瀬玲が問うが剣聖の表情は変わらず淡々と語る。
「急でも何でもねぇ。 戦いってのは何が起こるかわからねぇ……だからよ、今アイツがお前等に見せる自身の姿、在り方、戦い方……それを覚えるのが『アイツの背中を守る』なんてぇ軽々しくほざいたお前等の責任だ」
辛辣な言葉を前に、茶奈達『こちら側』の人間だけでなく『あちら側』の者達もが閉口する。
だが決して落胆した訳ではない。
誰しもがその言葉を受け、勇の戦う様を真剣に見届ける。
彼の見せる戦い……そこに在るモノ全てが今の茶奈達にとっては参考となる在り方なのだと認識したからこそである。
重音、そして命力を乗せた低音の叫び声を張り上げ、ビリビリという感覚が周囲へと伝わっていく。
「アリガトウ……君ノオカゲデ久々ニコノ姿に成ル事ガ出来タ……!!」
「うぅ!?」
歪な鱗に包まれ赤黒く染まりきった表皮……そして顔の形すらも既に変容していた。
「感謝シ礼ヲシタイ所ダケド……昂ル自分ガ抑エラレソウニナイ……!! 戦エ……共ニ血涙ガ歓ビニ変ワリ果テルマデ戦イ続ケヨウジャナイカ……!!」
「うおぉ!?」
その時、ギオが大地を蹴り付けたと同時に跳ね上がる。
勇へと一直線に飛び込み、高速の拳を突き出した。
パゥオォォォーーーーーンッ!!
突如肉と肉の激しくぶつかる衝撃音が鳴り響いた。
ギオの殴りつけられた拳からは煙が立ち上り、その衝撃を物語る。
だが、その拳は真正面に重ね合わされた勇の両手によって受け止められていた。
カララーンッ!!
時間差でエスカルオールの落下音が鳴り響く。
「ナッ……!? コノ一撃ヲ受ケ止メラレルノカッ!?」
驚きの表情を見せるギオ。
だがその視界が勇自身を映し出した時、その目が大きく見開かれた。
一撃を受け止めた勇の肘から後ろ首元へ光の筋が軌跡を描き、共鳴音を鳴り響かせていたのだ。
魔装ジャケットが光り輝き、その力をふんだんに奮う。
キィィーーーーンッ!!
「アアッ……!! 君ハッ!! 面白イ人ダッ!!」
そして途端に始まるギオの拳による突きのラッシュ。
だが勇がそれを手で器用に受け流し捌き躱す。
強くなったはずのギオの攻撃を受け止める勇の変化に気付いた剣聖が「ニヤァ」と笑みを浮かべその様子を見つめる。
「ほぉ……なかなかイイモン着てるじゃねぇか……!!」
さすがの剣聖……魔装ジャケットの特性に気付いたのだろう。
興味深そうにその様子をまじまじと観察していた。
「そりゃあそうッス!! ボクの造った自慢のアイテムッスよ!!」
突然そう声を上げたのはカプロ……いつの間にか騒動を嗅ぎ付けて馳せ参じていたようだ。
「翠星剣とおんなじ理論で組み立てた上で、当人の命力を使わずに魔装自身の力で装着者の力を高める事が出来るスグレモノッス!!」
「んなの聞いてねぇんだけど!?」
「当たり前ッス、言ってないッスからね……こういう秘密の能力はいざって時に発揮した方がカッコイイもんッス」
『こんな緊急時に何言ってるんだ……』という心の声が聞こえてきそうな雰囲気の場の中、トテトテと走り込んでくる茶奈の姿。
その懐には翠星剣が抱え込まれていた。
「持ってきました!!」
「よっしゃ……タイミング良く渡すんだっ!!」
「えっと……今は無理そうな……」
「そ、そうだな……」
今なおお互いが殴り合う様子を見せ、間に付け入る隙など微塵も感じない。
そんな中、アージが突然「ハッ」とした表情を見せる。
「思い出した……もしや彼奴は噂に聞く『麗しの暴君』ではないか……?」
その二つ名を口にした時、剣聖が空かさず言葉を返した。
「ほぉ、あいつの事を知ってるたぁ随分博識じゃねぇか」
「うぬ……だが所詮は噂とばかりで信じてはいなかった。 実際に存在したとはな……」
「まぁなんだぁ、アイツぁ『暴君』なんてぇ柄じゃねぇからなぁ~……強いて挙げるなら―――」
まるで面白い物を語るかの様に笑みを浮かべ……二人の戦いを見据えながら剣聖の口が開く。
「―――『そっち側』のニュアンスで、麗しき龍人……麗龍・ギオ……」
「麗龍……!?」
龍人……まさにその猛々しい姿は荒ぶる神・龍そのもの。
まさに龍とも取れるその姿と異名を前に、茶奈達は焦りを隠せなかった。
「そ、そんなやばそうな奴ならよ……俺達全員で掛かった方がいいんじゃねぇか……?」
誰もが閉口する中、心輝がぼそりと呟く。
だがその言葉を聞き取った剣聖が顔も動かさずその言葉を遮る。
「馬鹿が……お前等全員勇に勝てなかっただろうがよぉ~……」
「あ……」
剣聖が言うのは詰まる所、本気の勇との実戦形式で行った訓練の事。
あの時、勇に勝つ事が出来た者は誰一人として居なかった。
勇自身は連戦だったのにも拘らずである。
それはつまり、勇と他の者達との間にある戦闘能力の開きを示す事に他ならない。
「お前等が加勢に入った所でアイツの邪魔にしかなんねぇよぉ~……それよかアイツの戦う様をよぉく見ておけ。 もしアイツがこの先力尽きた時、お前等の中の誰かが今のアイツと同等かそれ以上の力を持たなきゃなんねぇんだ」
そんな言葉が発せられると……心輝の拳が不意に「ググッ」と力強く握られ真剣な面持ちを作る。
「でもなんで急にそんな……」
意味深な言葉を連ねたのが気に成ったのか……瀬玲が問うが剣聖の表情は変わらず淡々と語る。
「急でも何でもねぇ。 戦いってのは何が起こるかわからねぇ……だからよ、今アイツがお前等に見せる自身の姿、在り方、戦い方……それを覚えるのが『アイツの背中を守る』なんてぇ軽々しくほざいたお前等の責任だ」
辛辣な言葉を前に、茶奈達『こちら側』の人間だけでなく『あちら側』の者達もが閉口する。
だが決して落胆した訳ではない。
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