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第二十一節「器に乗せた想い 甦る巨島 その空に命を貫きて」
~待ちかねて、新生魔剣~
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その日、魔特隊本部では何事も無い光景が映っていた。
グラウンドでは相変わらず暑い中をアージとマヴォ、アンディ、ナターシャが走り込みを行い、彼等を気遣う様にニャラが麦茶の入った大きな水筒を抱えて持っていく姿が見られた。
剣聖もまたいつもの様に訓練施設の1階大広間に陣取り、己を高める為に静かに佇む。
その隣にあるトレーニングルームではレンネィがスマートに機器を使って体を動かし、それに倣いズーダー達も同様に使い慣れない機器を使用していた。
勇達はと言えば……
「ようやく完成かぁッ!!」
工房に響き渡る大声……心輝が堪らず発したものである。
そこにはカプロ達だけでなく勇、茶奈、心輝、瀬玲、あずーが揃っていた。
「っるさい!! いきなり叫ばないでよ!!」
瀬玲に小突かれ怒られる心輝であったが……意にも介せずカプロの掴み上げた「それ」を目を輝かせてひたすらに眺め続ける。
カプロの手に乗るのは……全く新しい形を有したグワイヴ。
そして彼の後ろには同様に……以前と比べて形が大きく変化した3本の魔剣が姿を晒していた。
「時間かかって申し訳ねッス。 ようやく完成したんで受け取って欲しいッス」
カプロから手渡されるグワイヴ……心輝がそれを受け取り、まじまじとその洗練されたデザインを眺める。
元々フィンガーガード部が野球のグローブの様な形を有していたグワイヴであったが、その形は大きく変わり指一本一本を通す手袋の様な形へと変化していた。
指の甲から指先に至るまでを軽い金属で覆い、爪の様な鋭利な先端を有する……より攻撃的なデザインへと生まれ変わった。
カッデレータは弓柄から上下に伸びる弓身がそれぞれ二股に分かれ、様相そのものが変化していた。
古代文字の紋様を拡張させる為に施された追加突起部は魔剣自体の力を増幅させる物。
弓柄の下には翠星剣と同じ換装式の命力珠ホルダーが搭載され、戦闘中に命力珠を換装する事で使用者の命力の消費量を極限まで減らす仕様へと生まれ変わった。
エスカルオールは全体的な形状が細身へと変わっており、洗練されたエリアルエジェクタがその形状を幾何学的な形状へと変化していた。
現代の揚力技術の粋を結集して仕上げられたその飾り羽が使用者の使用感と機動力を格段に向上させる、人間工学にも乗っ取ったもっとも扱いやすい武器として生まれ変わった。
「いい仕事してるねぇ~カプロ君!!」
「うぴぴ、言う程でもあるッスよぉ!!」
謙遜する事も無く自分の才能をひけらかすカプロに、勇達も笑いを飛ばし首を縦に振る。
彼の才能は誰もが納得しているからこそ、カプロ自身もこうやって胸を張って彼等にこの様な事が言えるのだろう。
「勇さんの魔装と魔甲も出来てるッスよ」
「お、サンキュ」
カプロの声に反応して研究員が勇の装備を一式持ってくると、彼に礼をして受け取る。
以前よりも少し手を加えたのだろうか……勇が手に持った時、以前よりも若干重さを感じた。
「カプロ、またなんか仕込んだのか? 少し重く感じたけど」
だがカプロはその言葉に対して首を傾げ、「んん?」と鼻で声を鳴らした。
「むしろ素材を少しいじって軽くしたッスけど……」
「え? あ、そうかぁ……勘違いだったみたいだ、ごめんごめん」
他の4人が勇の事を不思議に見つめる中……勇は慌てて装備を脇に抱える。
「ハハハ」と笑い誤魔化すと、勇は一足早く工房から足を踏み出した。
―――危ない……危うくバレる所だった―――
勇が感じたのは本当の事である……実際に彼にとっては魔装が重く感じたのだ。
この1ヶ月半……勇の命力は確実に低下していた。
しかも剣聖が当初予見していた半年から1年という減少期間の中でも最悪の……半年ペースであった。
魔剣使いが使う事を想定し、魔装にはある程度の重金属が使われている。
だが命力が減少した勇にはその重量は若干負担となっている様だった。
今の勇にとって僅かにズシリと感じる装備を片手に廊下を歩いていると……突然コール音が鳴り響く。
その音は工房からも鳴り響き、共鳴するかの様に廊下に何重にも響き渡った。
「な、なんだ!?」
勇は慌てて空いた片手で仕舞ってあったタブレットを取り出すと、魔装を抱えた手を器用に使いタブレットを開く。
画面には「画像通話要求:福留晴樹 <共有通話モード>」の文字が映っており、素早く許可のボタンをタッチすると……間もなくして暗転していた画面から福留の顔が映し出された。
「皆さん、聞こえますか?」
「はい、聞こえますよ、福留さん」
遅れて画面からは勇や他の者達の声がタイムラグを置いて響いてくると、福留がそれを理解し首を縦に振る。
だがその顔はどこか険しい顔を浮かばせており、ただならぬ状況である事が勇には理解出来ていた。
画面のサイドにそれぞれの顔を模した可愛らしいアイコンが並び、参加者が概ね居る事を確認した福留がゆっくりと口を開いた。
「これから緊急会議を行います。 直ちに戦闘員の皆さんは会議室に集合願います。 なお、勇くん、茶奈君、心輝君、亜月君、瀬玲君、ジョゾウさんは各々即時出発が出来る様、心の準備を整えてください」
福留はそう伝えると一方的に通信を閉じ、間も無く各々が持つタブレットが通信終了の文字を映し出した。
途端、金属の鳴り響く音が聞こえ本部正面ゲートの扉が開いていく……どうやら福留本人が到着した様だ。
その手際の良さから「流石、福留さんだ」と心に思いつつも勇は直ぐに振り返り、同様に走り出した仲間達と共に2階の会議室へと向かったのだった。
グラウンドでは相変わらず暑い中をアージとマヴォ、アンディ、ナターシャが走り込みを行い、彼等を気遣う様にニャラが麦茶の入った大きな水筒を抱えて持っていく姿が見られた。
剣聖もまたいつもの様に訓練施設の1階大広間に陣取り、己を高める為に静かに佇む。
その隣にあるトレーニングルームではレンネィがスマートに機器を使って体を動かし、それに倣いズーダー達も同様に使い慣れない機器を使用していた。
勇達はと言えば……
「ようやく完成かぁッ!!」
工房に響き渡る大声……心輝が堪らず発したものである。
そこにはカプロ達だけでなく勇、茶奈、心輝、瀬玲、あずーが揃っていた。
「っるさい!! いきなり叫ばないでよ!!」
瀬玲に小突かれ怒られる心輝であったが……意にも介せずカプロの掴み上げた「それ」を目を輝かせてひたすらに眺め続ける。
カプロの手に乗るのは……全く新しい形を有したグワイヴ。
そして彼の後ろには同様に……以前と比べて形が大きく変化した3本の魔剣が姿を晒していた。
「時間かかって申し訳ねッス。 ようやく完成したんで受け取って欲しいッス」
カプロから手渡されるグワイヴ……心輝がそれを受け取り、まじまじとその洗練されたデザインを眺める。
元々フィンガーガード部が野球のグローブの様な形を有していたグワイヴであったが、その形は大きく変わり指一本一本を通す手袋の様な形へと変化していた。
指の甲から指先に至るまでを軽い金属で覆い、爪の様な鋭利な先端を有する……より攻撃的なデザインへと生まれ変わった。
カッデレータは弓柄から上下に伸びる弓身がそれぞれ二股に分かれ、様相そのものが変化していた。
古代文字の紋様を拡張させる為に施された追加突起部は魔剣自体の力を増幅させる物。
弓柄の下には翠星剣と同じ換装式の命力珠ホルダーが搭載され、戦闘中に命力珠を換装する事で使用者の命力の消費量を極限まで減らす仕様へと生まれ変わった。
エスカルオールは全体的な形状が細身へと変わっており、洗練されたエリアルエジェクタがその形状を幾何学的な形状へと変化していた。
現代の揚力技術の粋を結集して仕上げられたその飾り羽が使用者の使用感と機動力を格段に向上させる、人間工学にも乗っ取ったもっとも扱いやすい武器として生まれ変わった。
「いい仕事してるねぇ~カプロ君!!」
「うぴぴ、言う程でもあるッスよぉ!!」
謙遜する事も無く自分の才能をひけらかすカプロに、勇達も笑いを飛ばし首を縦に振る。
彼の才能は誰もが納得しているからこそ、カプロ自身もこうやって胸を張って彼等にこの様な事が言えるのだろう。
「勇さんの魔装と魔甲も出来てるッスよ」
「お、サンキュ」
カプロの声に反応して研究員が勇の装備を一式持ってくると、彼に礼をして受け取る。
以前よりも少し手を加えたのだろうか……勇が手に持った時、以前よりも若干重さを感じた。
「カプロ、またなんか仕込んだのか? 少し重く感じたけど」
だがカプロはその言葉に対して首を傾げ、「んん?」と鼻で声を鳴らした。
「むしろ素材を少しいじって軽くしたッスけど……」
「え? あ、そうかぁ……勘違いだったみたいだ、ごめんごめん」
他の4人が勇の事を不思議に見つめる中……勇は慌てて装備を脇に抱える。
「ハハハ」と笑い誤魔化すと、勇は一足早く工房から足を踏み出した。
―――危ない……危うくバレる所だった―――
勇が感じたのは本当の事である……実際に彼にとっては魔装が重く感じたのだ。
この1ヶ月半……勇の命力は確実に低下していた。
しかも剣聖が当初予見していた半年から1年という減少期間の中でも最悪の……半年ペースであった。
魔剣使いが使う事を想定し、魔装にはある程度の重金属が使われている。
だが命力が減少した勇にはその重量は若干負担となっている様だった。
今の勇にとって僅かにズシリと感じる装備を片手に廊下を歩いていると……突然コール音が鳴り響く。
その音は工房からも鳴り響き、共鳴するかの様に廊下に何重にも響き渡った。
「な、なんだ!?」
勇は慌てて空いた片手で仕舞ってあったタブレットを取り出すと、魔装を抱えた手を器用に使いタブレットを開く。
画面には「画像通話要求:福留晴樹 <共有通話モード>」の文字が映っており、素早く許可のボタンをタッチすると……間もなくして暗転していた画面から福留の顔が映し出された。
「皆さん、聞こえますか?」
「はい、聞こえますよ、福留さん」
遅れて画面からは勇や他の者達の声がタイムラグを置いて響いてくると、福留がそれを理解し首を縦に振る。
だがその顔はどこか険しい顔を浮かばせており、ただならぬ状況である事が勇には理解出来ていた。
画面のサイドにそれぞれの顔を模した可愛らしいアイコンが並び、参加者が概ね居る事を確認した福留がゆっくりと口を開いた。
「これから緊急会議を行います。 直ちに戦闘員の皆さんは会議室に集合願います。 なお、勇くん、茶奈君、心輝君、亜月君、瀬玲君、ジョゾウさんは各々即時出発が出来る様、心の準備を整えてください」
福留はそう伝えると一方的に通信を閉じ、間も無く各々が持つタブレットが通信終了の文字を映し出した。
途端、金属の鳴り響く音が聞こえ本部正面ゲートの扉が開いていく……どうやら福留本人が到着した様だ。
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