時き継幻想フララジカ

日奈 うさぎ

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第三十九節「神冀詩 命が生を識りて そして至る世界に感謝と祝福を」

~全ての命は生を望む~

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 一人の男がキーボードを叩く。
 照明も付いていない、ジメっとした小汚い部屋の中で。

 部屋は昼間にも拘らず、夜の様に暗い。
 厚いカーテンを閉め切り、露光さえも遮っているから。
 どれだけ長い事そのままなのか、上縁には埃さえ積もっていて。

 男は引き籠りなのだろう。
 さしずめ、社会の荒波に早々と押し流された者と言った所か。
 その証拠に、クローゼットには埃の被ったスーツもが見える。
 昔はきっと胸に希望を抱いて働いていたに違いない。

 ただ、その身体はもうスーツへ収まらないくらいに太ましい。
 親の脛齧りニートとして居続け、身体を動かすのも精々トイレの時だけだから。
 
 しかし一方の手付きはと言えば実に軽快だ。
 まるでキーボードの上を踊るかの様に、太ましい指が駆け巡っている。
 それも今の感情を全てぶつけているかの様に止まる事無く。

 そんな男の身体からは何か煙の様なものが吹き上がっていた。
 暗い部屋の中であろうと目立つ程にドス黒い煙が。
 しかもそれが溜まったのか、天井はもう模様さえ見えなくて。

 でも男はその煙には気付いていないらしい。
 指からも漏れているが、意に介する様子は一切無い。

「これは地球終わったな。 はい人類終了ー」

 それどころか楽しそうにこう呟き、言ったままの文字をパソコンへと打ち込んでいく。
 するとどうだろう、その言葉に続いて新たな文字が次々と現れる事に。

『待ちに待った時がやってきたな』
『やっと現代社会という地獄から解放される』
『さらば地球、俺は異世界に行くよ』
『俺を嫌う世界なんて早く消えてしまえ』

 そのいずれもが男の言葉同様、悲観に満ち溢れている。
 恐らく、男と同じ境遇を持った者達が書き込んでいるのだろう。
 今の世界に希望を見出せなくて、生きる事にさえ苦悩して。

 ただ、誰しも事の本質に気付いている者は居なさそうだ。
 世界が滅んだ先に待つのは今以上の苦痛だというのに。

 けれど彼等にはきっとそんな事はどうでも良かったのかもしれない。
 今という自分自身の居場所の無い世界から離れられればそれで。
 それだけ皆が皆、今の世界に絶望していたから。

「生きてて何も楽しい事なんて無かったな。 せめて童貞くらい棄てたかったけど、どうせ俺みたいな奴に抱かれたい女なんて居ないし」

 そんな絶望が一つ積み上がる度に煙が濃くなっていく。
 身体が黒く燻り始めてしまう程に。

「一度くらいは可愛い女の子と話したかったな。 ま、どうせキモいとか言われて終わりなんだろうけど」

 更には体の至る箇所が変わっていく。
 爪が、牙が覗き、目が虚ろになっていく。
 絶望が彼等の心だけでなく身体をも蝕み始めたのだ。

 邪神の眷属達は恐らくこうして生まれたのだろう。
 空の映像露呈をキッカケに因子をバラ蒔き、戦いを見せて変化を促して。
 絶望に堕ちた者達を利用して恐怖を煽る―――アルトラン・アネメンシーらしいやり方だ。

 だからこそ男はもう逃れ得なかったのかもしれない。
 己の抱く望みなどもう欠片も残されていなかったのだから。



『どうして貴方達は世界が滅ぶ事を受け入れられるの?』



 だがその時、場違いとも言える一言がパソコンに映り込んだ。

 この一言を前に、誰しもが目を見張る。
 予想だにもしていなかった者からの返信を目の当たりにして。

『うお、アキヒメ来たー!!wwwwww』
『本人降臨wwwwww』
『え、マジ本物!?』

 そう、彼等にとっての話題の中心とも言える人物が現れたからだ。

 その名は『AKI』。
 現れた際に必ずこの名前を付ける事から〝アキヒメ〟の異名を得ている。
 だから彼等も直ぐに気付けたのだろう。

『アキヒメって誰?』
『知らねーのかよエアプ無知か。 グランディーヴァのシンパで、色んな掲示板に現れて諭して回るっていう広報係みたいなもん』
『信者もすげー増えてるらしい』
『噂だとセレブだとか鷹峰の娘とか言われてるよな。 でもその正体は誰も知らないという』

 その所為でたちまち掲示板上の空気が変わる。
 悲観論から瞬時にして〝アキヒメ〟一色に染まり上がったのだ。

 そして突然の人物の登場に驚いたのは当然インターネット上だけではない。
 異形へと換わろうとしていた男でさえも驚きを隠せずにいて。

「ID!? うお、本物かよ!? 初めて遭遇したな……」

 そのお陰なのか、異形化が留まる事に。
 ただしそれでも換わった部分までは戻る事はなかったが。

『世界が終わったら、貴方達がやりたい事も出来なくなるんだよ?』
『いや、やりたい事なんて無いしな』
『むしろ生きる理由を教えてくれ』
『生きる理由なんて探せば幾らでもあるじゃん。 こうやって掲示板に打ち込む事だってその理由の一つなんじゃないの?』
『それ理由って言えるのか?』

 それでももう掲示板に釘付けだ。
 たちまち始まった返信の嵐レスバトルからとても目が離せなくて。

『言えるよ。 だって本当に生きる理由が無くなったら死ぬしかないじゃん。 少なくとも自殺した人達は皆そうだった。 じゃあなんで貴方達は今生きているの? それは本当は生きたいって思ってるからじゃないの?』

「何なんだよコイツ、マジで言ってんのか? なんか腹立つな……」

『本心で語ってよ。 素直になろうよ。 掲示板だってSNSだってどこだっていい。 そんな捻くれた答えじゃなく、本当に思った事を言ってみてよ。 それだけで何かが変われるはずだよ』

「頭お花畑かよ、こっちの気も知らねーで。 俺達がどんだけ苦痛を味わってきたと思ってんだ。 どんだけこの世界に絶望したと思ってんだよ……!!」

 ただ、それでも男の絶望を煽るだけだった。
 劣等感と、敗北感と、そして諦念と。
 複雑絡みあった心は簡単に解く事は出来ないから。
 それどころかより強固に縛り付けてしまっていて。

 だからこそ締め付けられた痛みに怒りも憶えよう。
 ついその指を走らせてしまう程に猛々しく。

『そんな本音を吐いて受け入れられる奴はいいよな。 でも俺は何を言っても駄目だった。 誰も聞いてくれないし願いを叶えてくれもしなかった。 俺が何しても報われなかった。 だったら本音吐く意味なんてねーだろ。 どうせ無視されて終わりだ』

『そんな事は無いよ。 今は違う』

『違くねーよ。 俺が本音吐いたら全て解決するのかよ? 世界が救われるのかよ? んな訳ねーだろ。 それでも言うなら吐いてやるよ。 俺が今お前に言いたい本音を全て』

 それはただ怒りに身を任せて。
 全てを投げ捨てるつもりで叩く。
 生きる事とか死ぬ事とかに関係無く。

 男にとって今はこれから一言だけが全てだったのだ。
 ただ〝アキヒメ〟を黙らせたい、ただそれだけの為に。



『アキヒメ、俺にヤラせろ。 それが出来ねーならすっこんでろ』



 最低最悪の返しだった。
 返した男から見てもそう思える程に。

 引き籠りだって貞操概念はある。
 それに、ネット上だから強気に出れても現実ではそうともいかないから。
 だからこそ男には後悔が滲む。
 例え今日が最期の日だとしても抗えない程の理性が邪魔をして。
 その所為でまた不安が、恐れが募っていく。

 きっと仲間達にも最低と思われただろう。
 また話を聞いてくれる人は減っただろうな、と。

 こうして男はずっと自分を追い込んでいたのだろう。
 絶望し尽くし、闇へと取り込まれそうになる程に。



 でも世界は、今だから彼の様な者にでも優しくなれるのかもしれない。



『わかった、いいよ。 もし世界が救われたなら相手してあげる』  



 故に男はただただ目を疑うしか無かった。
 向けられた優しさが真実かも理解出来なくて。
 思ってもみなかった返信に、夢とさえ思えてならなくて。

 そうして気付けば指もが止まっていた。
 どう返していいか、どう応えたらいいかわからなかったから。
 ここまでの潔くて鮮烈な肯定も初めてで。

 とはいえこの世界は一人ではない。
 代わりに応えてくれる者達は沢山いる。

 だから世界は今なお言葉を紡ぎ続けている。

『マジで!? 本当にいいの!?』
『俺も俺も!!』
『便乗する』
『うん、わかった』
『待ってアキヒメ』

 しかも彼等の世界はどんどんと新しい形へと発展していく事に。
 全く別の、新しい希望達を次々と巻き込む事によって。

『アキヒメが身体を張る事は無いよ。 その代わり私が抱かれてもいい』
『じゃあ私も参戦する。 顔はよくないかもだし、した事無いから上手く出来ないかもだけど』
『噂聞いて来た! 泡姫やってまーす! 何人でも相手してあげるからかかってこい!』
『実は俺、女だったんだ。 なんかこのやりとり見て協力したくなってきた』

 こんな書き込みが次々と現れ、とめどなく場を興奮させていたのだ。
 更には噂を聞き付けた信者達をも巻き込み、規模が膨れ上がっていて。
 遂に元々から書き込んでいた者もが動くまでに。

 これは決して誰も冗談などで言っているのではない。
 身体を売ろうとも思っていないし、騙そうとしている訳でも無い。
 これが自分達に出来る一種の戦いだと思ったから、意を決して表明しているのだ。

 だから皆、本音で語っている。
 生きる為に身体を張って。

『ありがとう皆。 でも本当に約束して。 グランディーヴァを応援するとかそんなんじゃなく、ただ生きたいって強く思って欲しいの。 それだけで彼等は力に出来るから』

 そんな彼女達の戦いを見て、男は何を思っただろうか。
 ただただ唖然と画面の前で惚け、溜息を漏らし、顎を震わせていて。

 けれどその身体からはもう黒い煙は立ち上ってはいない。
 それどころか、燻っていた体が肌色を取り戻していく。
 まるで灰を払ったかの様に黒肌を落とした事によって。

 絶望に沈んでいたはずの男にも希望が生まれたのだ。
 とても些細で、それでいて恥ずかしい事かもしれないけれど。

 それでも縋りたくなるような淡い願いが。

「本当、なのかな……俺、女抱けるのかな? もしそうなら―――」

 もちろん叶う確証なんて無かった。
 インターネット上のやりとりなど所詮現実世界リアルとは無関係で。
 心の片隅には「きっとこれも冗談なんだろう」という想いが駆け巡ったものだ。

 でも、それでも期待したかった。
 何も今日終わらなくてもいいじゃないかと。
 もしかしたら本当に待ちに待った時が明日に訪れるかもしれないのだと。

 だから男は今、立ち上がる。
 机に震えた手を添え、ギュッと握り締めて。

「生きてぇ、生きてぇよ……!! まだ死にたくねぇよ!! 女を抱くまでまだ死にたくねぇよおッ!! 父さん、母さん、俺、俺えッ!!」
 
 なら想いのままに高らかと叫ぼう。
 想いのままに駆け下りよう。

 今得た気持ちが彼にとっての希望ならば、決して臆する必要は無いのだから。





 アキヒメの様な存在は世界中に存在していた。
 インターネット上に溢れる闇を振り払う存在として。
 その中には今の様に不純な話題で希望を促す事もあっただろう。
 
 だが不純でも生への欲求に変わりはない。
 むしろより純粋に原始的な欲求だからこそ、何よりも強い渇望となる。

 生殖行為とはほぼ全ての生物が持つ本能的欲求だ。
 種を残し、育み、増やし、次代に繋げようとする生物の根源欲求なのだ。
 それを不純としているのは所詮、人の創り上げた戒律に過ぎない。
 
 だからこそ彼等は性を求めて生を願う。
 生物として在り続けるが為に。

 そして今、その生への願いが輝きと成って空を舞う。
 幾つも幾つも、数多の星々に負けない程に沢山と。

 世界中のあらゆる土地から一斉に舞い上がり、星を覆っていく。



 まるで星そのものが生きたがっているのだと思えるくらいに。



 そんな輝きを空から見守る達が居た。
 いや、空から見える様に感じているだけか。

 何故なら彼等もまた星の光の一部だったから。

『さァてと、消える前に一仕事するとするかァ』

『えぇそうですね。 この輝きを勇様の下へ届けましょう』

『よーし、張り切っちゃうぞー!!』

 その意思ある幾多の光が星包む輝き達を牽引していく。
 かの地にて戦う者達へ、自分達の想いをも届けるかの如く。

 その様子はまるで流星群だった。
 色とりどりの輝きが燐光を跳ねて進む姿はもう。
 決して人の目には見えないけれど、命を感じられる者にはきっとわかるだろう。

 この輝き全てが人の希望なのだと。

『ああ、ああ……星の声が聴こえます。 命を想う声が、明日を望む声が』

 その輝きを前にして、神は思う。
 〝この世界はこれ程までに生を望んでいたのか〟と

 そう思わずには居られなかったのだ。
 世界は彼女が知るよりもずっと希望に満ち溢れていたのだから。

『アルトラン、この声が聴こえますか? 届きませんか? もし聴こえていたならば耳を澄ましてください。 彼等が紡ぐ命の詩を。 もし心が届くならばどうか応えてください。 ヒトはまだ、これだけ生きたがっているのだと……!!』

 そんな輝きの流星群の中に己の想いをも乗せる。
 たった一人、想い届けたかった人物への言葉を添えて。

 今となっては彼女しか知らない、かの想い人へと―――










 『あちら側』の星はもう地球と目と鼻の先だ。
 互いに見えないけれど、もう既に触れそうなくらいに近づいている。
 重力や大気の影響が無いのは【創世の鍵】が働いているからなのだろう。

 そんな星の向かい合う場所、切り立った山々の中に一つの洞穴があった。
 しかもその中には一人の男が座っていて。

 その男が何かを感じ、ふと面を上げる。

「―――この声、ア・リーヴェか。 聴くに久しいな」

 そうして放たれた声は微風の如き囁きに過ぎない。
 故に間も無く、山を撫でる突風に晒され消え行こう。

 でも、一抹の輝きだけは風にも負けず空へと舞い上がっていて。

 その囁きを零し、男は何を思ったのだろうか。
 かつての想い人の声にどんな心を見せたのだろうか。
 それはまだ彼だけにしかわからない。

 しかしきっと、この輝きが『こちら側』へと届いた時―――神は知るだろう。
 その存在を、心の在り方を。
 そして男の真意をも。



 想いはこうしてあらゆる形で世界を巡る。
 人間と魔者と天士、命を求める声と共に。

 世界の終りに抗う為にと、合わさった光が幾数多の閃光となって。


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