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第3章 極悪上司と運動会
5.女はいくつでも女
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そうこうしているうちに、午前の競技が終わった。
「杏里を迎えに行ってくる」
「いってらっしゃい」
彼を待っている間に、お弁当を開けてお昼ごはんの準備をしておく。
「パパ!
杏里、一番だったのよ!
ちゃんと見てくれた!?」
「見てた、見てた。
さすが、杏里はパパの子供だなー」
女の子と手を繋ぎ、いつもはつり上がっている目をこれでもか! ってくらい、下げた京塚主任が戻ってきた。
なんだか理想の親子過ぎて、憧れる。
「パーパー、だーれ?」
私の顔を見て、女の子――杏里ちゃんの首が傾く。
「パパの会社の、星谷さん。
今日は杏里のために、お弁当作ってきてくれたんだぞ」
「本当!?
嬉しい!」
ぱーっと彼女の顔が輝いた。
うっ、眩しすぎる。
まだ純真無垢な乙女の笑顔は。
「うわぁ、おいしそう。
いただきまーす!」
にこにこと笑いながら、杏里ちゃんはお弁当を食べている。
「おいしいねぇ、パパ。
いつものごはんもこれくらい、おいしかったらいいのに」
「こ、こら、杏里!」
焦って杏里ちゃんの口を塞ごうとしているけど、そんなに酷い食事なんだろうか……。
ちょっと心配になってきた。
「杏里、ついてる」
「……ん」
彼女の、口端についたご飯粒を取り、京塚主任がぱくりと食べる。
「パパー、ありがとー」
「どういたしまして」
彼が彼女を見る目は慈愛に満ちているし、彼女が彼を見る目は信頼に溢れていた。
なんだか、ふたり以外、何者もいらないかのように。
「……!」
不意に、ポケットから出した携帯を確認し、京塚主任が立ち上がる。
「わるい、ちょっと電話。
すまんが杏里を少し、頼めるか?」
「はい、大丈夫です」
小さく頷き、彼はその場を離れた。
「杏里ちゃん。
デザートも……」
「……はぁーっ」
さっきまであんなに笑っていたのが嘘のように、彼女が不機嫌にため息を吐き出した。
「……へ?」
「どうせ、パパ目当てなんでしょ?」
食べた枝豆の殻を、彼女が私に投げつける。
「杏里、ちゃん?」
なにが起きているのかわからなくて、笑顔が引きつってしまう。
「杏里のためじゃなくて、パパのため、でしょ?」
また、枝豆の殻を投げつけられた。
「杏里のママはママだけなの。
ママがいなくても杏里はパパだけがいればいい」
俯いた彼女は、私と目をあわせない。
その言葉が矢になって、トスッと私の胸に突き刺さった。
ここに来るとき、まるで家族みたいだとか喜んでいただけに。
「私は……」
「すまんな、ふたりにして」
口を開こうとしたら、京塚主任が戻ってきた。
「ん?
どかしたのか?」
「あのね、パパ!」
さらになにか、ディスられるのかと身構えたものの。
「星谷お姉さん、デザートも作ってきてくれたんだって!
ね!?」
さっきまでとは打って変わって、ぱっと花が咲くみたいに杏里ちゃんが笑う。
でも、同意を求めるように私を見た目はどう見ても、「パパに話したらただじゃおかないからね!」って目だった。
……さすが、親子というか。
「はい。
お口にあうといいんですけど」
気を取り直し、保冷剤代わりに入れてきた、凍らせたゼリーとフルーツを出す。
「すごーい!」
京塚主任の膝に座り、目をキラキラさせて杏里ちゃんはゼリーを食べている。
「パパ、あーん」
「あーん」
なーんて京塚主任に食べさせているけれど、あれはもしかしてパパは私のものだってさりげなく牽制しているのかな。
女の子は小さくても、もうすでに一人前の女なんだな。
「パパ、あとでねー」
お弁当のあと、元気に手を振りながら杏里ちゃんは集合場所へ行った。
「ほんと、助かった。
杏里も喜んでくれたみたいだし」
「お役に立てたなら、よかったです」
ふたりになって改めて、京塚主任からあたまを下げられた。
……私は杏里ちゃんから、歓迎されてなかったようだけど。
「今年はちゃんと、写真が撮れたしな。
去年はいろいろバタバタして、写真すらまともに撮れなかった」
ふっ、と彼が遠い目をした。
奥さんが亡くなって、初めての運動会。
どんな気持ちだったんだろう。
そして、今年は。
少しでも、彼の役に立てているならいい。
「それで、だ。
星谷には新たな指令がある」
「……へ?」
ぽん、と私の肩を叩いた彼は、レンズの奥で悪戯っぽく瞳を光らせた――。
「場所はこの辺りでいいんだよね?」
どうにかこうにか場所を確保し、カメラをかまえてみる。
京塚主任から命じられたのは……写真撮影、だった。
『親子競技はどうしても、写真が撮れない。
そこで、お前に任せる』
と、妙にごついカメラを渡された。
「シャッター押すだけ、とは言われたけど……」
適当に目標を定め、ズームしてシャッターを半押ししてみる。
うまくピントがあい、これなら私でもなんとかなりそうだ。
「でもこれなら、午前も頼んでくれたよかったのに」
入場の音楽が流れてきて、カメラをかまえ直す。
周りはお母さんばかりなので京塚主任は目立っていた。
ここの保育園はお父さんとの遊技、お母さんとのダンスがあるらしく、午前中にあった父親との競技だって写真を撮りたかったはずなのだ。
「もっと頼ってくれてもいいのにな」
ファインダーの中では、とても楽しそうに京塚主任と杏里ちゃんが踊っていた。
『杏里はパパだけがいればいい』
それを見てたらさっきの、彼女の言葉が蘇ってくる。
あのとき、私は彼女になんと返そうとしたのだろう。
京塚主任のことなんてなんとも思っていない?
でも私は……。
気がついたら、競技は終わっていた。
テントに戻ったら、ちょうど京塚主任も戻ってきたところだった。
「わるいな」
「いえ。
上手く撮れているか自信ないですが」
カメラを京塚主任に返す。
彼はすぐに画面で写真を確認しはじめた。
「いや、十分だ。
本当に助かった、ありがとう」
眼鏡の下で目尻を下げ、彼が笑う。
その笑顔を見ただけで、胸が苦しい。
「お役に立てたなら、よかったです」
目をあわせられなくて、逸らした。
けれど彼は、気づいていない。
「……これで競技が終わりなら、失礼させてもらいますね」
お弁当を入れたバッグを持ち、立ち上がる。
「今日は助かった。
本当にありがとう。
礼はまた、改めて」
「お礼なんて。
私が好きでしたことなので、お気になさらずに。
じゃあ」
顔も上げず、逃げだすようにその場をあとにした。
私はもしかして、京塚主任を好きになりはじめている?
そんなこと、あるはずがない。
帰りの電車の中で何度も否定したけれど、否定しきれなかった……。
「杏里を迎えに行ってくる」
「いってらっしゃい」
彼を待っている間に、お弁当を開けてお昼ごはんの準備をしておく。
「パパ!
杏里、一番だったのよ!
ちゃんと見てくれた!?」
「見てた、見てた。
さすが、杏里はパパの子供だなー」
女の子と手を繋ぎ、いつもはつり上がっている目をこれでもか! ってくらい、下げた京塚主任が戻ってきた。
なんだか理想の親子過ぎて、憧れる。
「パーパー、だーれ?」
私の顔を見て、女の子――杏里ちゃんの首が傾く。
「パパの会社の、星谷さん。
今日は杏里のために、お弁当作ってきてくれたんだぞ」
「本当!?
嬉しい!」
ぱーっと彼女の顔が輝いた。
うっ、眩しすぎる。
まだ純真無垢な乙女の笑顔は。
「うわぁ、おいしそう。
いただきまーす!」
にこにこと笑いながら、杏里ちゃんはお弁当を食べている。
「おいしいねぇ、パパ。
いつものごはんもこれくらい、おいしかったらいいのに」
「こ、こら、杏里!」
焦って杏里ちゃんの口を塞ごうとしているけど、そんなに酷い食事なんだろうか……。
ちょっと心配になってきた。
「杏里、ついてる」
「……ん」
彼女の、口端についたご飯粒を取り、京塚主任がぱくりと食べる。
「パパー、ありがとー」
「どういたしまして」
彼が彼女を見る目は慈愛に満ちているし、彼女が彼を見る目は信頼に溢れていた。
なんだか、ふたり以外、何者もいらないかのように。
「……!」
不意に、ポケットから出した携帯を確認し、京塚主任が立ち上がる。
「わるい、ちょっと電話。
すまんが杏里を少し、頼めるか?」
「はい、大丈夫です」
小さく頷き、彼はその場を離れた。
「杏里ちゃん。
デザートも……」
「……はぁーっ」
さっきまであんなに笑っていたのが嘘のように、彼女が不機嫌にため息を吐き出した。
「……へ?」
「どうせ、パパ目当てなんでしょ?」
食べた枝豆の殻を、彼女が私に投げつける。
「杏里、ちゃん?」
なにが起きているのかわからなくて、笑顔が引きつってしまう。
「杏里のためじゃなくて、パパのため、でしょ?」
また、枝豆の殻を投げつけられた。
「杏里のママはママだけなの。
ママがいなくても杏里はパパだけがいればいい」
俯いた彼女は、私と目をあわせない。
その言葉が矢になって、トスッと私の胸に突き刺さった。
ここに来るとき、まるで家族みたいだとか喜んでいただけに。
「私は……」
「すまんな、ふたりにして」
口を開こうとしたら、京塚主任が戻ってきた。
「ん?
どかしたのか?」
「あのね、パパ!」
さらになにか、ディスられるのかと身構えたものの。
「星谷お姉さん、デザートも作ってきてくれたんだって!
ね!?」
さっきまでとは打って変わって、ぱっと花が咲くみたいに杏里ちゃんが笑う。
でも、同意を求めるように私を見た目はどう見ても、「パパに話したらただじゃおかないからね!」って目だった。
……さすが、親子というか。
「はい。
お口にあうといいんですけど」
気を取り直し、保冷剤代わりに入れてきた、凍らせたゼリーとフルーツを出す。
「すごーい!」
京塚主任の膝に座り、目をキラキラさせて杏里ちゃんはゼリーを食べている。
「パパ、あーん」
「あーん」
なーんて京塚主任に食べさせているけれど、あれはもしかしてパパは私のものだってさりげなく牽制しているのかな。
女の子は小さくても、もうすでに一人前の女なんだな。
「パパ、あとでねー」
お弁当のあと、元気に手を振りながら杏里ちゃんは集合場所へ行った。
「ほんと、助かった。
杏里も喜んでくれたみたいだし」
「お役に立てたなら、よかったです」
ふたりになって改めて、京塚主任からあたまを下げられた。
……私は杏里ちゃんから、歓迎されてなかったようだけど。
「今年はちゃんと、写真が撮れたしな。
去年はいろいろバタバタして、写真すらまともに撮れなかった」
ふっ、と彼が遠い目をした。
奥さんが亡くなって、初めての運動会。
どんな気持ちだったんだろう。
そして、今年は。
少しでも、彼の役に立てているならいい。
「それで、だ。
星谷には新たな指令がある」
「……へ?」
ぽん、と私の肩を叩いた彼は、レンズの奥で悪戯っぽく瞳を光らせた――。
「場所はこの辺りでいいんだよね?」
どうにかこうにか場所を確保し、カメラをかまえてみる。
京塚主任から命じられたのは……写真撮影、だった。
『親子競技はどうしても、写真が撮れない。
そこで、お前に任せる』
と、妙にごついカメラを渡された。
「シャッター押すだけ、とは言われたけど……」
適当に目標を定め、ズームしてシャッターを半押ししてみる。
うまくピントがあい、これなら私でもなんとかなりそうだ。
「でもこれなら、午前も頼んでくれたよかったのに」
入場の音楽が流れてきて、カメラをかまえ直す。
周りはお母さんばかりなので京塚主任は目立っていた。
ここの保育園はお父さんとの遊技、お母さんとのダンスがあるらしく、午前中にあった父親との競技だって写真を撮りたかったはずなのだ。
「もっと頼ってくれてもいいのにな」
ファインダーの中では、とても楽しそうに京塚主任と杏里ちゃんが踊っていた。
『杏里はパパだけがいればいい』
それを見てたらさっきの、彼女の言葉が蘇ってくる。
あのとき、私は彼女になんと返そうとしたのだろう。
京塚主任のことなんてなんとも思っていない?
でも私は……。
気がついたら、競技は終わっていた。
テントに戻ったら、ちょうど京塚主任も戻ってきたところだった。
「わるいな」
「いえ。
上手く撮れているか自信ないですが」
カメラを京塚主任に返す。
彼はすぐに画面で写真を確認しはじめた。
「いや、十分だ。
本当に助かった、ありがとう」
眼鏡の下で目尻を下げ、彼が笑う。
その笑顔を見ただけで、胸が苦しい。
「お役に立てたなら、よかったです」
目をあわせられなくて、逸らした。
けれど彼は、気づいていない。
「……これで競技が終わりなら、失礼させてもらいますね」
お弁当を入れたバッグを持ち、立ち上がる。
「今日は助かった。
本当にありがとう。
礼はまた、改めて」
「お礼なんて。
私が好きでしたことなので、お気になさらずに。
じゃあ」
顔も上げず、逃げだすようにその場をあとにした。
私はもしかして、京塚主任を好きになりはじめている?
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