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10・公爵の愛娘、悪徳養父を成敗する
養父の断罪タイム
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(うさぎしゃんが男の人に怯えて、神殿には来たくないって態度を示してたのは……。おとうしゃまが命じて、酷いことをしてたから……?)
彼女を背に乗せていた犬が、「なんて酷いことをする奴だ!」と唸り声をあげる。
ロルティは獣の背を優しく撫でつけ落ち着かせようと必死になりながら、司祭を睨みつけた。
「私はてっきり恐怖の涙でしか聖獣を生み出せないとばかり思っていたのですが、どうやらそうではないらしい。これほどまでに、立派な獣を召喚するとは……!」
「黙れ」
「さすがは聖女様です! くだらないごっこ遊びなどやめて、私の娘として生きなさい。この国を支配した暁には、今よりもっといい暮らしをさせてあげましょう」
「家族ごっこではない! 俺はロルティの父だ! 愛娘に話しかけるな……!」
「話にならぬ……」
実父と養父。
2人の罵り合いを耳にした娘は、ぎゅっと左手で握り拳を作りながら感情を押し殺した声で呟く。
「わたしだけじゃなくて、うさぎしゃんのことも、傷つけたんだ……」
出会いは偶然だったが、アンゴラウサギはロルティにとって家族と同じくらいに大切な存在だった。
(絶対に許せない……!)
自身の中でムクムクと怒りが浮かび上がって肥大化していくのを感じながら――ロルティはそれを押し留め切れず、一気に声に出して開放した。
「おとうしゃんは、すっごく悪い人だ!」
「わふ! わふん!」
「大好きなうさぎしゃんをいじめるような人なんて、嫌い!」
幼子を背に乗せていた犬が、「そうだ!」と同意するように鳴き声を上げる。
ロルティの拒絶が、司祭との決別をはっきりと決定づけた瞬間だった。
「ロルティ様を怒りでいっぱいにさせた罪……償ってもらいますよ」
「はっ! 裏切り者が……!」
養父の視線がロルティとジェナロへ向いていたのをいいことに、気配を消して鞘から剣を引き抜いたカイブルは、あっと言う間に悪態をつく司祭を拘束する。
喉元へと鋭利な鈍色の切っ先を突きつけ、悪人を無効化した。
「ロルティ……」
「わたしのおとうしゃまは、1人だけだもん。ねぇ、そうでしょ?」
「ああ……!」
手慣れた手つきでポケットから拘束用の縄を取り出したカイブルが、司祭の自由を奪い口元に使い古したハンカチを突っ込む中。
今にも泣き出しそうな瞳で愛娘を見つめた父親に、ロルティは笑いかける。
感極まったジェナロは犬の背から愛しい我が子を抱き上げると、謝罪を繰り返す。
「すまない……本当に……!」
「もう。おとうしゃまったら……。謝ってばっかり……」
「俺がもっと……」
「弱虫なおとうしゃまなんて、見たくないよ! ねっ。笑って?」
「ロルティ……」
「わたしはいつも優しくしてくれるおとうしゃまが、大好き!」
「ああ……っ。俺も、愛している……!」
ジェナロは泣き笑いのような笑顔を浮かべたあと潤んだ目元を強く擦って普段の調子を取り戻すと、司祭の移送準備を整えたカイブルを見つめた。
「カイブル。そいつを運ぶのは、任せてもいいか」
「もちろんです」
「あとは神官共を、黙らせるだけか……」
「いえ、まだ……。あの女が残っています」
「なんだと?」
カイブルが暗い表情で口にした人物が誰か、ロルティはよく知っていた。
彼女を背に乗せていた犬が、「なんて酷いことをする奴だ!」と唸り声をあげる。
ロルティは獣の背を優しく撫でつけ落ち着かせようと必死になりながら、司祭を睨みつけた。
「私はてっきり恐怖の涙でしか聖獣を生み出せないとばかり思っていたのですが、どうやらそうではないらしい。これほどまでに、立派な獣を召喚するとは……!」
「黙れ」
「さすがは聖女様です! くだらないごっこ遊びなどやめて、私の娘として生きなさい。この国を支配した暁には、今よりもっといい暮らしをさせてあげましょう」
「家族ごっこではない! 俺はロルティの父だ! 愛娘に話しかけるな……!」
「話にならぬ……」
実父と養父。
2人の罵り合いを耳にした娘は、ぎゅっと左手で握り拳を作りながら感情を押し殺した声で呟く。
「わたしだけじゃなくて、うさぎしゃんのことも、傷つけたんだ……」
出会いは偶然だったが、アンゴラウサギはロルティにとって家族と同じくらいに大切な存在だった。
(絶対に許せない……!)
自身の中でムクムクと怒りが浮かび上がって肥大化していくのを感じながら――ロルティはそれを押し留め切れず、一気に声に出して開放した。
「おとうしゃんは、すっごく悪い人だ!」
「わふ! わふん!」
「大好きなうさぎしゃんをいじめるような人なんて、嫌い!」
幼子を背に乗せていた犬が、「そうだ!」と同意するように鳴き声を上げる。
ロルティの拒絶が、司祭との決別をはっきりと決定づけた瞬間だった。
「ロルティ様を怒りでいっぱいにさせた罪……償ってもらいますよ」
「はっ! 裏切り者が……!」
養父の視線がロルティとジェナロへ向いていたのをいいことに、気配を消して鞘から剣を引き抜いたカイブルは、あっと言う間に悪態をつく司祭を拘束する。
喉元へと鋭利な鈍色の切っ先を突きつけ、悪人を無効化した。
「ロルティ……」
「わたしのおとうしゃまは、1人だけだもん。ねぇ、そうでしょ?」
「ああ……!」
手慣れた手つきでポケットから拘束用の縄を取り出したカイブルが、司祭の自由を奪い口元に使い古したハンカチを突っ込む中。
今にも泣き出しそうな瞳で愛娘を見つめた父親に、ロルティは笑いかける。
感極まったジェナロは犬の背から愛しい我が子を抱き上げると、謝罪を繰り返す。
「すまない……本当に……!」
「もう。おとうしゃまったら……。謝ってばっかり……」
「俺がもっと……」
「弱虫なおとうしゃまなんて、見たくないよ! ねっ。笑って?」
「ロルティ……」
「わたしはいつも優しくしてくれるおとうしゃまが、大好き!」
「ああ……っ。俺も、愛している……!」
ジェナロは泣き笑いのような笑顔を浮かべたあと潤んだ目元を強く擦って普段の調子を取り戻すと、司祭の移送準備を整えたカイブルを見つめた。
「カイブル。そいつを運ぶのは、任せてもいいか」
「もちろんです」
「あとは神官共を、黙らせるだけか……」
「いえ、まだ……。あの女が残っています」
「なんだと?」
カイブルが暗い表情で口にした人物が誰か、ロルティはよく知っていた。
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