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アデライト編
夫の死と娘の病気
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ローフェルの葬儀から3か月経ったが、未だに私には信じられなかった。
それは顔をはっきりと確認していない所為なのかもしれない。
終わらぬ悪夢を見ているような感覚で時だけが過ぎていく。
だが、アリスティアの病は深刻なものになっていた。ローフェルの事だけではなく。幼い頃の記憶がごっそりと抜け落ちていた。
まだ3才の幼子。生活には支障をきたさないが、新しい使用人は泣いて怖がってしまう。
このままではアリスティアは修道院送りとなってしまう。
アリスティアは、私と古株の侍女数人で世話をした。夜は私の寝室で休ませ、昼は執務室がアリスティアの遊び場となっていた。
私といる時間がほとんどで、ローフェルがいなくなった後の穴埋めに追われていた私は、まるでアリスティアを外に出さない様にしていると、事情を知らない使用人は考えていた。
夫に良く似たアリスティアを身代わりにしているのだと。
父はローフェルの行方を密かに国中、探して情報集めていた。私以上に諦めがつかない様子だった。
遺体がローフェルのものかどうか怪しすぎるからだ。体格や上着だけがローフェルのもので、もしかしたら別人なのではないかと疑っている。
私もそうであったならと心のどこかで期待しながら、毎回父が送ってくれている手紙に「見つかった」という字を探していた。
だが、その知らせもないまま一年が過ぎようかという時に、伯爵家からある申し出があったのだ。
それはオーウェンを私の再婚相手にしてはどうかと。
父も私も一度は断った。ローフェルの死が受けいられない私は、オーウェンを受けいられるはすがない。
しかし、義母ヴェロニカは色々と社交界に根回ししていて、オーウェンとの再婚は既に決まっているように噂が広がっていた。
父は伯爵家に抗議したが、既に出回った噂はさも真実のように広がりを見せ、とうとう幼子には父親が必要だと父から言われたが、私はひたすら拒否し続けた。
理由は、オーウェンがマリエルと復縁していたからだ。また、悲劇の主人公の様に私を貶める彼らの思惑通りに動くのは嫌だった。
何よりアリスティアがいる。以前の時は独身だったが、その火の子がアリスティアにかかることは防ぎたかった。
オーウェンはそんな私の気持ちなどお構いなしに、アリスティアに近づいている。
まるで、自分が父親であるかの様に振る舞って……。
毒の様に浸透するオーウェンの甘い言葉に、アリスティアは次第にオーウェンが実の父だと認識してしまう。
この男からは逃れられないのだろうか。
このままではアリスティアは私が死んだ後、恐ろしい目に遭うのではないかと不安に駆られていた。
逃れられない再婚をしてしまった私は、あることに気付く。
オーウェンの性質を。
彼は私に対して、ある特殊な性質を持っていた。
それは、私が好意を向けると、逆に冷めた態度を取り冷たくあしらう癖に、私が関心を寄せなくなると追いすがって来るのだ。
執拗に、執念深く。私に見せるオーウェンの性質。
逆に私はこれを利用してアリスティアを守ることにした。公爵家に近づけない様に画策したのだ。
私は、オーウェンが望むアデライトを演じる事にしたのだ。
昔の様にオーウェンに依存して、泣いてみっともなく縋る女を。
全てはアリスティアを、ローフェルとの娘を守るために、自分の評判を自らの手で貶めていった。
夫に相手にされない憐れな女。アデライト・クロムウェルを創り上げていくことにした。
それは顔をはっきりと確認していない所為なのかもしれない。
終わらぬ悪夢を見ているような感覚で時だけが過ぎていく。
だが、アリスティアの病は深刻なものになっていた。ローフェルの事だけではなく。幼い頃の記憶がごっそりと抜け落ちていた。
まだ3才の幼子。生活には支障をきたさないが、新しい使用人は泣いて怖がってしまう。
このままではアリスティアは修道院送りとなってしまう。
アリスティアは、私と古株の侍女数人で世話をした。夜は私の寝室で休ませ、昼は執務室がアリスティアの遊び場となっていた。
私といる時間がほとんどで、ローフェルがいなくなった後の穴埋めに追われていた私は、まるでアリスティアを外に出さない様にしていると、事情を知らない使用人は考えていた。
夫に良く似たアリスティアを身代わりにしているのだと。
父はローフェルの行方を密かに国中、探して情報集めていた。私以上に諦めがつかない様子だった。
遺体がローフェルのものかどうか怪しすぎるからだ。体格や上着だけがローフェルのもので、もしかしたら別人なのではないかと疑っている。
私もそうであったならと心のどこかで期待しながら、毎回父が送ってくれている手紙に「見つかった」という字を探していた。
だが、その知らせもないまま一年が過ぎようかという時に、伯爵家からある申し出があったのだ。
それはオーウェンを私の再婚相手にしてはどうかと。
父も私も一度は断った。ローフェルの死が受けいられない私は、オーウェンを受けいられるはすがない。
しかし、義母ヴェロニカは色々と社交界に根回ししていて、オーウェンとの再婚は既に決まっているように噂が広がっていた。
父は伯爵家に抗議したが、既に出回った噂はさも真実のように広がりを見せ、とうとう幼子には父親が必要だと父から言われたが、私はひたすら拒否し続けた。
理由は、オーウェンがマリエルと復縁していたからだ。また、悲劇の主人公の様に私を貶める彼らの思惑通りに動くのは嫌だった。
何よりアリスティアがいる。以前の時は独身だったが、その火の子がアリスティアにかかることは防ぎたかった。
オーウェンはそんな私の気持ちなどお構いなしに、アリスティアに近づいている。
まるで、自分が父親であるかの様に振る舞って……。
毒の様に浸透するオーウェンの甘い言葉に、アリスティアは次第にオーウェンが実の父だと認識してしまう。
この男からは逃れられないのだろうか。
このままではアリスティアは私が死んだ後、恐ろしい目に遭うのではないかと不安に駆られていた。
逃れられない再婚をしてしまった私は、あることに気付く。
オーウェンの性質を。
彼は私に対して、ある特殊な性質を持っていた。
それは、私が好意を向けると、逆に冷めた態度を取り冷たくあしらう癖に、私が関心を寄せなくなると追いすがって来るのだ。
執拗に、執念深く。私に見せるオーウェンの性質。
逆に私はこれを利用してアリスティアを守ることにした。公爵家に近づけない様に画策したのだ。
私は、オーウェンが望むアデライトを演じる事にしたのだ。
昔の様にオーウェンに依存して、泣いてみっともなく縋る女を。
全てはアリスティアを、ローフェルとの娘を守るために、自分の評判を自らの手で貶めていった。
夫に相手にされない憐れな女。アデライト・クロムウェルを創り上げていくことにした。
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