36 / 52
アデライト編
希望の光
再婚する意志を見せると父は
「本当にいいのか?」
「はい、構いません。アリスティアに父親が必要な事は解っています。但し、条件があります。伯爵家のアリスティアへの干渉はやめてもらって下さい。恐らく、伯爵が床に伏していて、義母が何か無理を言わない様に釘を刺してください。それと、オーウェンを公爵家の戸籍に入れないでください」
「わかった。何かあったらすぐに放逐させる」
「それではきっと何の解決にもならないでしょう」
そう、またオーウェンは私達の前に現れる。彼が生きている限り、この国にいる限りそれは続くのだ。
かといって、今の段階では何の理由もなく彼を処罰することはできない。
ただ、待つしかない。彼の行いで自滅するのを。それでも駄目なら私が死ぬ時に道ずれにするまでだ。
この婚姻は、最初からオーウェンを破滅させる為に結んだもの。
私は調べさせていたオーウェンの恋人のマリエルとその子供の事を。
オーウェンとは全く血の繋がりがない。それでもオーウェンはいつか引き取りたいと言ってくるに違いない。
その時に面倒な事はごめんだ。出来るだけアリスティアに関わらせたくなかった。でもローフェルの娘だという事できっとまた、公爵家との繋がりを求めてくるはず。
以前流れた醜聞の所為で、公爵家との縁談が流れてはと義母ヴェロニカは夫のガルズを言い含めて、マリエルに金を積んで別れさせている。
オーウェンはそれを公爵家が圧を掛けたと勝手に友人らに吹聴して回っていた。あくまでも婚約者候補でしかなかったオーウェンに、そこまでする必要などないことを高位貴族らは理解していても、下級貴族の友人とやらは素直に信じたのだろう。
マリエルは義母ヴェロニカと同じで、他人を妬む癖があり、奪うことに喜びを感じるような性質の持ち主。
そんな彼女等は外見もよく似ている。
見かけは儚げな、男の庇護心を擽るような姿でありながら、本性は毒の華。一度味わったら最後、死ぬまでその毒に犯され続けるような中毒性を持っている仇花。
私と再婚したオーウェンも義母に言われたのか、はたまた改心したのか私やアリスティアに優しかった。しかし、兄ローフェルに対して罪悪感があるのかアリスティアと目を合わせることはしなかった。
屋敷の者達にオーウェンとアリスティアを二人にしない事を命じていた。護衛はわたしに付ける倍の人数をつけ、公爵家の影をつけて、オーウェンの動向を探っていた。
かつての私の様な思いをアリスティアにさせない様に。
それにこの頃にはアリスティアには王家から縁談が来ていた。
王弟レイラン殿下との婚約話が。
父もレイラン殿下との縁組には、乗り気だった。だが、彼には事情があって隣国に留学していた。直ぐにどうこうできる状態ではないし、伯爵家の事もあった。
公になれば、王家と縁が出来ると義母がまたいらぬ画策をするに違いない。
頭の痛くなる問題は山積みだが、アリスティアはローフェルに似て健康な体を持っている事だけが私の唯一の救いとなった。
良かった。私に似なくて。
そして、オーウェンは私が予想した通り、マリエルとその娘を引き取りたいと言ってきた。
私は監視しやすい別邸に住むように勧めた。彼は至極上機嫌でアリスティアにいらぬ言葉を吐いたのだ。
それがきっかけで、アリスティアの病気が悪化することになる。
別邸に行きたいというアリスティアを連れて行ったのが間違いだった。
礼儀も身の程も弁えないマリエルはアリスティアに不貞の現場に見られた腹いせに、赤い髪の鬘を付けてアリスティアを怯えさせた。
オーウェンは帰宅して、執事たちから事情を聴いて、公爵家にやってきた。
自分がいない間にマリエルを侮辱しに別邸を訪れたのかと喚き散らすオーウェンに辟易していた私が、冷たい言葉を投げかけると、今度はすがってくる。
その時、オーウェンの性質を確信したのだ。
そして、私はアリスティアに呪いをしていた。
アリスティアの中に父、ローフェルの思い出はあるが名前が記憶から削除されていく。ただオーウェンの名前は覚えられると知って
「アリスティア、貴方の本当の父はローフェル。忘れないで、貴方のその瞳は父から受け継いだもの。忘れてしまってはお父様が悲しむわよ」
何度も何度も刷り込んだ。幸せな記憶と共に。言い聞かせた。ローフェルをオーウェンに置き換えて。
次第にアリスティアの中にはローフェルの記憶しかなく、オーウェンをあの男と呼ぶようになっていく。
そして、アリスティアの誕生日パーティーが終わった頃、オーウェンは羞恥心の欠片も示さずこういった。
「君の希望は叶えた」「これからも君の言うとおりにする」「君の為に全てを犠牲にしてきたのに」
そうアリスティアの前で言ったのだ。何もかも私が悪いように。
そして、マリエルから吹き込まれた偽りを信じて、私を詰り出す。話は平行線を辿った事で逆上したオーウェンはまたアリスティアを傷つけた。
庇った私の頬を彼が叩いたのだ。それを伯爵家・父公爵の前で……。
私は俯きながら、内心これでこの男と別れられると思ったのに、義母ヴェロニカがまたもや邪魔をした。
アリスティアを侍女と乳母に任せ、私達は応接室で話し合いをしたのだが、義母はオーウェンに詫びを入れさせ、アリスティアの成人まではいさせて欲しいと懇願した。得意の男を落とす仕草で、父も私も聞く気が無かったが、伯爵は今後二度と公爵家には近づかないし、事業からも撤退する意思を見せたことで、父は了承してしまった。
義母は驚愕し、それは嫌だと主張したが、道理が通らなかった。公爵家の事業を手伝っていたからこそ、潤沢な資産が出来ていた。
その金で贅を尽くしていた義母は、今後そんな生活を望めないと分かっている。しかし、オーウェンの罪を本人に償わせないのなら、当然の処置だった。父は伯爵家をローフェルと結婚した時から、切り捨てたかった。今、その絶好のタイミングを逃すはずもなかった。
そしてオーウェンも二度と公爵家の門を叩くことを許さないと伝えた。でも、オーウェンが大人しくするとは思えない。だから私は手紙を別邸に送った。その内容はアリスティアの成長を記したもので、最後に「愛している」と嘘の言葉を綴った。それだけで、オーウェンは私達に近づかない。公爵家に来ない事は予測できた。
案の定、別邸のトーマスから最初の手紙を見ただけで、後は封も見ずに送りかえす様に指示されたと聞かされた。
この事を聞いて確信した。自分が愛されていると信じている間は、アリスティアに近づかないだろうと。
その手紙を盗み見たマリエルは私に、無駄な嫌がらせの様な怪文書を送りつけてきた。
彼女の文を私はいつかの為に保管した。そして一年が経つ頃に離縁状と共に、別邸の私の部屋の鍵を入れたのだ。
それは一縷の望みだったのかもしれない。オーウェンが改心して、叔父としてアリスティアを支えてくれるのではという思いからだったが、彼はそれすらも封を開けずに返してきた。
アリスティアの記憶は、ますます酷くなる一方で、私はあらゆる医師に見せたが効果は表れなかった。
そして、何事も無く月日が過ぎて行った頃、隣国にいたレイラン殿下から吉報がもたらせられた。
ーーーー王家の瞳を持った男性が隣国にいるーーーー
父はその知らせを聞いて、急いで隣国のとある神殿に向かった。
アリスティアが10才の誕生日を迎える直前の秋だった。
「本当にいいのか?」
「はい、構いません。アリスティアに父親が必要な事は解っています。但し、条件があります。伯爵家のアリスティアへの干渉はやめてもらって下さい。恐らく、伯爵が床に伏していて、義母が何か無理を言わない様に釘を刺してください。それと、オーウェンを公爵家の戸籍に入れないでください」
「わかった。何かあったらすぐに放逐させる」
「それではきっと何の解決にもならないでしょう」
そう、またオーウェンは私達の前に現れる。彼が生きている限り、この国にいる限りそれは続くのだ。
かといって、今の段階では何の理由もなく彼を処罰することはできない。
ただ、待つしかない。彼の行いで自滅するのを。それでも駄目なら私が死ぬ時に道ずれにするまでだ。
この婚姻は、最初からオーウェンを破滅させる為に結んだもの。
私は調べさせていたオーウェンの恋人のマリエルとその子供の事を。
オーウェンとは全く血の繋がりがない。それでもオーウェンはいつか引き取りたいと言ってくるに違いない。
その時に面倒な事はごめんだ。出来るだけアリスティアに関わらせたくなかった。でもローフェルの娘だという事できっとまた、公爵家との繋がりを求めてくるはず。
以前流れた醜聞の所為で、公爵家との縁談が流れてはと義母ヴェロニカは夫のガルズを言い含めて、マリエルに金を積んで別れさせている。
オーウェンはそれを公爵家が圧を掛けたと勝手に友人らに吹聴して回っていた。あくまでも婚約者候補でしかなかったオーウェンに、そこまでする必要などないことを高位貴族らは理解していても、下級貴族の友人とやらは素直に信じたのだろう。
マリエルは義母ヴェロニカと同じで、他人を妬む癖があり、奪うことに喜びを感じるような性質の持ち主。
そんな彼女等は外見もよく似ている。
見かけは儚げな、男の庇護心を擽るような姿でありながら、本性は毒の華。一度味わったら最後、死ぬまでその毒に犯され続けるような中毒性を持っている仇花。
私と再婚したオーウェンも義母に言われたのか、はたまた改心したのか私やアリスティアに優しかった。しかし、兄ローフェルに対して罪悪感があるのかアリスティアと目を合わせることはしなかった。
屋敷の者達にオーウェンとアリスティアを二人にしない事を命じていた。護衛はわたしに付ける倍の人数をつけ、公爵家の影をつけて、オーウェンの動向を探っていた。
かつての私の様な思いをアリスティアにさせない様に。
それにこの頃にはアリスティアには王家から縁談が来ていた。
王弟レイラン殿下との婚約話が。
父もレイラン殿下との縁組には、乗り気だった。だが、彼には事情があって隣国に留学していた。直ぐにどうこうできる状態ではないし、伯爵家の事もあった。
公になれば、王家と縁が出来ると義母がまたいらぬ画策をするに違いない。
頭の痛くなる問題は山積みだが、アリスティアはローフェルに似て健康な体を持っている事だけが私の唯一の救いとなった。
良かった。私に似なくて。
そして、オーウェンは私が予想した通り、マリエルとその娘を引き取りたいと言ってきた。
私は監視しやすい別邸に住むように勧めた。彼は至極上機嫌でアリスティアにいらぬ言葉を吐いたのだ。
それがきっかけで、アリスティアの病気が悪化することになる。
別邸に行きたいというアリスティアを連れて行ったのが間違いだった。
礼儀も身の程も弁えないマリエルはアリスティアに不貞の現場に見られた腹いせに、赤い髪の鬘を付けてアリスティアを怯えさせた。
オーウェンは帰宅して、執事たちから事情を聴いて、公爵家にやってきた。
自分がいない間にマリエルを侮辱しに別邸を訪れたのかと喚き散らすオーウェンに辟易していた私が、冷たい言葉を投げかけると、今度はすがってくる。
その時、オーウェンの性質を確信したのだ。
そして、私はアリスティアに呪いをしていた。
アリスティアの中に父、ローフェルの思い出はあるが名前が記憶から削除されていく。ただオーウェンの名前は覚えられると知って
「アリスティア、貴方の本当の父はローフェル。忘れないで、貴方のその瞳は父から受け継いだもの。忘れてしまってはお父様が悲しむわよ」
何度も何度も刷り込んだ。幸せな記憶と共に。言い聞かせた。ローフェルをオーウェンに置き換えて。
次第にアリスティアの中にはローフェルの記憶しかなく、オーウェンをあの男と呼ぶようになっていく。
そして、アリスティアの誕生日パーティーが終わった頃、オーウェンは羞恥心の欠片も示さずこういった。
「君の希望は叶えた」「これからも君の言うとおりにする」「君の為に全てを犠牲にしてきたのに」
そうアリスティアの前で言ったのだ。何もかも私が悪いように。
そして、マリエルから吹き込まれた偽りを信じて、私を詰り出す。話は平行線を辿った事で逆上したオーウェンはまたアリスティアを傷つけた。
庇った私の頬を彼が叩いたのだ。それを伯爵家・父公爵の前で……。
私は俯きながら、内心これでこの男と別れられると思ったのに、義母ヴェロニカがまたもや邪魔をした。
アリスティアを侍女と乳母に任せ、私達は応接室で話し合いをしたのだが、義母はオーウェンに詫びを入れさせ、アリスティアの成人まではいさせて欲しいと懇願した。得意の男を落とす仕草で、父も私も聞く気が無かったが、伯爵は今後二度と公爵家には近づかないし、事業からも撤退する意思を見せたことで、父は了承してしまった。
義母は驚愕し、それは嫌だと主張したが、道理が通らなかった。公爵家の事業を手伝っていたからこそ、潤沢な資産が出来ていた。
その金で贅を尽くしていた義母は、今後そんな生活を望めないと分かっている。しかし、オーウェンの罪を本人に償わせないのなら、当然の処置だった。父は伯爵家をローフェルと結婚した時から、切り捨てたかった。今、その絶好のタイミングを逃すはずもなかった。
そしてオーウェンも二度と公爵家の門を叩くことを許さないと伝えた。でも、オーウェンが大人しくするとは思えない。だから私は手紙を別邸に送った。その内容はアリスティアの成長を記したもので、最後に「愛している」と嘘の言葉を綴った。それだけで、オーウェンは私達に近づかない。公爵家に来ない事は予測できた。
案の定、別邸のトーマスから最初の手紙を見ただけで、後は封も見ずに送りかえす様に指示されたと聞かされた。
この事を聞いて確信した。自分が愛されていると信じている間は、アリスティアに近づかないだろうと。
その手紙を盗み見たマリエルは私に、無駄な嫌がらせの様な怪文書を送りつけてきた。
彼女の文を私はいつかの為に保管した。そして一年が経つ頃に離縁状と共に、別邸の私の部屋の鍵を入れたのだ。
それは一縷の望みだったのかもしれない。オーウェンが改心して、叔父としてアリスティアを支えてくれるのではという思いからだったが、彼はそれすらも封を開けずに返してきた。
アリスティアの記憶は、ますます酷くなる一方で、私はあらゆる医師に見せたが効果は表れなかった。
そして、何事も無く月日が過ぎて行った頃、隣国にいたレイラン殿下から吉報がもたらせられた。
ーーーー王家の瞳を持った男性が隣国にいるーーーー
父はその知らせを聞いて、急いで隣国のとある神殿に向かった。
アリスティアが10才の誕生日を迎える直前の秋だった。
あなたにおすすめの小説
最後に一つだけ。あなたの未来を壊す方法を教えてあげる
椿谷あずる
恋愛
婚約者カインの口から、一方的に別れを告げられたルーミア。
その隣では、彼が庇う女、アメリが怯える素振りを見せながら、こっそりと勝者の微笑みを浮かべていた。
──ああ、なるほど。私は、最初から負ける役だったのね。
全てを悟ったルーミアは、静かに微笑み、淡々と婚約破棄を受け入れる。
だが、その背中を向ける間際、彼女はふと立ち止まり、振り返った。
「……ねえ、最後に一つだけ。教えてあげるわ」
その一言が、すべての運命を覆すとも知らずに。
裏切られた彼女は、微笑みながらすべてを奪い返す──これは、華麗なる逆転劇の始まり。
悪女と呼ばれた令嬢は、親友の幸せのために婚約者を捨てた
由香
恋愛
婚約者である王太子を、親友のために手放した令嬢リュシエンヌ。
彼女はすべての非難を一身に受け、「悪女」と呼ばれる道を選ぶ。
真実を語らぬまま、親友である騎士カイルとも距離を置き、
ただ一人、守るべきものを守り抜いた。
それは、愛する人の未来のための選択。
誤解と孤独の果てで、彼女が手にした本当の結末とは――。
悪女と呼ばれた令嬢が、自ら選び取る静かな幸福の物語。
嘘つきな貴方を捨てさせていただきます
梨丸
恋愛
断頭台に上がった公爵令嬢フレイアが最期に聞いた言葉は最愛の婚約者の残忍な言葉だった。
「さっさと死んでくれ」
フレイアを断頭台へと導いたのは最愛の婚約者だった。
愛していると言ってくれたのは嘘だったのね。
嘘つきな貴方なんて、要らない。
※投稿してから、誤字脱字などの修正やわかりにくい部分の補足をすることがあります。(話の筋は変わらないのでご安心ください。)
11/27HOTランキング5位ありがとうございます。
※短編と長編の狭間のような長さになりそうなので、短編にするかもしれません。
1/2累計ポイント100万突破、ありがとうございます。
完結小説ランキング恋愛部門8位ありがとうございます。
【完結】私の婚約者の、自称健康な幼なじみ。
❄️冬は つとめて
恋愛
「ルミナス、すまない。カノンが…… 」
「大丈夫ですの? カノン様は。」
「本当にすまない。ルミナス。」
ルミナスの婚約者のオスカー伯爵令息は、何時ものようにすまなそうな顔をして彼女に謝った。
「お兄様、ゴホッゴホッ! ルミナス様、ゴホッ! さあ、遊園地に行きましょ、ゴボッ!! 」
カノンは血を吐いた。
最愛の人に裏切られ死んだ私ですが、人生をやり直します〜今度は【真実の愛】を探し、元婚約者の後悔を笑って見届ける〜
腐ったバナナ
恋愛
愛する婚約者アラン王子に裏切られ、非業の死を遂げた公爵令嬢エステル。
「二度と誰も愛さない」と誓った瞬間、【死に戻り】を果たし、愛の感情を失った冷徹な復讐者として覚醒する。
エステルの標的は、自分を裏切った元婚約者と仲間たち。彼女は未来の知識を武器に、王国の影の支配者ノア宰相と接触。「私の知性を利用し、絶対的な庇護を」と、大胆な契約結婚を持ちかける。
殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。
和泉鷹央
恋愛
雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。
女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。
聖女の健康が、その犠牲となっていた。
そんな生活をして十年近く。
カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。
その理由はカトリーナを救うためだという。
だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。
他の投稿サイトでも投稿しています。
【完結】祈りの果て、君を想う
とっくり
恋愛
華やかな美貌を持つ妹・ミレイア。
静かに咲く野花のような癒しを湛える姉・リリエル。
騎士の青年・ラズは、二人の姉妹の間で揺れる心に気づかぬまま、運命の選択を迫られていく。
そして、修道院に身を置いたリリエルの前に現れたのは、
ひょうひょうとした元軍人の旅人──実は王族の血を引く男・ユリアン。
愛するとは、選ばれることか。選ぶことか。
沈黙と祈りの果てに、誰の想いが届くのか。
運命ではなく、想いで人を愛するとき。
その愛は、誰のもとに届くのか──
※短編から長編に変更いたしました。
【完結】「妹が欲しがるのだから与えるべきだ」と貴方は言うけれど……
小笠原 ゆか
恋愛
私の婚約者、アシュフォード侯爵家のエヴァンジェリンは、後妻の産んだ義妹ダルシニアを虐げている――そんな噂があった。次期王子妃として、ひいては次期王妃となるに相応しい振る舞いをするよう毎日叱責するが、エヴァンジェリンは聞き入れない。最後の手段として『婚約解消』を仄めかしても動じることなく彼女は私の下を去っていった。
この作品は『小説家になろう』でも公開中です。