『選ばれし乙女』ではありませんが、私で良いのでしょうか?私、地味で目立たない風属性ですよ?

ミミリン

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あまり歓迎はされていない

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あれから話はとんとん拍子に進んだ。


まだ歳が若いこと、そして私は貧しい領地の出身と言う事で婚約期間の間にロディウス家にふさわしい人材か評価されることになった。


ロディウス伯爵家の当主や奥様は私の両親とは違いかなりドライな方々って印象だ。

歓迎はあまりされてないけど冷遇もされていない。

お手並み拝見ねと言われ、私をご子息が通っている学園に入学させてくださった。


次男は今語学留学で不在だそう。



当面の実家への援助はして下さるし、私の希望は叶えてもらえたという事だ。


取り急ぎ領地の危機は救えたし弟の進路も叶えてあげられる算段は付いた。


それだけが願いだったからこれ以上求めてはいけないわよね。


安心しながらも心のどこかが晴れない私はこうやって毎日自分に言い聞かせている日々が続いている。



その原因は婚約者であるピーター=ロディウスの存在だ。



彼は初めての顔合わせの時から私の事を気に入らない態度が散見された。


気に入らない理由の一つはこの容姿だと予測できる。


領地の農場に風魔法をほぼ毎日かけに行くことで肌はすっかり焼けてしまった。

貴族令嬢特有の白い肌は戻りきる前にまた焼けてしまうのだ。


そして、風魔法保持者特有の色あせたような小麦色の髪と瞳の色。

水魔法とは違い、ただただ地味な色だ。


風属性でも美しい貴婦人はおられるが、それは湯水のようにお金をかけて手入れしているからだ。


そして、気に入らない理由は多分この身長のせいだと思う。


私は女性にしては身長の高い部類だ。

とびぬけて大きいわけではないけど小柄な女性と並ぶとやっぱり目立ってしまう。

既製品のドレスを着ると丈が足らない事もしばしば。


そんな時は自分でドレスをリメイクして丈を伸ばすようにしている。

なので簡単な裁縫くらいは自分で出来るようになったという我ながら器用な性格だと自負はある。



そして、我が婚約者ピーター様は男性にしては少し身長が低い。



私が並ぶとヒールがある分少し私の方が背が高くなってしまうのだ。


初対面の挨拶時から全身を何度も見られ、ため息をつかれた。


「こんな女が俺の婚約者かよ…。大外れじゃないか。」

そんなつぶやきさえも聞こえてきた。


今なら何となくわかる。


この伯爵令息に縁談がなかなか調わなかったのはこの性格だからだと。


ピーター様に関しては、顔は十分に整っておられ、多少身長は低くても顔は小さく足は長いので全身の均等はバランスが良く見栄えは良かった。


それに、広大な領地を持つ伯爵家長男なのだから私のような貧乏没落寸前男爵令嬢など本来お呼びではないはずなのだ。



悪態をつかれても背に腹は代えられない。


私の目的のためにはこの方と婚約を継続することが今の重要課題なの。




そうして、私は親元を離れ、伯爵家の小さなコテージを与えられそこに一人住みながら学園に通う事になった。


伯爵家からは侍女や家庭教師も用意され、学園が終わり次第コテージ(自宅)で勉強の日々だ。


学習面は、領地内の学校に平民の子たちと通っていたので基礎は分かっていたけど応用や他国の歴史などまだまだ知らないことだらけだった。


知らない事を知るのは新しい発見ばかりで大変だけど楽しいと思えた。


知れば知るほど理解が深まる充実感さえもある。



マナーに関しては領地がここまで困窮する前に講師を迎えて一通り学んだので思い出す程度で履修終了となった。


お母様、幼い頃に色々私に体験させてくださってありがとう。感謝いたします。

と親のありがたみをも知った。

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