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課題もやっておけよ
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ミリアさんがこの学園に来てからピーター様の機嫌は上々だ。
休みの日もミリアさんと街で会っているとクラスメイトから聞いた。
国で保護している選ばれし乙女候補の彼女と行動を共にするのはさぞかし鼻が高いのだと思う。
けれど、その分誘われている貴族同士のお茶会やパーティへの参加を渋られている。
というか、ほとんど来ないので私一人でこなすのが当たり前になっている。
こんな事言ってはいけないけど、ピーター様と一緒に出席するより私は身軽で動きやすいのよね…。
ティナ様から送っていただいた靴も気兼ねなくはけるし。
パーティではミリアさんの事も話題に上がっていて、
選ばれし乙女の接待に忙しい男の婚約者という可哀そうなポジションになっていた。
その影響か、優しい貴族の方々からは同情的な目で見られている。
その分、領地経営の話題になるとそれなりに話についていけるので、逆境でもめげない健気な婚約者と印象を好転してもえる棚ぼたはある。
ある程度は私もしたたかさを知ったということかな。
ある日、招待していただいたパーティのお礼状を出すために遣いを頼もうとしたけど執事に
「あなた様が使われるお金をお渡しすることはピーター様から禁じられております。」
と断られてしまった。
意味が分からず、ピーター様に聞いてみると
「当り前だろう?婚約者の俺を連れずに勝手に参加しているパーティの礼状だろう?
なぜ君の余興に俺がお金を出さないといけないんだ?
それに君には俺の両親から金銭をもらっているだろう?
それ以上にお金をせびるなんてどこまでがめついんだ?」
「ご両親から頂いているのは私の食費や交通費など生活で消えてしまいます。
本来であればドレスなどに必要な費用も請求するところを周りの方に何とか助けていただいてやりくりしているのですが。」
「ああ、あの外商の娘とティナ嬢か。
お前もしたたかに立ち回るよな。
そこは尊敬するよ。
だがな、出せないものは出せない!
しつこい!
俺は今からミミリ―にドレスを買ってやると約束しているんだ。
自分の事は自分で何とかしろよ。じゃあな。」
ええええ…。
どうしよう…。
はやく礼状を送りたいのに。
「ああ…そうだ、お前に仕事があったんだ。」
ピーター様は立ち止まりこちらを振り返る。
そして、机の上に置いてあった教科書を強引に私に付きだした。
「これ、俺とミミリ―の分の課題をお前がやっておけ。
期限は3週間後だ。」
目の前に突き付けられた教科書は普通科では取り扱っていない内容だ。
上級クラスの課題なんて見たこともないのに。
「私、このような課題はできま…。」
「出来なかったら、俺から俺の両親に言おうかなあ。
セレナが我がままばかり言うから俺は成績が落ちてしまうって。
そうなれば両親からの援助金は君の領地にはもう振り込まれないかもなあ。
君は厚かましいだけでなく、親不孝者という事になるね。」
「っ…。」
「やるの?やらないの?」
「…させて、いただき、ます。」
「ああそう。じゃあ、よろしくね。
変なもの出して来たら承知しないからな。
ま、普通科のお前にできるかは知らないけど。
ははは、じゃあな。」
ピーター様はケタケタ笑いながら部屋を出て行った。
突き付けられた教科書を恐る恐る目を通す。
ところどころ分かる部分もあるが、上手く読解できない。
どうしよう…この課題を完成させないと実家の領地がなくなってしまう。
誰かに教えてもらおう。
けど、私の知り合いはみんな普通科だし上級クラスの知り合いなんていないわ。
居たとしてもピーター様が私に課題をさせていたとバラせば反感を買ってしまうし…。
ああ、そうだわっ!
休みの日もミリアさんと街で会っているとクラスメイトから聞いた。
国で保護している選ばれし乙女候補の彼女と行動を共にするのはさぞかし鼻が高いのだと思う。
けれど、その分誘われている貴族同士のお茶会やパーティへの参加を渋られている。
というか、ほとんど来ないので私一人でこなすのが当たり前になっている。
こんな事言ってはいけないけど、ピーター様と一緒に出席するより私は身軽で動きやすいのよね…。
ティナ様から送っていただいた靴も気兼ねなくはけるし。
パーティではミリアさんの事も話題に上がっていて、
選ばれし乙女の接待に忙しい男の婚約者という可哀そうなポジションになっていた。
その影響か、優しい貴族の方々からは同情的な目で見られている。
その分、領地経営の話題になるとそれなりに話についていけるので、逆境でもめげない健気な婚約者と印象を好転してもえる棚ぼたはある。
ある程度は私もしたたかさを知ったということかな。
ある日、招待していただいたパーティのお礼状を出すために遣いを頼もうとしたけど執事に
「あなた様が使われるお金をお渡しすることはピーター様から禁じられております。」
と断られてしまった。
意味が分からず、ピーター様に聞いてみると
「当り前だろう?婚約者の俺を連れずに勝手に参加しているパーティの礼状だろう?
なぜ君の余興に俺がお金を出さないといけないんだ?
それに君には俺の両親から金銭をもらっているだろう?
それ以上にお金をせびるなんてどこまでがめついんだ?」
「ご両親から頂いているのは私の食費や交通費など生活で消えてしまいます。
本来であればドレスなどに必要な費用も請求するところを周りの方に何とか助けていただいてやりくりしているのですが。」
「ああ、あの外商の娘とティナ嬢か。
お前もしたたかに立ち回るよな。
そこは尊敬するよ。
だがな、出せないものは出せない!
しつこい!
俺は今からミミリ―にドレスを買ってやると約束しているんだ。
自分の事は自分で何とかしろよ。じゃあな。」
ええええ…。
どうしよう…。
はやく礼状を送りたいのに。
「ああ…そうだ、お前に仕事があったんだ。」
ピーター様は立ち止まりこちらを振り返る。
そして、机の上に置いてあった教科書を強引に私に付きだした。
「これ、俺とミミリ―の分の課題をお前がやっておけ。
期限は3週間後だ。」
目の前に突き付けられた教科書は普通科では取り扱っていない内容だ。
上級クラスの課題なんて見たこともないのに。
「私、このような課題はできま…。」
「出来なかったら、俺から俺の両親に言おうかなあ。
セレナが我がままばかり言うから俺は成績が落ちてしまうって。
そうなれば両親からの援助金は君の領地にはもう振り込まれないかもなあ。
君は厚かましいだけでなく、親不孝者という事になるね。」
「っ…。」
「やるの?やらないの?」
「…させて、いただき、ます。」
「ああそう。じゃあ、よろしくね。
変なもの出して来たら承知しないからな。
ま、普通科のお前にできるかは知らないけど。
ははは、じゃあな。」
ピーター様はケタケタ笑いながら部屋を出て行った。
突き付けられた教科書を恐る恐る目を通す。
ところどころ分かる部分もあるが、上手く読解できない。
どうしよう…この課題を完成させないと実家の領地がなくなってしまう。
誰かに教えてもらおう。
けど、私の知り合いはみんな普通科だし上級クラスの知り合いなんていないわ。
居たとしてもピーター様が私に課題をさせていたとバラせば反感を買ってしまうし…。
ああ、そうだわっ!
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