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騎士の帰還
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泣きじゃくるミアがようやく落ち着いた段で、エミールは二人から話を聞いた。
ことの起こりはひと月ほど前、アダムがアイクに接触してきたことだった。
ふらりと現れた顔なじみの男に、驚きこそすれアイクは純粋に喜んだという。
久しぶり、と抱き着いたら、「おまえもそろそろだな」とアダムが言った。
アイクが戸惑っていると、アダムはおもむろに『養子』の話を持ち出してきたらしい。
「養子?」
突然の単語にエミールは首を傾げた。
エミールが王都の養護施設に出入りするようになって驚いたことのひとつには、この『養子』というシステムがあった。
ヴローム村の孤児院は、村の大人たちの手を借りながら子どもたちだけで生活をして、十八になったら村の仕事を手伝う者と、アダムに連れられて王都へ行く者に分かれた。村の誰かの子どもとして引き取られる、という仕組み自体がなかった。
王都の施設は衣食住がしっかりとしており、学びの場も確保され、下手な田舎で育つよりも裕福な印象がある。
そんな施設の子どもたちにないのは『親』という存在だ。
大人の職員が毎日交代で寝泊まりをしているが、職員はやはり職員。親とは違って当たり前だった。
その『親』を与えてくれるのが『養子』というシステムだ。子どもが欲しい親が施設を訪れ、孤児たちと面談をして、関係性がうまくいきそうならばその家の子どもとして引き取られてゆく。その際、親はまとまった金額を養護施設に納めるのだが、それは施設の収入になるのではなく、引き取られた子どもの養育費を預かるという名目だった。
王都で子どもを育てるにはある程度の費用がかかる。新たに親となる人物に子どもをきちんと育てるだけの財力があるかどうかを確かめるためである。
さらに、子どもが引き取られた後、施設職員が数か月に一度その家を訪れ、預かった養育費を分割で親に返してゆくこととなる。複数回に分けて不定期に訪問することで、子どもの安否の確認をしたり、きちんと育ててもらっているかを確認できるからだという。
孤児に対して随分と手厚いことだ、とエミールは感心したが、クラウスは当然のように言っていた。
「子どもは将来的に、サーリーク王国を支える柱となるからな」
蒼い瞳を細めて未来を語る横顔に、エミールはこれが王族かとすこし圧倒される思いを抱いた。その日暮らしのエミールとは、根本的に視点が違う。
クラウスの王族としての資質はさておき、その『養子』の話をアダムが持ち込んだ、というのがよくわからない。
王都で職の斡旋をしていたぐらいだから、ヴローム村に馴染みのない王都での制度にも明るいのかもしれないが。
しかし、「おまえもそろそろだな」という言葉の意味も不明だ。
エミールはぽつぽつと経緯を話すアイクを見つめた。
アイクも最初は養子がどんなものかわからなかったが、自分を引き取りたいと言っている家があると知り、興味を引かれたのだという。
エミールたち孤児は、家族というものに憧れがある。
特に、『オシュトローク側から落とされた赤子』らは。
病気や事故で両親を亡くしたわけでもなく、エミールたちは、親の手によって国防壁の向こうに『捨てられた』子どもだからだ。
だから養子の話を出されて、アイクの気持ちがどうしようもなく惹きつけられたことは、想像に難くない。
その子どもの憧れにつけこむように、アダムは条件を出してきた。
この話は絶対に、エミールには漏らすな、と。
「オレ? なんで?」
エミールが目を丸くして問いかけると、アイクが言いにくそうに唇をもごもごとさせた。
「エミール兄ちゃんは、僕が養子に行くことを絶対邪魔するからって……」
「邪魔ってなんだよ! アイクがしあわせになるなら、オレは邪魔なんてっ」
「エル、最後まで聞いてやれ」
割り込んできたファルケンの冷静な声にハッと口をつぐんで、エミールは半泣きになっているアイクの頭を撫でた。
「ごめん。続けて?」
「……エミール兄ちゃん、ごめんね」
アイクが小さな声で謝って、ほとりと涙を落した。
彼はアダムから、エミールの悪口を色々と吹き込まれたらしい。
エミール兄ちゃんはそんなことしない、と反論したアイクだったが、
「現実を見てみろよ。おまえたちを施設に閉じ込めて、エミールは自分だけがちゃっかりお城に住んでるじゃないか」
と指摘され、言い返すことができなかった。エミールを疑う気持ちも湧いてきた。エミールに養子の話をしたら、本当に邪魔されるのではないかと思ってしまった。
アイクにとってさらにつらいことに、アダムとの話を幼いミアが聞いてしまっていた。
ミアはその日、学び舎から帰ってくるアイクを驚かせようと、茂みに隠れていたのだという。
アイクがようやくアダムから解放され、ひとり呆然と立ち尽くしていたときに、ミアが泣きながら現れ、いまの話はなぁに、とアイクにしがみついてきたことで、アイクは一部始終をミアに目撃されていたことを知った。
アイクはどこかに行っちゃうの?
エミールママは悪いひとなの?
いまのひとはだぁれ?
幼いミアはアダムのことを覚えておらず、見ず知らずの男にアイクが詰め寄られていたこと、エミールの悪口を聞かされたこと、アイクが他所の家に引き取られようとしていること、一気に耳に入ってきた様々な情報に混乱し、しばらく泣き続けた。
アイクはミアを抱っこして慰めながら、口止めをするしかなかった。
いま見たことはエミール兄ちゃんには言わないで。お願い。
ひどく思いつめたアイクの言葉に、ミアは泣きながら頷いた。
冷静になって考えれば、エミールがアイクの邪魔をするはずがない。家族ができることを喜びこそすれ、施設に閉じ込めようとするはずなんてなかった。
それなのにアイクはエミールを信じ切れなかった。
「ごめんね。エミール兄ちゃん、ごめん……」
声を震わせて謝罪の言葉を繰り返すアイクを、エミールはありったけの力で抱きしめた。
「なんで謝るの。アイクはなんにも悪くないのに」
「でも僕……ミアにも……」
「うん。ミアも頑張ったね。アイクの味方をしてあげてたんだね」
エミールがアイクごと膝の上のミアを抱きしめると、ミアがグズグズと鼻を鳴らした。
ここ最近の二人の様子がおかしかった理由がわかって、エミールとしてはすこしホッとした。二人が自分を嫌っているとは思わなかったが、隠しごとをされていることはさびしかったし、余所余所しい態度をとられるのはかなしかったから、彼らの本意ではなかったと知れて良かった。
「アイクたちは、今日アダムが来ることを知ってたんだ」
ファルケンが後ろからアイクとミアの頭をぐりぐりと撫でてそう言った。
アダムは今日、アイクを連れて施設を出るつもりだった。アイクは最後まで迷っていた。家族という存在は喉から手が出るほど欲しかった。
しかし、このままエミールと別れてしまっていいのか。自問している内に決心がつかなくなった。だから隠れた。アイクを心配したミアも、ずっとアイクの隣に居た。少女の手はずっとアイクの服の裾を掴んでいたらしい。
「そっか。それでオレが来たときも二人は姿を見せなかったのか」
ファルケンの説明にエミールは得心して頷いた。
「兄ちゃんが怪我するってわかってたら、アダムが来ることちゃんと話したのに……」
包帯で固定されたエミールの右手を見て、アイクが顔を歪める。
「これはアイクとは関係ないのに! それに、全然痛くないよ」
悲愴な顔つきで自分が悪いと言ってしまうアイクに笑ってみせ、エミールが大丈夫なことをアピールしようと右手を動かしかけた途端、ファルケンの手が伸びてきてそれを止められた。
「馬鹿。動かすな」
「う……ごめん」
エミールはおとなしく右手を下ろし、代わりのように左手でアイクとミアの頬を撫でた。
ことの起こりはひと月ほど前、アダムがアイクに接触してきたことだった。
ふらりと現れた顔なじみの男に、驚きこそすれアイクは純粋に喜んだという。
久しぶり、と抱き着いたら、「おまえもそろそろだな」とアダムが言った。
アイクが戸惑っていると、アダムはおもむろに『養子』の話を持ち出してきたらしい。
「養子?」
突然の単語にエミールは首を傾げた。
エミールが王都の養護施設に出入りするようになって驚いたことのひとつには、この『養子』というシステムがあった。
ヴローム村の孤児院は、村の大人たちの手を借りながら子どもたちだけで生活をして、十八になったら村の仕事を手伝う者と、アダムに連れられて王都へ行く者に分かれた。村の誰かの子どもとして引き取られる、という仕組み自体がなかった。
王都の施設は衣食住がしっかりとしており、学びの場も確保され、下手な田舎で育つよりも裕福な印象がある。
そんな施設の子どもたちにないのは『親』という存在だ。
大人の職員が毎日交代で寝泊まりをしているが、職員はやはり職員。親とは違って当たり前だった。
その『親』を与えてくれるのが『養子』というシステムだ。子どもが欲しい親が施設を訪れ、孤児たちと面談をして、関係性がうまくいきそうならばその家の子どもとして引き取られてゆく。その際、親はまとまった金額を養護施設に納めるのだが、それは施設の収入になるのではなく、引き取られた子どもの養育費を預かるという名目だった。
王都で子どもを育てるにはある程度の費用がかかる。新たに親となる人物に子どもをきちんと育てるだけの財力があるかどうかを確かめるためである。
さらに、子どもが引き取られた後、施設職員が数か月に一度その家を訪れ、預かった養育費を分割で親に返してゆくこととなる。複数回に分けて不定期に訪問することで、子どもの安否の確認をしたり、きちんと育ててもらっているかを確認できるからだという。
孤児に対して随分と手厚いことだ、とエミールは感心したが、クラウスは当然のように言っていた。
「子どもは将来的に、サーリーク王国を支える柱となるからな」
蒼い瞳を細めて未来を語る横顔に、エミールはこれが王族かとすこし圧倒される思いを抱いた。その日暮らしのエミールとは、根本的に視点が違う。
クラウスの王族としての資質はさておき、その『養子』の話をアダムが持ち込んだ、というのがよくわからない。
王都で職の斡旋をしていたぐらいだから、ヴローム村に馴染みのない王都での制度にも明るいのかもしれないが。
しかし、「おまえもそろそろだな」という言葉の意味も不明だ。
エミールはぽつぽつと経緯を話すアイクを見つめた。
アイクも最初は養子がどんなものかわからなかったが、自分を引き取りたいと言っている家があると知り、興味を引かれたのだという。
エミールたち孤児は、家族というものに憧れがある。
特に、『オシュトローク側から落とされた赤子』らは。
病気や事故で両親を亡くしたわけでもなく、エミールたちは、親の手によって国防壁の向こうに『捨てられた』子どもだからだ。
だから養子の話を出されて、アイクの気持ちがどうしようもなく惹きつけられたことは、想像に難くない。
その子どもの憧れにつけこむように、アダムは条件を出してきた。
この話は絶対に、エミールには漏らすな、と。
「オレ? なんで?」
エミールが目を丸くして問いかけると、アイクが言いにくそうに唇をもごもごとさせた。
「エミール兄ちゃんは、僕が養子に行くことを絶対邪魔するからって……」
「邪魔ってなんだよ! アイクがしあわせになるなら、オレは邪魔なんてっ」
「エル、最後まで聞いてやれ」
割り込んできたファルケンの冷静な声にハッと口をつぐんで、エミールは半泣きになっているアイクの頭を撫でた。
「ごめん。続けて?」
「……エミール兄ちゃん、ごめんね」
アイクが小さな声で謝って、ほとりと涙を落した。
彼はアダムから、エミールの悪口を色々と吹き込まれたらしい。
エミール兄ちゃんはそんなことしない、と反論したアイクだったが、
「現実を見てみろよ。おまえたちを施設に閉じ込めて、エミールは自分だけがちゃっかりお城に住んでるじゃないか」
と指摘され、言い返すことができなかった。エミールを疑う気持ちも湧いてきた。エミールに養子の話をしたら、本当に邪魔されるのではないかと思ってしまった。
アイクにとってさらにつらいことに、アダムとの話を幼いミアが聞いてしまっていた。
ミアはその日、学び舎から帰ってくるアイクを驚かせようと、茂みに隠れていたのだという。
アイクがようやくアダムから解放され、ひとり呆然と立ち尽くしていたときに、ミアが泣きながら現れ、いまの話はなぁに、とアイクにしがみついてきたことで、アイクは一部始終をミアに目撃されていたことを知った。
アイクはどこかに行っちゃうの?
エミールママは悪いひとなの?
いまのひとはだぁれ?
幼いミアはアダムのことを覚えておらず、見ず知らずの男にアイクが詰め寄られていたこと、エミールの悪口を聞かされたこと、アイクが他所の家に引き取られようとしていること、一気に耳に入ってきた様々な情報に混乱し、しばらく泣き続けた。
アイクはミアを抱っこして慰めながら、口止めをするしかなかった。
いま見たことはエミール兄ちゃんには言わないで。お願い。
ひどく思いつめたアイクの言葉に、ミアは泣きながら頷いた。
冷静になって考えれば、エミールがアイクの邪魔をするはずがない。家族ができることを喜びこそすれ、施設に閉じ込めようとするはずなんてなかった。
それなのにアイクはエミールを信じ切れなかった。
「ごめんね。エミール兄ちゃん、ごめん……」
声を震わせて謝罪の言葉を繰り返すアイクを、エミールはありったけの力で抱きしめた。
「なんで謝るの。アイクはなんにも悪くないのに」
「でも僕……ミアにも……」
「うん。ミアも頑張ったね。アイクの味方をしてあげてたんだね」
エミールがアイクごと膝の上のミアを抱きしめると、ミアがグズグズと鼻を鳴らした。
ここ最近の二人の様子がおかしかった理由がわかって、エミールとしてはすこしホッとした。二人が自分を嫌っているとは思わなかったが、隠しごとをされていることはさびしかったし、余所余所しい態度をとられるのはかなしかったから、彼らの本意ではなかったと知れて良かった。
「アイクたちは、今日アダムが来ることを知ってたんだ」
ファルケンが後ろからアイクとミアの頭をぐりぐりと撫でてそう言った。
アダムは今日、アイクを連れて施設を出るつもりだった。アイクは最後まで迷っていた。家族という存在は喉から手が出るほど欲しかった。
しかし、このままエミールと別れてしまっていいのか。自問している内に決心がつかなくなった。だから隠れた。アイクを心配したミアも、ずっとアイクの隣に居た。少女の手はずっとアイクの服の裾を掴んでいたらしい。
「そっか。それでオレが来たときも二人は姿を見せなかったのか」
ファルケンの説明にエミールは得心して頷いた。
「兄ちゃんが怪我するってわかってたら、アダムが来ることちゃんと話したのに……」
包帯で固定されたエミールの右手を見て、アイクが顔を歪める。
「これはアイクとは関係ないのに! それに、全然痛くないよ」
悲愴な顔つきで自分が悪いと言ってしまうアイクに笑ってみせ、エミールが大丈夫なことをアピールしようと右手を動かしかけた途端、ファルケンの手が伸びてきてそれを止められた。
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