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二人の王子
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「おまえたちやドナースマルクらに気づかれぬよう、護衛はつけていた。だが、おまえたちを囮にしたことは謝る。申し訳なかった」
マリウスがもう一度謝罪し、テーブルに両手をついて深く頭を下げた。見ればクラウスも同じ姿勢になっていた。
アマーリエがこれみよがしな溜息をついて、
「次にエディを囮にしたら、離縁しますわよ」
と言った。自分を、ではなく子どもをと言うところがアマーリエらしかった。
「誓って、もうしない」
「どうだか」
「アマル。愛してる」
「……そう言っておけばわたくしが黙ると思ってるんでしょう。嫌なひと! 病死に見せかけて暗殺する計画があったってなんですの! それをわたくしがどんな気持ちで聞いていたか!」
「アマル、アマーリエ」
マリウスが立ち上がり、怒りにこぶしを震わせるアマーリエの隣に膝をつくと、両手で彼女を抱きしめた。アマーリエはマリウスの背中を叩いていたが、やがてその手は縋りつくようにマリウスへと回され、しっかりと抱き返した。
それを見ていたエミールの肩にも、重みが乗った。振り仰ぐと、いつの間にか隣に立っていたクラウスが、こちらの反応を窺うように息を詰めていた。
「先に言っときますけど」
「ああ」
「オレはべつに怒ってませんから」
「……本心か?」
「ええ」
本当に怒りの感情はなかった。むしろこうして説明されなければ、一生知らないままだったろう。
「でも、ひとつだけ」
肩を抱く手にてのひらを重ねて、エミールはクラウスを見上げ、眉をしかめた。
「せっかくスヴェンに護身術を習ったのに、全然動けなかった自分に腹が立ってます」
クラウスの蒼い瞳が丸くなった。やがてそれはじわりと細まりやがて堪え切れずにくつくつと肩を揺らした。
「エル、おまえ……」
「笑いごとじゃないって。オレ、つい目を閉じちゃって」
「いや、おまえは勇敢だった。アマルをまもったんだからな」
「でも結局最後はあなたにまもられてしまったんだから……ラス、いい加減笑うのやめてください」
「悪い……ふ、ふはっ」
一度表情をきりっと引き締めたクラウスだったが、すぐにまたふきだした。この男にしては珍しい破顔に、エミールはつい見惚れてしまった。
ドナースマルクが短剣を振り上げたとき、エミールは咄嗟に目を閉じてしまったが、その間にクラウスは壇上からエミールのところまで風のように飛んできたのだ。エミールももっと修行を積めば、クラウスのように動けるようになるのだろうか。
今日からスヴェンにもさらに稽古をつけてもらわなければ。
内心でそう考えていると、ふと視線を感じた。クラウスの笑顔から顔を下ろすと、アマーリエとマリウスがニヤニヤとこちらを見ていた。
「まぁまぁすこし会わないうちにずいぶんと仲よくなったものですわね」
「仲睦まじいのは良いことではないか。存分にイチャつくがいい」
「…………」
マリウスはともかく、アマーリエなどはさっきまでしおらしく泣いていたくせに、よく自分を揶揄えるな、とエミールは白い目で二人を睨みつける。
「エル。いいじゃない、エル。わたくしもそう呼びますわ!」
「ダメだ」
短く答えたのはクラウスだった。エミールのアルファは大真面目な顔で、
「そう呼んでいいのは私だけだ」
と言い切った。それを聞いたアマーリエのニヤニヤが深くなる。エミールは肘鉄で男の脇腹を小突いた。
「やめてください。アマルが余計に面白がるでしょう。それに、あだ名なんてルーも」
「ファルケンの名前は出すな。これでも我慢しているんだ」
鋭い目つきで制止され、エミールは思わず声を飲んだ。もしかして、ファルケンが「エル」と呼んでいることも嫌だったのだろうか?
騎士団長にまでなったのに、子どものようなひとだな、とエミールは呆れるやら可笑しいやらで小さく肩を竦めた。
「でもこれでわたくしたちも、気兼ねなく仲良くできますわね」
うふ、と笑ったアマーリエが、エミールの手を握ってきた。
それぞれの席に戻ったマリウスとクラウスが、互いに視線を交わして軽く頷く。
「そうだな。俺はクラウスの腹芸を気にせず堂々とおまえと会話ができるな」
「心配だったのは私の方ですよ、兄上。あなたはすぐに『設定』を忘れてふつうに話しかけてくるから、私は必要以上にあなたと接触しないように気をつけなければならなかったのに」
革命派を一掃するまでは不仲を演じようと言ってあったのに、マリウスは平気で挨拶を寄越してくるから困った、とクラウスがしかつめらしい表情で語った。
なるほど、エミールがマリウスと話していると必ずクラウスが駆けつけてきたのは、マリウスがうっかり口を滑らせることを懸念してだったのか。
それにしてもマリウスも、ずいぶんと思わせぶりなことをしてくれたものだ。クラウスからは兄を嫌っているような気配は感じなかったが、マリウスの言動で随分と攪乱された認識のあるエミールは、やはり腹芸はマリウスの方が得意なのだなと思った。
……と、そこではたと思い出す。
「そういえばマリウス様」
「なんだ」
「あなた方ご兄弟がいがみ合っていたのでないなら、なぜクラウス様を監視するような真似をなさったんですか」
「監視? そんなことはしていない」
「オレに仰ったでしょう。クラウス様の隊にあなたの手の者を潜らせてるって」
マリウスが首を捻り、記憶を探る間を挟んで、「ああ」と眉を上げた。
「なんだ、それならほら、そこに」
男が指さした先には、クラウスが居る。
「……?」
「そいつが俺の手の者だ」
「…………ふざけてるんですか?」
エミールは思わず半眼になり、王太子殿下を睨んだ。
「俺は大真面目だぞ。こいつはふだん至極冷静なくせに、カッとなると無茶なことをしでかすからな。任務中に下手を打たないように随時俺に報告を上げさせているんだ。なにせ俺はクラウス以上に無茶をする男だからな! 俺に報告せねばと思うと言葉を選ぶから、頭が冷えるだろう。なぁ、クラウス」
マリウスの問いかけにクラウスが苦笑いを返した。
「確かに。迂闊な報告をすれば、兄上が乗り込んで来かねませんからね。あれは頭が冷える」
なるほど、マリウスの手の者というのはクラウス本人のことなのか。
エミールはじっとりした視線をマリウスからクラウスへと移した。
「オレには手紙をくれないのに、マリウス様には逐一報告なさってるんですね」
「エル……そのことは納得したのではなかったか」
「理解はしてますが、ルーだけじゃなくマリウス様にも手紙を出してたと知ったらモヤモヤはするでしょう。なるほどね、兄上様にはこまめに手紙を送ってるんですね」
「まぁ、エル、無駄ですわよ」
アマーリエが鈴のような笑い声とともに割って入ってきた。
「私のつがいを気安く呼ぶな」
すかさずクラウスのクレームが飛んだ。結構本気の声音だ。しかしそこは付き合いの長いアマーリエである。クラウスの威嚇を平然と受け流し、エミールの耳元に唇を寄せてひそひそと囁いた。
「アルファにいくら文句を言ったところで、このひとたちは信念を曲げませんもの」
「信念?」
「わたくしたちオメガをまもる、という信念ですわ。アルファの本能と言っても良くてよ。このひとはね、わたくしをまもるためなら、わたくしを囮として使えるひとなの」
アマーリエのセリフは、随分と矛盾していた。
でも、エミールには彼女の言わんとしていることがわかった。
マリウスはきっと、本当に毛の先ほどもアマーリエを傷つけない自身があったのだ。だからこそ囮に使うことができた。そしてその結果革命派は失墜し、マリウスやアマーリエを取り巻く危険が減ったと言える。
マリウスがもう一度謝罪し、テーブルに両手をついて深く頭を下げた。見ればクラウスも同じ姿勢になっていた。
アマーリエがこれみよがしな溜息をついて、
「次にエディを囮にしたら、離縁しますわよ」
と言った。自分を、ではなく子どもをと言うところがアマーリエらしかった。
「誓って、もうしない」
「どうだか」
「アマル。愛してる」
「……そう言っておけばわたくしが黙ると思ってるんでしょう。嫌なひと! 病死に見せかけて暗殺する計画があったってなんですの! それをわたくしがどんな気持ちで聞いていたか!」
「アマル、アマーリエ」
マリウスが立ち上がり、怒りにこぶしを震わせるアマーリエの隣に膝をつくと、両手で彼女を抱きしめた。アマーリエはマリウスの背中を叩いていたが、やがてその手は縋りつくようにマリウスへと回され、しっかりと抱き返した。
それを見ていたエミールの肩にも、重みが乗った。振り仰ぐと、いつの間にか隣に立っていたクラウスが、こちらの反応を窺うように息を詰めていた。
「先に言っときますけど」
「ああ」
「オレはべつに怒ってませんから」
「……本心か?」
「ええ」
本当に怒りの感情はなかった。むしろこうして説明されなければ、一生知らないままだったろう。
「でも、ひとつだけ」
肩を抱く手にてのひらを重ねて、エミールはクラウスを見上げ、眉をしかめた。
「せっかくスヴェンに護身術を習ったのに、全然動けなかった自分に腹が立ってます」
クラウスの蒼い瞳が丸くなった。やがてそれはじわりと細まりやがて堪え切れずにくつくつと肩を揺らした。
「エル、おまえ……」
「笑いごとじゃないって。オレ、つい目を閉じちゃって」
「いや、おまえは勇敢だった。アマルをまもったんだからな」
「でも結局最後はあなたにまもられてしまったんだから……ラス、いい加減笑うのやめてください」
「悪い……ふ、ふはっ」
一度表情をきりっと引き締めたクラウスだったが、すぐにまたふきだした。この男にしては珍しい破顔に、エミールはつい見惚れてしまった。
ドナースマルクが短剣を振り上げたとき、エミールは咄嗟に目を閉じてしまったが、その間にクラウスは壇上からエミールのところまで風のように飛んできたのだ。エミールももっと修行を積めば、クラウスのように動けるようになるのだろうか。
今日からスヴェンにもさらに稽古をつけてもらわなければ。
内心でそう考えていると、ふと視線を感じた。クラウスの笑顔から顔を下ろすと、アマーリエとマリウスがニヤニヤとこちらを見ていた。
「まぁまぁすこし会わないうちにずいぶんと仲よくなったものですわね」
「仲睦まじいのは良いことではないか。存分にイチャつくがいい」
「…………」
マリウスはともかく、アマーリエなどはさっきまでしおらしく泣いていたくせに、よく自分を揶揄えるな、とエミールは白い目で二人を睨みつける。
「エル。いいじゃない、エル。わたくしもそう呼びますわ!」
「ダメだ」
短く答えたのはクラウスだった。エミールのアルファは大真面目な顔で、
「そう呼んでいいのは私だけだ」
と言い切った。それを聞いたアマーリエのニヤニヤが深くなる。エミールは肘鉄で男の脇腹を小突いた。
「やめてください。アマルが余計に面白がるでしょう。それに、あだ名なんてルーも」
「ファルケンの名前は出すな。これでも我慢しているんだ」
鋭い目つきで制止され、エミールは思わず声を飲んだ。もしかして、ファルケンが「エル」と呼んでいることも嫌だったのだろうか?
騎士団長にまでなったのに、子どものようなひとだな、とエミールは呆れるやら可笑しいやらで小さく肩を竦めた。
「でもこれでわたくしたちも、気兼ねなく仲良くできますわね」
うふ、と笑ったアマーリエが、エミールの手を握ってきた。
それぞれの席に戻ったマリウスとクラウスが、互いに視線を交わして軽く頷く。
「そうだな。俺はクラウスの腹芸を気にせず堂々とおまえと会話ができるな」
「心配だったのは私の方ですよ、兄上。あなたはすぐに『設定』を忘れてふつうに話しかけてくるから、私は必要以上にあなたと接触しないように気をつけなければならなかったのに」
革命派を一掃するまでは不仲を演じようと言ってあったのに、マリウスは平気で挨拶を寄越してくるから困った、とクラウスがしかつめらしい表情で語った。
なるほど、エミールがマリウスと話していると必ずクラウスが駆けつけてきたのは、マリウスがうっかり口を滑らせることを懸念してだったのか。
それにしてもマリウスも、ずいぶんと思わせぶりなことをしてくれたものだ。クラウスからは兄を嫌っているような気配は感じなかったが、マリウスの言動で随分と攪乱された認識のあるエミールは、やはり腹芸はマリウスの方が得意なのだなと思った。
……と、そこではたと思い出す。
「そういえばマリウス様」
「なんだ」
「あなた方ご兄弟がいがみ合っていたのでないなら、なぜクラウス様を監視するような真似をなさったんですか」
「監視? そんなことはしていない」
「オレに仰ったでしょう。クラウス様の隊にあなたの手の者を潜らせてるって」
マリウスが首を捻り、記憶を探る間を挟んで、「ああ」と眉を上げた。
「なんだ、それならほら、そこに」
男が指さした先には、クラウスが居る。
「……?」
「そいつが俺の手の者だ」
「…………ふざけてるんですか?」
エミールは思わず半眼になり、王太子殿下を睨んだ。
「俺は大真面目だぞ。こいつはふだん至極冷静なくせに、カッとなると無茶なことをしでかすからな。任務中に下手を打たないように随時俺に報告を上げさせているんだ。なにせ俺はクラウス以上に無茶をする男だからな! 俺に報告せねばと思うと言葉を選ぶから、頭が冷えるだろう。なぁ、クラウス」
マリウスの問いかけにクラウスが苦笑いを返した。
「確かに。迂闊な報告をすれば、兄上が乗り込んで来かねませんからね。あれは頭が冷える」
なるほど、マリウスの手の者というのはクラウス本人のことなのか。
エミールはじっとりした視線をマリウスからクラウスへと移した。
「オレには手紙をくれないのに、マリウス様には逐一報告なさってるんですね」
「エル……そのことは納得したのではなかったか」
「理解はしてますが、ルーだけじゃなくマリウス様にも手紙を出してたと知ったらモヤモヤはするでしょう。なるほどね、兄上様にはこまめに手紙を送ってるんですね」
「まぁ、エル、無駄ですわよ」
アマーリエが鈴のような笑い声とともに割って入ってきた。
「私のつがいを気安く呼ぶな」
すかさずクラウスのクレームが飛んだ。結構本気の声音だ。しかしそこは付き合いの長いアマーリエである。クラウスの威嚇を平然と受け流し、エミールの耳元に唇を寄せてひそひそと囁いた。
「アルファにいくら文句を言ったところで、このひとたちは信念を曲げませんもの」
「信念?」
「わたくしたちオメガをまもる、という信念ですわ。アルファの本能と言っても良くてよ。このひとはね、わたくしをまもるためなら、わたくしを囮として使えるひとなの」
アマーリエのセリフは、随分と矛盾していた。
でも、エミールには彼女の言わんとしていることがわかった。
マリウスはきっと、本当に毛の先ほどもアマーリエを傷つけない自身があったのだ。だからこそ囮に使うことができた。そしてその結果革命派は失墜し、マリウスやアマーリエを取り巻く危険が減ったと言える。
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