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騎士は愛を束ね、運命のオメガへと跪く
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アマーリエの第二子誕生の報せは、エミールが『狼』の里を訪れてから数日後に齎された。
予定よりすこし早い出産だったという。
王城からの遣いがあり、屋敷のホールでクラウスへ向かって高らかに報告する声が、ちょうど中庭の散歩を終えて廊下を歩いていたエミールにも聞こえてきた。
アマーリエとは、怪我を負って以降会っていない。
彼女からは幾度か手紙が届いていたようだ。スヴェンによると、すこしでいいからエミールの顔が見たいという内容だったとのことだ。
エミールもアマーリエに会いたい気持ちはある。
だけどそれを上回る恐怖もあった。
アマーリエに会うということは、自分が喪ったものをまざまざと目の当たりにするということだ。
池のほとりの墓碑の下と、『狼』の里の魂寄りの木に、小さな骨の欠片を埋葬した。そのことで気持ちは一旦落ち着いたが、アマーリエに会うことができるほど気力が回復したわけではない。
でもいつかは会わなければならないだろう。
アマーリエのお腹から生まれた子どもに。
「エミール様」
スヴェンがそっとエミールの肩をさすった。
「中へ入りましょう」
侍従に促され、自室へと入る。扉が閉じると、外からの声は聞こえなくなった。
しばらくしてクラウスが戻ってきた。もう王城からの遣いは帰ったのか。
エミールの顔を見た途端、クラウスの眉がわずかに寄せられた。
「聞こえていたのか」
そう呟いたクラウスが、ソファに座るエミールの前に片膝をついた。
彼の手が、頬に触れた。指で目元を拭われる。その仕草で、エミールは自分が泣いていることを知った。
「大丈夫だ、エル」
抱きしめられて、男の背に縋る。
「オレ……どうすればいいですか」
クラウスの匂いを吸い込みながら、エミールは尋ねた。
祝いの席には、出なければならないだろう。でもその覚悟がない。怖い。自分がなにをするかわからないから怖い。
正気を失って暴れて、クラウスに噛みついたりしていたぐらいだ。
アマーリエの赤ちゃんを見て、またおかしくなって、危害を加えないという保証がない。それが怖い。
泣きながら訴えるエミールを、クラウスが力強く抱き留めていてくれる。
「おまえは自由だ、エル。おまえがしたくないことはしなくていい」
クラウスはそう言ったが、まさかそんなわけにはいかないとエミールは思った。
クラウスの立場で祝いの席に伴侶が欠席するなんて。
けれど、エミールの身に起こったことは、たぶん、王城の関係者は皆知っている。懐妊したことだって医師団を通じて報告されたのだ。想像妊娠だったにしろ流産だったにしろ、エミールのお腹にクラウスとの子どもが居ないことは、もう周知のことなのだろう。それと……子宮を失くして、今後もう二度と、クラウスの子を宿せなくなったことも。
体が震えた。
気鬱は治ったと思ったけれど、まだダメだった。
苦しくて、呼吸が浅くなる。
「エル、エミール。吸うな。吐くんだ」
息の仕方を教えてくれる声の通りに肺の空気を吐こうとしたが、上手くできなくて喉を掻きむしった。
両手をまとめて掴まれた。クラウスの胸に抱きこまれる形で顔を押し付けられ、トン、トン、と背をゆっくり叩かれる。
「大丈夫だ。おまえはちゃんと息ができている。吐いたら、吸う。それだけだ」
頬に当たるクラウスの胸部が、見本を見せるように大きく上下した。その動きに呼吸を合わせている内に、やがて息苦しさはなくなっていった。
スヴェンがチョコレートといい匂いのするお茶を持ってきてくれた。
クラウスがチョコレートを摘まみあげ、エミールの口へと運んでくる。甘味が口いっぱいに広がって、エミールはホッと肩の力を抜いた。その段でようやく、手首を掴んでいた手も離れた。
「王城へは私が行く。おまえはスヴェンとここに居てくれ」
「でも、オレ……」
「大丈夫だ」
「でも、アマルに……会わないと……」
アマーリエにお祝いを伝えたい。その気持ちは嘘じゃない。
「いますぐじゃなくていい。アマルだってそう言うだろう」
クラウスの慰めにエミールは小さく頷いた。
「うん……ごめん」
「なんの謝罪だ」
「オレ、また、ラスにだけ頑張らせてしまうから……」
子どもを喪ったのはエミールだけではない。クラウスもまた、同じ傷を抱えている。
それなのにクラウスは王城へ行き、自分は屋敷で留守番だ。なぜ自分はこんなに弱いのだろうか。
「エル。おまえは充分頑張っている。おまえの努力は、誰よりも私が知っている」
「オレは……オレのは、オレ自身の力じゃないよ。ラスとかスヴェンとか、『狼』たちが支えてくれたからだよ」
「そう言えるおまえだから、強いんだ」
そうだろうか。クラウスの言葉はエミールにはよくわからない。
強いのはクラウスの方だ。おかしくなったエミールを支え続けて、エミールのために騎士団の仕事を休んで、エミールの傷すらもおのれで背負おうとしている。
でも、クラウスがいくら強くても、傷つかないわけではないのに。
オレは甘えてばかりだ、とエミールは思った。
この男のために、エミールができることはなんだろう。それを最近、ずっと、考えている。
だけど本当は……わかっていた。
答えはもう、わかっていた。
エミールは、クラウスの顔を見つめた。蒼い瞳がやさしく自分を映していた。
「……いまから出かけるの?」
「そうだな。一度王城へ行ってくるが、すぐ戻る」
「うん……待ってる」
頷いたエミールの唇に、キスが降ってくる。
本当にすぐ戻るからな、となんども念押しして、クラウスは慌ただしく身支度を整えて王城へと出かけて行った。
それを見送ってからエミールは、スヴェンにひとつの頼みごとをした。
「スヴェン。お願いがあるんだけど」
「なんでしょう」
「ファルケンに、会いたい」
ファルケン。エミールの家族も同然の男。彼はまだ一度も顔を見せてくれない。
ずっと、会いたい気持ちはあった。
それと同時に顔を見るのが怖いという気持ちもあった。
ファルケンがエミールの元へ来てくれないのも、同じ理由だろう。
たぶん、お互いに気にしている。
エミールは、自分の軽率な判断でファルケンを離したことを。
ファルケンは、エミールから離れてしまったことを。
お互いが負い目に思っている。
でも、ファルケンにしか頼めないことが、あった。
拒まれても、どうしても会いたい。
断られるだろうか、とスヴェンの顔を伺うと、侍従はあっさりと頷いた。
「『鷹』は呼べばすぐ来ますよ」
「え?」
「気づいておられないようだったので、敢えて言いませんでしたが……『鷹』はずっと、あなたの傍に居ました」
「え? え?」
エミールは部屋を見渡したが、それらしき姿はない。
「外です。さすがに室内に居たら匂いであなたに気づかれますから」
スヴェンが窓の外を指さした。エミールの部屋は屋敷の二階に位置する。スヴェンが示したのはバルコニーだ。
まさかと思いエミールは窓を開けた。誰も居ない。でも、ほのかに匂いがしている。ファルケンのアルファの匂いが。
「上手くなってますね」
スヴェンが軽く眉を上げてそう言った。
「え?」
「隠行です。あなたから隠れたいがために腕を磨いたようです」
以前から思っていたが、スヴェンはファルケンが相手だとことさら言葉に遠慮がなくなる気がする。
エミールは侍従の顔から視線をバルコニーに漂わせ、
「ルー?」
と小声で呼んでみた。
「バラすなよ、影野郎」
苦々しい声とともに、ファルケンの姿がフッとエミールの前に現われた。
予定よりすこし早い出産だったという。
王城からの遣いがあり、屋敷のホールでクラウスへ向かって高らかに報告する声が、ちょうど中庭の散歩を終えて廊下を歩いていたエミールにも聞こえてきた。
アマーリエとは、怪我を負って以降会っていない。
彼女からは幾度か手紙が届いていたようだ。スヴェンによると、すこしでいいからエミールの顔が見たいという内容だったとのことだ。
エミールもアマーリエに会いたい気持ちはある。
だけどそれを上回る恐怖もあった。
アマーリエに会うということは、自分が喪ったものをまざまざと目の当たりにするということだ。
池のほとりの墓碑の下と、『狼』の里の魂寄りの木に、小さな骨の欠片を埋葬した。そのことで気持ちは一旦落ち着いたが、アマーリエに会うことができるほど気力が回復したわけではない。
でもいつかは会わなければならないだろう。
アマーリエのお腹から生まれた子どもに。
「エミール様」
スヴェンがそっとエミールの肩をさすった。
「中へ入りましょう」
侍従に促され、自室へと入る。扉が閉じると、外からの声は聞こえなくなった。
しばらくしてクラウスが戻ってきた。もう王城からの遣いは帰ったのか。
エミールの顔を見た途端、クラウスの眉がわずかに寄せられた。
「聞こえていたのか」
そう呟いたクラウスが、ソファに座るエミールの前に片膝をついた。
彼の手が、頬に触れた。指で目元を拭われる。その仕草で、エミールは自分が泣いていることを知った。
「大丈夫だ、エル」
抱きしめられて、男の背に縋る。
「オレ……どうすればいいですか」
クラウスの匂いを吸い込みながら、エミールは尋ねた。
祝いの席には、出なければならないだろう。でもその覚悟がない。怖い。自分がなにをするかわからないから怖い。
正気を失って暴れて、クラウスに噛みついたりしていたぐらいだ。
アマーリエの赤ちゃんを見て、またおかしくなって、危害を加えないという保証がない。それが怖い。
泣きながら訴えるエミールを、クラウスが力強く抱き留めていてくれる。
「おまえは自由だ、エル。おまえがしたくないことはしなくていい」
クラウスはそう言ったが、まさかそんなわけにはいかないとエミールは思った。
クラウスの立場で祝いの席に伴侶が欠席するなんて。
けれど、エミールの身に起こったことは、たぶん、王城の関係者は皆知っている。懐妊したことだって医師団を通じて報告されたのだ。想像妊娠だったにしろ流産だったにしろ、エミールのお腹にクラウスとの子どもが居ないことは、もう周知のことなのだろう。それと……子宮を失くして、今後もう二度と、クラウスの子を宿せなくなったことも。
体が震えた。
気鬱は治ったと思ったけれど、まだダメだった。
苦しくて、呼吸が浅くなる。
「エル、エミール。吸うな。吐くんだ」
息の仕方を教えてくれる声の通りに肺の空気を吐こうとしたが、上手くできなくて喉を掻きむしった。
両手をまとめて掴まれた。クラウスの胸に抱きこまれる形で顔を押し付けられ、トン、トン、と背をゆっくり叩かれる。
「大丈夫だ。おまえはちゃんと息ができている。吐いたら、吸う。それだけだ」
頬に当たるクラウスの胸部が、見本を見せるように大きく上下した。その動きに呼吸を合わせている内に、やがて息苦しさはなくなっていった。
スヴェンがチョコレートといい匂いのするお茶を持ってきてくれた。
クラウスがチョコレートを摘まみあげ、エミールの口へと運んでくる。甘味が口いっぱいに広がって、エミールはホッと肩の力を抜いた。その段でようやく、手首を掴んでいた手も離れた。
「王城へは私が行く。おまえはスヴェンとここに居てくれ」
「でも、オレ……」
「大丈夫だ」
「でも、アマルに……会わないと……」
アマーリエにお祝いを伝えたい。その気持ちは嘘じゃない。
「いますぐじゃなくていい。アマルだってそう言うだろう」
クラウスの慰めにエミールは小さく頷いた。
「うん……ごめん」
「なんの謝罪だ」
「オレ、また、ラスにだけ頑張らせてしまうから……」
子どもを喪ったのはエミールだけではない。クラウスもまた、同じ傷を抱えている。
それなのにクラウスは王城へ行き、自分は屋敷で留守番だ。なぜ自分はこんなに弱いのだろうか。
「エル。おまえは充分頑張っている。おまえの努力は、誰よりも私が知っている」
「オレは……オレのは、オレ自身の力じゃないよ。ラスとかスヴェンとか、『狼』たちが支えてくれたからだよ」
「そう言えるおまえだから、強いんだ」
そうだろうか。クラウスの言葉はエミールにはよくわからない。
強いのはクラウスの方だ。おかしくなったエミールを支え続けて、エミールのために騎士団の仕事を休んで、エミールの傷すらもおのれで背負おうとしている。
でも、クラウスがいくら強くても、傷つかないわけではないのに。
オレは甘えてばかりだ、とエミールは思った。
この男のために、エミールができることはなんだろう。それを最近、ずっと、考えている。
だけど本当は……わかっていた。
答えはもう、わかっていた。
エミールは、クラウスの顔を見つめた。蒼い瞳がやさしく自分を映していた。
「……いまから出かけるの?」
「そうだな。一度王城へ行ってくるが、すぐ戻る」
「うん……待ってる」
頷いたエミールの唇に、キスが降ってくる。
本当にすぐ戻るからな、となんども念押しして、クラウスは慌ただしく身支度を整えて王城へと出かけて行った。
それを見送ってからエミールは、スヴェンにひとつの頼みごとをした。
「スヴェン。お願いがあるんだけど」
「なんでしょう」
「ファルケンに、会いたい」
ファルケン。エミールの家族も同然の男。彼はまだ一度も顔を見せてくれない。
ずっと、会いたい気持ちはあった。
それと同時に顔を見るのが怖いという気持ちもあった。
ファルケンがエミールの元へ来てくれないのも、同じ理由だろう。
たぶん、お互いに気にしている。
エミールは、自分の軽率な判断でファルケンを離したことを。
ファルケンは、エミールから離れてしまったことを。
お互いが負い目に思っている。
でも、ファルケンにしか頼めないことが、あった。
拒まれても、どうしても会いたい。
断られるだろうか、とスヴェンの顔を伺うと、侍従はあっさりと頷いた。
「『鷹』は呼べばすぐ来ますよ」
「え?」
「気づいておられないようだったので、敢えて言いませんでしたが……『鷹』はずっと、あなたの傍に居ました」
「え? え?」
エミールは部屋を見渡したが、それらしき姿はない。
「外です。さすがに室内に居たら匂いであなたに気づかれますから」
スヴェンが窓の外を指さした。エミールの部屋は屋敷の二階に位置する。スヴェンが示したのはバルコニーだ。
まさかと思いエミールは窓を開けた。誰も居ない。でも、ほのかに匂いがしている。ファルケンのアルファの匂いが。
「上手くなってますね」
スヴェンが軽く眉を上げてそう言った。
「え?」
「隠行です。あなたから隠れたいがために腕を磨いたようです」
以前から思っていたが、スヴェンはファルケンが相手だとことさら言葉に遠慮がなくなる気がする。
エミールは侍従の顔から視線をバルコニーに漂わせ、
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