122 / 127
(番外編)アルファとオメガとベータのお話
4
しおりを挟む
テーブルの上には様々な具材の詰まったサンドイッチが次々に錬成されてゆく。
性格なのだろうか。リヒトの作ったものは具材が中央に集まって、端の方は申し訳程度に入っているだけだが、エミールの作ったものは大胆に具材がはみ出していた。
このひとは顔に似合わず不器用で大雑把なんだよな、とスヴェンは思った。
昔からそうだが、エミールは繊細で触れなば落ちんという風情を醸し出しているのに、こういう作業をさせると実に大雑把だ。裁縫はともかく料理はできないわけではないのに、材料の切り方も味付けも適当に大胆に行うので、こんな豪快な料理を本当にこのオメガが作ったのか? とギャップに驚くほどだった。
しかしその落差すらも、この主の魅力となっている。
エミールはリヒトのことを可愛い可愛いと評するが、スヴェンからしたらエミールも充分に可愛かった。
「お、美味しそうなものができているな」
そんな声とともに、クラウスが中庭へと出てきた。その後ろからユリウスも現れる。
「すごい! リヒトが作ったの?」
ユリウスはテーブルを確認するなり、甘い声を聞かせた。
リヒトがパッと顔を上げ、
「ユーリ様!」
と満面の笑顔になる。
「ぜんぶスヴェンさんたちが用意してくれて、テオさんが作り方を教えてくれたんです。僕は、パンに挟んだだけで……」
「とてもきれいに挟めてるよ、僕のオメガ。ほら見てごらん。パンのふちも汚れてない。きみがきれいに作ってくれたから、食べやすそうだ」
キラキラしい笑みと一緒にユリウスが惜しみない賛辞をリヒトに与えている。
サンドイッチひとつでここまで褒めてもらえるのか、とスヴェンはすこし呆気にとられたが、テオバルドは慣れているのか動じた様子もなく、まだチマチマと手を動かしていた。
「こっちはおまえか」
エミールの隣に立ったクラウスが、中身が豪快にはみ出したパンを指さして尋ねる。
「すみませんね、がさつで」
「いや。おまえらしくていい。私たちが野営で作る料理も、こんな感じだ」
「……褒めてます?」
エミールが半眼になった。クラウスが唇の端で笑って、エミールの目元へと口づけた。
あっちもこっちもお熱いことだな、とスヴェンは主たちのラブシーンを見ないふりでテーブルの上を整頓していった。
紙ナフキンをうつくしく配した大皿を置き、まずはそこに丸パンのサンドイッチを並べてゆく。
そして次は正方形の食パンのサンドイッチだ。
「さぁ、最後の仕上げをしていただきますよ」
スヴェンは二度てのひらを打ち鳴らし、つがいと会話をしている二人のオメガの注意を引き戻した。
「仕上げ?」
エミールが首を傾げた。
「このままでは食べにくいので、二つに切っていただきます」
スヴェンの返事にピクっと反応したのはユリウスだった。
「パン切り包丁は、」
「ユーリ。まぁ待て」
身を乗り出しかけた弟をクラウスが宥めながら、大丈夫だろうなと蒼い瞳をこちらへ向けてきた。スヴェンはそれに頷き、
「リヒト様、お手を」
と言った。
素直なオメガはなんの躊躇もなく、両のてのひらを上に向けて、スヴェンへと差し出してきた。こんなに警戒心がなくて大丈夫だろうか? とすこし心配になったが、リヒトの代わりにユリウスがしっかり目を光らせているから大丈夫なのだろう。
スヴェンはリヒトのてのひらに、細く長いものを一本乗せた。
リヒトが長い睫毛をそよがせて、まばたきをした。彼の手元を覗き込んだユリウスも、不思議そうに首を傾げる。
「これは……糸?」
「左様にございます」
ユリウスの問いかけに、スヴェンはゆっくりと首肯した。
ほぅ、とクラウスが片眉を上げる。
「なるほどな。それならば危なくない」
誰よりも早く理解を示した騎士団長に目礼を返して、スヴェンはエミールにも白い糸を渡した。端をつまんで目の高さまでそれを掲げたエミールが、
「これをどうするって?」
と説明を求めてきた。
「その糸で、パンを切るんです」
「……糸で?」
こんなもので切れるのか、とエミールが疑いの眼差しを向けてくる。
スヴェンは糸を両手でピンと張り、エミールとリヒトがこちらを見ていることを確かめてから、それをテーブルの上に置いた。
そしてエミール作の分厚く豪快なサンドイッチを糸の上に乗せる。
ここからどうするのだろう、と二人のオメガが興味津々な視線を送ってくる。
スヴェンは糸の両端を持ち、パンの上で交差させた。
「このまま引くだけです」
そう言いながら、スヴェンは交差させた糸を左右に引っ張った。
「わぁ……!」
「うわっ! 本当に切れた……」
リヒトとエミールが両目を丸くして、きれいに二分されたパンに歓声を上げた。
「細い糸はものによっては下手な包丁より切れますよ。暗器としても使えます」
「暗器!」
王弟殿下のつがいというやんごとない身分なのになぜか格闘術を習うのが好きなエミールが、瞳を輝かせた。反比例するようにユリウスが双眸をスッと細め、
「僕のつがいに物騒な言葉を聞かせるな」
と冷えた声を発した。しかしリヒトが、
「ユーリ様、すごいです! 糸でパンが切れました!」
ユリウスを振り仰いで興奮した口調で報告すると、すぐに表情を甘く蕩けたものへと変化させ、リヒトの頭をやさしい手つきで撫でていた。
「ふつうの糸なのにすごいですね」
摘まんだ糸をしげしげと眺めながらつぶやいたエミールを、クラウスが弟に勝るとも劣らない甘い顔つきで見つめている。
アルファという生き物をなんだかすごい。それともこれはアルファだからではなく、ミュラー家の血がなせる業なのか。おのれのオメガに対する執着がすごい。
ファルケンはここまでではないな、とスヴェンは二人のアルファを目の前にして、改めて感じた。
ファルケンはミュラー家の兄弟のように、独占欲をむき出しにしたりはしない。スヴェンがオメガであったなら、あるいはファルケンもクラウスたちのようになったのか。
スヴェンはフッと息を吐くことで気持を切り替えた。
エミールとリヒトがいそいそとスヴェンを真似てサンドイッチのカットを始めた。いつの間にかクラウスやユリウスも参加していた。ひとつ切るたびに歓声やら賛辞やらが飛び交い、中庭は明るく賑やかな空気で満たされた。
玉子サンドやハムサンド、フルーツサンドなど、切り口も鮮やかな色とりどりのサンドイッチがところ狭しとお皿に並んでいる。
しかし、この日一番の歓声が与えられたのは、このサンドイッチに対してではなかった。
ひとりでなにやらゴソゴソと作業していたテオバルドが、サンドイッチがすべて出来上がった段で満を持して、
「リヒト様、これもお皿に飾ってください」
と差し出してきたのは……。
「わぁっ! わぁっ、ユーリ様っ! わぁっ! 見てください! こびとです!!」
喜色満面になったリヒトがピョンピョンと飛び跳ねる。その横でエミールが目を瞠り、
「うわ。手先が器用だとは知ってましたが……引くぐらいすごいですね」
と称賛なのかなんなのかよくわからない言葉を口走った。
確かにすごい。どこから見てもこびとである。スヴェンも素直に感心した。
うずらの卵で作った顔に、ミニトマトの丸く赤い帽子。キュウリで作った体には、ハムや薄焼き卵でできた服まで来ている。
リヒトは「わぁ」を連発して、こびとをそうっとてのひらに乗せてもらっていた。
「エミール様、見てください! 可愛いです!」
「ああっ! 天使っ!」
こびとを見せてきたリヒトに、辛抱たまらんとばかりにエミールが両手で顔を覆って叫んだ。
たしかに可愛い。可愛い、が……。
スヴェンはそろりと視線をユリウスへ流した。
案の定麗しのユリウス・ドリッテ・ミュラーが氷点下の眼差しでおのれの侍従を射殺そうとしている。
「テオ、おまえ、リヒトの機嫌を取ってなにが狙いだ」
こびとに夢中になっているリヒトの背後で、ユリウスがテオバルドの胸倉を掴んでささやいた。
「なっ、ちがっ、ちがいますよぉぉぉぉ! 俺は、リヒト様が喜ぶかなって、」
「この僕の前でリヒトを口説こうとするなんて、いい度胸だな、テオ?」
「だから違うって!!」
テオバルドが悲愴な顔つきで首をぶんぶんと横へ振った。
ユリウスの目の前でこんなことをすれば機嫌を損ねるだろうことはスヴェンですらわかったのに、テオバルドは意外と頭が悪いのだな、とスヴェンはしみじみと思いながらリヒト用のお皿にテオバルド作のこびとを飾り付けていった。
よその家の騒動は、所詮は他人事。
スヴェンとしてはエミールが楽しいならばそれでいいのだった。
中庭での賑やかなランチを終えて、
「そろそろお暇しようか、リヒト」
というユリウスのその言葉で昼食会はお開きとなった。
馬車を呼び、ユリウスとリヒトを見送るべく門まで出たスヴェンは、ふと思い立ってユリウスへと話しかけた。
「殿下。失礼ながら、すこしよろしいでしょうか」
ユリウスが足を止め、スヴェンを見下ろしてくる。
リヒトはエミールとおしゃべりの最中だ。それをチラと確認して、スヴェンは頭を下げた。
「折り入って、お願いが」
ユリウスが軽く眉を顰めた。
兄上の侍従が僕に? と声にしない疑問が聞こえた気がして、スヴェンは早口に用件を伝えた。
ユリウスは怪訝な顔をしつつも、
「まぁそんなものでいいなら、好きにするといいよ」
と了承してくれたのだった。
性格なのだろうか。リヒトの作ったものは具材が中央に集まって、端の方は申し訳程度に入っているだけだが、エミールの作ったものは大胆に具材がはみ出していた。
このひとは顔に似合わず不器用で大雑把なんだよな、とスヴェンは思った。
昔からそうだが、エミールは繊細で触れなば落ちんという風情を醸し出しているのに、こういう作業をさせると実に大雑把だ。裁縫はともかく料理はできないわけではないのに、材料の切り方も味付けも適当に大胆に行うので、こんな豪快な料理を本当にこのオメガが作ったのか? とギャップに驚くほどだった。
しかしその落差すらも、この主の魅力となっている。
エミールはリヒトのことを可愛い可愛いと評するが、スヴェンからしたらエミールも充分に可愛かった。
「お、美味しそうなものができているな」
そんな声とともに、クラウスが中庭へと出てきた。その後ろからユリウスも現れる。
「すごい! リヒトが作ったの?」
ユリウスはテーブルを確認するなり、甘い声を聞かせた。
リヒトがパッと顔を上げ、
「ユーリ様!」
と満面の笑顔になる。
「ぜんぶスヴェンさんたちが用意してくれて、テオさんが作り方を教えてくれたんです。僕は、パンに挟んだだけで……」
「とてもきれいに挟めてるよ、僕のオメガ。ほら見てごらん。パンのふちも汚れてない。きみがきれいに作ってくれたから、食べやすそうだ」
キラキラしい笑みと一緒にユリウスが惜しみない賛辞をリヒトに与えている。
サンドイッチひとつでここまで褒めてもらえるのか、とスヴェンはすこし呆気にとられたが、テオバルドは慣れているのか動じた様子もなく、まだチマチマと手を動かしていた。
「こっちはおまえか」
エミールの隣に立ったクラウスが、中身が豪快にはみ出したパンを指さして尋ねる。
「すみませんね、がさつで」
「いや。おまえらしくていい。私たちが野営で作る料理も、こんな感じだ」
「……褒めてます?」
エミールが半眼になった。クラウスが唇の端で笑って、エミールの目元へと口づけた。
あっちもこっちもお熱いことだな、とスヴェンは主たちのラブシーンを見ないふりでテーブルの上を整頓していった。
紙ナフキンをうつくしく配した大皿を置き、まずはそこに丸パンのサンドイッチを並べてゆく。
そして次は正方形の食パンのサンドイッチだ。
「さぁ、最後の仕上げをしていただきますよ」
スヴェンは二度てのひらを打ち鳴らし、つがいと会話をしている二人のオメガの注意を引き戻した。
「仕上げ?」
エミールが首を傾げた。
「このままでは食べにくいので、二つに切っていただきます」
スヴェンの返事にピクっと反応したのはユリウスだった。
「パン切り包丁は、」
「ユーリ。まぁ待て」
身を乗り出しかけた弟をクラウスが宥めながら、大丈夫だろうなと蒼い瞳をこちらへ向けてきた。スヴェンはそれに頷き、
「リヒト様、お手を」
と言った。
素直なオメガはなんの躊躇もなく、両のてのひらを上に向けて、スヴェンへと差し出してきた。こんなに警戒心がなくて大丈夫だろうか? とすこし心配になったが、リヒトの代わりにユリウスがしっかり目を光らせているから大丈夫なのだろう。
スヴェンはリヒトのてのひらに、細く長いものを一本乗せた。
リヒトが長い睫毛をそよがせて、まばたきをした。彼の手元を覗き込んだユリウスも、不思議そうに首を傾げる。
「これは……糸?」
「左様にございます」
ユリウスの問いかけに、スヴェンはゆっくりと首肯した。
ほぅ、とクラウスが片眉を上げる。
「なるほどな。それならば危なくない」
誰よりも早く理解を示した騎士団長に目礼を返して、スヴェンはエミールにも白い糸を渡した。端をつまんで目の高さまでそれを掲げたエミールが、
「これをどうするって?」
と説明を求めてきた。
「その糸で、パンを切るんです」
「……糸で?」
こんなもので切れるのか、とエミールが疑いの眼差しを向けてくる。
スヴェンは糸を両手でピンと張り、エミールとリヒトがこちらを見ていることを確かめてから、それをテーブルの上に置いた。
そしてエミール作の分厚く豪快なサンドイッチを糸の上に乗せる。
ここからどうするのだろう、と二人のオメガが興味津々な視線を送ってくる。
スヴェンは糸の両端を持ち、パンの上で交差させた。
「このまま引くだけです」
そう言いながら、スヴェンは交差させた糸を左右に引っ張った。
「わぁ……!」
「うわっ! 本当に切れた……」
リヒトとエミールが両目を丸くして、きれいに二分されたパンに歓声を上げた。
「細い糸はものによっては下手な包丁より切れますよ。暗器としても使えます」
「暗器!」
王弟殿下のつがいというやんごとない身分なのになぜか格闘術を習うのが好きなエミールが、瞳を輝かせた。反比例するようにユリウスが双眸をスッと細め、
「僕のつがいに物騒な言葉を聞かせるな」
と冷えた声を発した。しかしリヒトが、
「ユーリ様、すごいです! 糸でパンが切れました!」
ユリウスを振り仰いで興奮した口調で報告すると、すぐに表情を甘く蕩けたものへと変化させ、リヒトの頭をやさしい手つきで撫でていた。
「ふつうの糸なのにすごいですね」
摘まんだ糸をしげしげと眺めながらつぶやいたエミールを、クラウスが弟に勝るとも劣らない甘い顔つきで見つめている。
アルファという生き物をなんだかすごい。それともこれはアルファだからではなく、ミュラー家の血がなせる業なのか。おのれのオメガに対する執着がすごい。
ファルケンはここまでではないな、とスヴェンは二人のアルファを目の前にして、改めて感じた。
ファルケンはミュラー家の兄弟のように、独占欲をむき出しにしたりはしない。スヴェンがオメガであったなら、あるいはファルケンもクラウスたちのようになったのか。
スヴェンはフッと息を吐くことで気持を切り替えた。
エミールとリヒトがいそいそとスヴェンを真似てサンドイッチのカットを始めた。いつの間にかクラウスやユリウスも参加していた。ひとつ切るたびに歓声やら賛辞やらが飛び交い、中庭は明るく賑やかな空気で満たされた。
玉子サンドやハムサンド、フルーツサンドなど、切り口も鮮やかな色とりどりのサンドイッチがところ狭しとお皿に並んでいる。
しかし、この日一番の歓声が与えられたのは、このサンドイッチに対してではなかった。
ひとりでなにやらゴソゴソと作業していたテオバルドが、サンドイッチがすべて出来上がった段で満を持して、
「リヒト様、これもお皿に飾ってください」
と差し出してきたのは……。
「わぁっ! わぁっ、ユーリ様っ! わぁっ! 見てください! こびとです!!」
喜色満面になったリヒトがピョンピョンと飛び跳ねる。その横でエミールが目を瞠り、
「うわ。手先が器用だとは知ってましたが……引くぐらいすごいですね」
と称賛なのかなんなのかよくわからない言葉を口走った。
確かにすごい。どこから見てもこびとである。スヴェンも素直に感心した。
うずらの卵で作った顔に、ミニトマトの丸く赤い帽子。キュウリで作った体には、ハムや薄焼き卵でできた服まで来ている。
リヒトは「わぁ」を連発して、こびとをそうっとてのひらに乗せてもらっていた。
「エミール様、見てください! 可愛いです!」
「ああっ! 天使っ!」
こびとを見せてきたリヒトに、辛抱たまらんとばかりにエミールが両手で顔を覆って叫んだ。
たしかに可愛い。可愛い、が……。
スヴェンはそろりと視線をユリウスへ流した。
案の定麗しのユリウス・ドリッテ・ミュラーが氷点下の眼差しでおのれの侍従を射殺そうとしている。
「テオ、おまえ、リヒトの機嫌を取ってなにが狙いだ」
こびとに夢中になっているリヒトの背後で、ユリウスがテオバルドの胸倉を掴んでささやいた。
「なっ、ちがっ、ちがいますよぉぉぉぉ! 俺は、リヒト様が喜ぶかなって、」
「この僕の前でリヒトを口説こうとするなんて、いい度胸だな、テオ?」
「だから違うって!!」
テオバルドが悲愴な顔つきで首をぶんぶんと横へ振った。
ユリウスの目の前でこんなことをすれば機嫌を損ねるだろうことはスヴェンですらわかったのに、テオバルドは意外と頭が悪いのだな、とスヴェンはしみじみと思いながらリヒト用のお皿にテオバルド作のこびとを飾り付けていった。
よその家の騒動は、所詮は他人事。
スヴェンとしてはエミールが楽しいならばそれでいいのだった。
中庭での賑やかなランチを終えて、
「そろそろお暇しようか、リヒト」
というユリウスのその言葉で昼食会はお開きとなった。
馬車を呼び、ユリウスとリヒトを見送るべく門まで出たスヴェンは、ふと思い立ってユリウスへと話しかけた。
「殿下。失礼ながら、すこしよろしいでしょうか」
ユリウスが足を止め、スヴェンを見下ろしてくる。
リヒトはエミールとおしゃべりの最中だ。それをチラと確認して、スヴェンは頭を下げた。
「折り入って、お願いが」
ユリウスが軽く眉を顰めた。
兄上の侍従が僕に? と声にしない疑問が聞こえた気がして、スヴェンは早口に用件を伝えた。
ユリウスは怪訝な顔をしつつも、
「まぁそんなものでいいなら、好きにするといいよ」
と了承してくれたのだった。
401
あなたにおすすめの小説
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
愛する公爵と番になりましたが、大切な人がいるようなので身を引きます
まんまる
BL
メルン伯爵家の次男ナーシュは、10歳の時Ωだと分かる。
するとすぐに18歳のタザキル公爵家の嫡男アランから求婚があり、あっという間に婚約が整う。
初めて会った時からお互い惹かれ合っていると思っていた。
しかしアランにはナーシュが知らない愛する人がいて、それを知ったナーシュはアランに離婚を申し出る。
でもナーシュがアランの愛人だと思っていたのは⋯。
執着系α×天然Ω
年の差夫夫のすれ違い(?)からのハッピーエンドのお話です。
Rシーンは※付けます
※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?
krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」
突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。
なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!?
全力すれ違いラブコメファンタジーBL!
支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる