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(番外編)アルファとオメガとベータのお話
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スヴェンの頑なな考え方には、恐らく、バース性が根底にある。
アルファはオメガを愛するもの。そういうものだと、思い込んでいる。
この世の中でアルファとベータが結婚した例など腐るほどあるというのに、ファルケンはオメガを愛するはずだと思っているのだ。バース性とは、『そういうもの』だと。
いくらファルケンがスヴェンに愛を伝えても、いつも「はいはい」と軽く流されてしまう。
いまは私を好きだと言っても、目の前にオメガが現われたらそっちを選ぶのでしょう、と。
言葉にしない彼の思いが、透けて見えることがある。
ファルケンにはわからない。おのれの『運命』に会ったことがないから、もしも『それ』を見つけたとき、自分がどうなるかはわからない。クラウスとエミール、そしてユリウスとリヒトを見ていれば、『運命』がいかに強烈な存在であるか肌で知ることができる。
けれど、でもたぶん俺はスヴェンを選ぶだろう、という根拠ない自信もまた確かなものとしてファルケンの中に根付いていた。
『運命』などはわからない。でもいまはスヴェンがすべてだ。
死ぬまでにちゃんとそれを理解させることができるだろうか。あの石頭に。
ファルケンがスヴェンをちゃんと愛しているということを。
それにもうひとつ頭の痛いことには、スヴェンがいまだ『狼』だということだ。
ファルケンたちが生まれる遥か昔は、『狼』の里は規律が厳しく定められていたらしい。当時は『狼』が『狼』以外のものになる方法など存在しなかった。
しかし現在は里の掟もかなりゆるくなっているという。だから、里を抜けるのも自由なのだ(無論、『狼』のことを口外してはならぬという制約はもうけられる)。
しかしスヴェンは骨の髄まで『狼』に染まっているから、そこから彼を引っこ抜くことができない。
『狼』であることのなにが問題かというと、『狼』が『クラウスのもの』だということだ。
おまけにスヴェンはエミールの侍従でもある。つまりはクラウスのものであると同時にエミールのものでもあるということになる。
これではいつまで経ってもファルケンがスヴェンを独占できないではないか。
俺も随分と我慢強いものだよ、とファルケンは窓の向こうを眺めながら吐息した。
本当ならさっさと仕事を辞めさせて、家に閉じ込め、自分だけのものにしておきたいのに。
それをすると絶対に怒ることがわかっているから、スヴェンの意向を最大限に尊重して、『狼』であることも侍従を続けることも容認している。その自分の努力を、自制心を、おのれの伴侶(正式に婚姻はしていないが、もはやそうとしか思えない)を独占したがる本能を抑えつけている偉大なる理性を、スヴェンはもっと理解すべきだし、褒めたたえるべきだと思う。
中庭ではそんなファルケンの想いなどひとつもわかってないような涼しげな顔で、スヴェンが給仕を行っている。サンドイッチが完成したようだ。
二人のオメガが作ったサンドイッチを皿に盛りつけていたスヴェンの目が、不意にこちらを向いた。
中庭まですこしの距離があるが、視線がしっかりと合っているのがわかり、ファルケンは片手を軽く上げた。それを受けてスヴェンが、サンドイッチの入ったバスケットを軽く上下させた。食べるか、と聞かれているのだろう。頷くことでそれに答えたら、スヴェンはすぐに目を逸らして主たちの世話へと意識を切り替えてしまった。まったく、つれない伴侶である。
ファルケンは窓際から離れ、廊下を移動してクラウスの屋敷内にある使用人の控室へと入った。ここは主にスヴェンが休憩のために使っている部屋で、ここで待っていればサンドイッチとともにスヴェンがやってくるのがわかっていた。
先に飲み物でも用意しておくかとファルケンは勝手知ったる場所で湯を沸かしながらスヴェンを待った。
やがてしずかにドアが開いた。
ちょうど紅茶の準備ができたところだったファルケンは、ポットから紅茶を注いだカップを片手に振り返った。
サンドイッチが詰まっているであろうバスケットを持ったスヴェンが、なぜか入り口あたりで立ち止まっている。
「どうした? 入って来いよ」
「自分の部屋かのように言わないでください」
手招くと、クレームが返ってきて笑ってしまう。
「アンタの私室でもないだろ。ほら、紅茶。アンタの好きなハーブのスペシャルブレンドのやつ」
「ありがとうございます」
礼を言ったスヴェンがようやく歩み寄って来て、テーブルの上にバスケットを置いて開いた。ファルケンはそれを覗き込み、肩を揺すって笑いを噛み殺した。
「こっち、絶対エルが作ったやつだろ。相変わらず顔に似合わず大雑把だな」
ファルケンの感想に、スヴェンの琥珀色の瞳がチラと動く。
「さすが。具材の挟み方だけでわかりますか」
含みのある言い方だ。ファルケンは片眉を上げ、言い返した。
「アンタだってエルとの付き合いは長いんだから、わかるだろ」
特別な感情がなくても、日ごろの様子さえ知っていれば察せられることも多い。エミールのサンドイッチだって、そういう当たり前のことのひとつだ。
「……そうですね」
納得したのかしていないのか、一本調子の声でスヴェンが頷いた。
ファルケンは持っていたカップをスヴェンの前にコトリと置き、彼の隣へ回った……ところで凍り付いた。
突如として動きを止めたファルケンを、スヴェンが怪訝に見上げてくる。
「どうしました?」
どうしました、ではない。
なんだ、この……この匂いは!
「くっっそ!!!! あのクソガキがっっっ!!!!」
腹の底からの怒声を上げて、ファルケンは部屋を飛び出そうとした。
「ちょ、ちょっと! ちょっと待ちなさいっ!」
スヴェンがすかさず腕を掴んで止めようとしてくる。
「放せっ!」
「いいから、落ち着きなさい!」
「落ち着いてられるかっ! 俺のものに匂いをベタベタつけやがって!!! あのクソガキになにされた! 言えっ! あの野郎、やっていいことと悪いことがあるっ!!!」
ファルケンのあまりの剣幕にスヴェンが息を飲んだ。
呆気にとられたように目を見開くスヴェンの両肩を掴んで、顔を近づけた。
不快なアルファの匂いが、スヴェンを取り巻いている。ユリウス・ドリッテ・ミュラーの匂いだ。
ゆるさない、とファルケンは怒りに燃えた。
自分はおのれのオメガの手を握られたというだけで激怒していたくせに、その腹いせにスヴェンに手を出すなんて! どういう神経をしているのだ!
絶対に殴る。殴ってやる。身分など関係ない。剣もろくに使ったことのないようなあんな優男……いや、ユリウスは騎士団に所属していたのだったか。だがファルケンの敵ではない。俺のものに手を出したらどうなるか、身を以って教えてやる。
「……クソガキって、ユリウス殿下のことですか?」
ポツリと、スヴェンが問いかけてきた。
「それ以外に誰が居る」
吐き捨てるように答えると、スヴェンが項垂れるようにうつむいた。細い肩が震えている。ファルケンは慌てて彼を抱きしめた。
「スヴェン、スヴェン、なにがあった、俺に言ってくれ」
声もなく泣き始めた伴侶の背を撫でながら、白金髪に頬を寄せる。やわらかな髪の感触と、スヴェンの体臭。そこに紛れ込むどうしようもなく不快なアルファの匂い。なにをされれば、こんなにもべっとりと誘発香が移るのか。答えはもう、ひとつしかない。
怒りと絶望感で目の前が赤黒くなっていたファルケンは、ささやかに聞こえていた声に気づくのが遅れた。
「……っふ、ふ、」
スヴェンの息遣い。そこに混じるのは……。
「ふ、あははっ! クソガキだなんて……っふ、ふふっ」
それは、完全なる笑い声だった。
アルファはオメガを愛するもの。そういうものだと、思い込んでいる。
この世の中でアルファとベータが結婚した例など腐るほどあるというのに、ファルケンはオメガを愛するはずだと思っているのだ。バース性とは、『そういうもの』だと。
いくらファルケンがスヴェンに愛を伝えても、いつも「はいはい」と軽く流されてしまう。
いまは私を好きだと言っても、目の前にオメガが現われたらそっちを選ぶのでしょう、と。
言葉にしない彼の思いが、透けて見えることがある。
ファルケンにはわからない。おのれの『運命』に会ったことがないから、もしも『それ』を見つけたとき、自分がどうなるかはわからない。クラウスとエミール、そしてユリウスとリヒトを見ていれば、『運命』がいかに強烈な存在であるか肌で知ることができる。
けれど、でもたぶん俺はスヴェンを選ぶだろう、という根拠ない自信もまた確かなものとしてファルケンの中に根付いていた。
『運命』などはわからない。でもいまはスヴェンがすべてだ。
死ぬまでにちゃんとそれを理解させることができるだろうか。あの石頭に。
ファルケンがスヴェンをちゃんと愛しているということを。
それにもうひとつ頭の痛いことには、スヴェンがいまだ『狼』だということだ。
ファルケンたちが生まれる遥か昔は、『狼』の里は規律が厳しく定められていたらしい。当時は『狼』が『狼』以外のものになる方法など存在しなかった。
しかし現在は里の掟もかなりゆるくなっているという。だから、里を抜けるのも自由なのだ(無論、『狼』のことを口外してはならぬという制約はもうけられる)。
しかしスヴェンは骨の髄まで『狼』に染まっているから、そこから彼を引っこ抜くことができない。
『狼』であることのなにが問題かというと、『狼』が『クラウスのもの』だということだ。
おまけにスヴェンはエミールの侍従でもある。つまりはクラウスのものであると同時にエミールのものでもあるということになる。
これではいつまで経ってもファルケンがスヴェンを独占できないではないか。
俺も随分と我慢強いものだよ、とファルケンは窓の向こうを眺めながら吐息した。
本当ならさっさと仕事を辞めさせて、家に閉じ込め、自分だけのものにしておきたいのに。
それをすると絶対に怒ることがわかっているから、スヴェンの意向を最大限に尊重して、『狼』であることも侍従を続けることも容認している。その自分の努力を、自制心を、おのれの伴侶(正式に婚姻はしていないが、もはやそうとしか思えない)を独占したがる本能を抑えつけている偉大なる理性を、スヴェンはもっと理解すべきだし、褒めたたえるべきだと思う。
中庭ではそんなファルケンの想いなどひとつもわかってないような涼しげな顔で、スヴェンが給仕を行っている。サンドイッチが完成したようだ。
二人のオメガが作ったサンドイッチを皿に盛りつけていたスヴェンの目が、不意にこちらを向いた。
中庭まですこしの距離があるが、視線がしっかりと合っているのがわかり、ファルケンは片手を軽く上げた。それを受けてスヴェンが、サンドイッチの入ったバスケットを軽く上下させた。食べるか、と聞かれているのだろう。頷くことでそれに答えたら、スヴェンはすぐに目を逸らして主たちの世話へと意識を切り替えてしまった。まったく、つれない伴侶である。
ファルケンは窓際から離れ、廊下を移動してクラウスの屋敷内にある使用人の控室へと入った。ここは主にスヴェンが休憩のために使っている部屋で、ここで待っていればサンドイッチとともにスヴェンがやってくるのがわかっていた。
先に飲み物でも用意しておくかとファルケンは勝手知ったる場所で湯を沸かしながらスヴェンを待った。
やがてしずかにドアが開いた。
ちょうど紅茶の準備ができたところだったファルケンは、ポットから紅茶を注いだカップを片手に振り返った。
サンドイッチが詰まっているであろうバスケットを持ったスヴェンが、なぜか入り口あたりで立ち止まっている。
「どうした? 入って来いよ」
「自分の部屋かのように言わないでください」
手招くと、クレームが返ってきて笑ってしまう。
「アンタの私室でもないだろ。ほら、紅茶。アンタの好きなハーブのスペシャルブレンドのやつ」
「ありがとうございます」
礼を言ったスヴェンがようやく歩み寄って来て、テーブルの上にバスケットを置いて開いた。ファルケンはそれを覗き込み、肩を揺すって笑いを噛み殺した。
「こっち、絶対エルが作ったやつだろ。相変わらず顔に似合わず大雑把だな」
ファルケンの感想に、スヴェンの琥珀色の瞳がチラと動く。
「さすが。具材の挟み方だけでわかりますか」
含みのある言い方だ。ファルケンは片眉を上げ、言い返した。
「アンタだってエルとの付き合いは長いんだから、わかるだろ」
特別な感情がなくても、日ごろの様子さえ知っていれば察せられることも多い。エミールのサンドイッチだって、そういう当たり前のことのひとつだ。
「……そうですね」
納得したのかしていないのか、一本調子の声でスヴェンが頷いた。
ファルケンは持っていたカップをスヴェンの前にコトリと置き、彼の隣へ回った……ところで凍り付いた。
突如として動きを止めたファルケンを、スヴェンが怪訝に見上げてくる。
「どうしました?」
どうしました、ではない。
なんだ、この……この匂いは!
「くっっそ!!!! あのクソガキがっっっ!!!!」
腹の底からの怒声を上げて、ファルケンは部屋を飛び出そうとした。
「ちょ、ちょっと! ちょっと待ちなさいっ!」
スヴェンがすかさず腕を掴んで止めようとしてくる。
「放せっ!」
「いいから、落ち着きなさい!」
「落ち着いてられるかっ! 俺のものに匂いをベタベタつけやがって!!! あのクソガキになにされた! 言えっ! あの野郎、やっていいことと悪いことがあるっ!!!」
ファルケンのあまりの剣幕にスヴェンが息を飲んだ。
呆気にとられたように目を見開くスヴェンの両肩を掴んで、顔を近づけた。
不快なアルファの匂いが、スヴェンを取り巻いている。ユリウス・ドリッテ・ミュラーの匂いだ。
ゆるさない、とファルケンは怒りに燃えた。
自分はおのれのオメガの手を握られたというだけで激怒していたくせに、その腹いせにスヴェンに手を出すなんて! どういう神経をしているのだ!
絶対に殴る。殴ってやる。身分など関係ない。剣もろくに使ったことのないようなあんな優男……いや、ユリウスは騎士団に所属していたのだったか。だがファルケンの敵ではない。俺のものに手を出したらどうなるか、身を以って教えてやる。
「……クソガキって、ユリウス殿下のことですか?」
ポツリと、スヴェンが問いかけてきた。
「それ以外に誰が居る」
吐き捨てるように答えると、スヴェンが項垂れるようにうつむいた。細い肩が震えている。ファルケンは慌てて彼を抱きしめた。
「スヴェン、スヴェン、なにがあった、俺に言ってくれ」
声もなく泣き始めた伴侶の背を撫でながら、白金髪に頬を寄せる。やわらかな髪の感触と、スヴェンの体臭。そこに紛れ込むどうしようもなく不快なアルファの匂い。なにをされれば、こんなにもべっとりと誘発香が移るのか。答えはもう、ひとつしかない。
怒りと絶望感で目の前が赤黒くなっていたファルケンは、ささやかに聞こえていた声に気づくのが遅れた。
「……っふ、ふ、」
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