十年越しの幼馴染は今や冷徹な国王でした

柴田はつみ

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第十四章 夜明けの再会

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エラナは、夜の森を夢中で走った。草木が頬を掠め、足元がもつれる。それでも、エラナは立ち止まらなかった。アレンに、会わなければ。自分の本当の気持ちを、伝えなければ。その一心だった。



どれほど走っただろうか。遠くに、王都の灯りが見えてきた。その光は、まるで、エラナの心を導く道しるべのようだった。



王宮の門は、固く閉ざされていた。エラナは、門を叩き、衛兵に叫んだ。



「開けてください! わたくしは、王妃エラナです!」


衛兵は、怪訝な顔でエラナを見た。


「…王妃様? このような夜中に…一体、何を…」



「いいから、開けてください! アレン様に、お伝えしたいことがあるのです!」


エラナのただならぬ様子に、衛兵は、渋々、門を開けた。



エラナは、王宮の中へと駆け込んだ。広い中庭を抜け、アレンの執務室へと向かう。執務室の扉は、わずかに開いており、中から、アレンとマルコの声が聞こえてきた。



「…陛下。王妃様は、きっと…」



「もう、いい! もう、あいつは、戻ってこぬ!」



アレンの、悲痛な叫び声に、エラナは、扉の前で立ち止まった。アレンは、本当に、自分を愛してくれていたのか。その疑念が、確信に変わった瞬間だった。
エラナは、意を決して、扉を開けた。




「…アレン様!」


アレンとマルコは、驚いたように、エラナを見た。アレンの目は、赤く腫れ、頬には、涙の跡が残っていた。


「…エラナ…」



アレンは、立ち上がり、エラナに駆け寄ってきた。



「なぜ、戻ってきたのだ…」



アレンは、掠れた声で言った。



「わたくしに、真実を教えてくれたので…あなたが、わたくしを愛してくれていると…」




エラナの言葉に、アレンは、絶句した。



「…なぜ、早く、わたくしに、言ってくださらなかったのですか…?」



エラナは、涙ながらに、アレンに尋ねた。



「…言えなかったのだ。…余は、君に、ただの政略結婚の相手としか、見ていなかった。…だが、いつしか、君に、心惹かれていた。…だが、それは、国王としての余が、してはならぬことだと、思っていた…」


アレンは、そう言って、エラナの手を握った。



「…愚かだった。…余は、君の心を、踏みにじり、そして、自分の心も、踏みにじっていた…」



アレンの告白に、エラナは、静かに頷いた。


「…わたくしも、愚かでした。…わたくしは、あなたを、…愛していると、気づいていなかった」



エラナは、そう言って、アレンの胸に、顔を埋めた。アレンは、エラナを、強く、強く、抱きしめた。



「…もう、二度と、君を、手放さない…」


アレンは、エラナの髪に、キスをした。
夜明けが、近づいていた。窓の外が、少しずつ、白み始める。


その光は、まるで、二人を祝福するかのように、優しく、部屋の中を照らしていた。



長い夜が終わり、二人の新しい朝が、今、始まった。
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