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第四章 洞窟の中には
駆け引きの末に
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魔女さんは五十年前の檻に閉じ込められてからの出来事を語った。
檻から抜け出した方法。魔法が使える理由。そしてちっとも老けてない理由。その全てに、姉妹は息を呑んだ。
「これで満足かよ……」
話し終えた魔女さんの手から力が抜けた。
しかしナナは、その手を強く握り続けている。
魔女さんは本当の魔女ではない。その事実を自分の中に落とし込めるまで、姉妹は時間を要した。
「魔女さん……普通の人間だったんだね……」
ナナが魔女さんの顔を見上げながら呟くと、その口角が後悔の色を落とした。
「うん、そうなの。今まで騙しててごめんね」
その声には覇気がなかった。
もしかしたら魔女さんは、ルルとナナから嫌われたと思っているのだろうか。
「ううん! ナナはそれでも魔女さんのこと好きだよ!」
魔女さんの手を離すまいと、目一杯の力を込める。すると、魔女さんの手が優しく握り返してくれた。
「あ! 私も! 私も大好き!」
頭上からはルルの大きな声が鳴り響いた。どうやらルルにも聞こえていたようだ。
「ありがとうルル、ナナ。私も大好きよ」
それを言った魔女さんの声はとても優しいものだったが、どこか寂しそうでもあった。
「ふん、おかしな愛情ごっこに花を咲かせよって。くだらない」
それを見ていた魔法使いさんは、表情ひとつ変えずにいた。そればかりか、うんざりとした表情をも見せている。
「お前さんの話しは分かったわい。まさかそんな『奇跡』が起こっていたとはな」
魔法使いさんはそう言うと、ルルをゆっくりと下ろし始めた。だが、ルルが五メートル程の高さの所で下降は止まった。
「おいてめぇ、話したらルルを解放するって約束したじゃねぇか」
今にでも魔法使いさんへと襲いかかってしまいそうな魔女さんを、ナナが手を強く握って何とか落ち着かせている。何だか凶暴な犬を散歩している気分だ。
「いいや、気が変わった。この小娘を解放する代わりにお前の身柄を頂く」
魔法使いさんはそう言いながら、魔女さんを指さした。
「私の身柄だ?」
「そうだ。魔法で手錠を掛けるから、手を前に出せ」
「私を捕まえてどうする気だよ」
「そんなの決まっておるじゃろ。お前の魔力を全部頂くのじゃよ」
魔女さんはそれを聞くと、何かを考えているのか数秒の間だけ口を閉じた。
「魔女さん、ダメだよ……あいつの言いなりになっちゃ……」
「そうだよ! 私のことなんか気にしなくていいよ!」
ナナとルルが魔女さんに声を掛ける。だが、魔女さんの答えは違った。
「分かりました。だけど、ルルを先に離しなさい」
「それはいかねぇなー、そう言ってワシを攻撃する気じゃろ」
魔法使いさんは用心深い。その一方で魔女さんは、淡々と話を進める。
「じゃあ私に手錠を掛けなさい。それなら魔法も使えないから良いでしょう」
その言葉に、魔法使いさんは目を細くしながら考え込んだ。そしてゆっくりと、ルルの方に視線を向ける。
「よし、それなら良い。ほれ、手を出せ……おっと、胸の前には出すなよ? いつ魔法を唱えられるか分かったもんじゃない」
この人はどこまでも用心深い。ドラゴンに街を襲わせた犯人が魔法使いさんだと、村の人たちが気付かないわけだ。
魔女さんはナナの手を離して腰の前に手を出すと、すぐにそこへ手錠が掛かった。
「ルルを下ろしなさい」
魔女さんが強い口調で言うと、魔法使いさんは口元を歪ませてニヤリと嫌な笑みを作った。
「そう急かすな急かすな。今、下ろしてやるから」
魔法使いさんがそう言うと同時、頭上に居たルルがフワフワと下りてきた。
そして遂に、地面に足が着くと魔法が解かれる。
「魔女さん……大丈夫なの?」
ルルが声を掛けると、魔女さんは優しく笑った。
「えぇ、大丈夫よ。でも、少しの間だけ家を空けるわね」
「え? それってどういう……」
「ちょっと出掛けてくるわ。その間、ナナと仲良くするのよ」
幼い姉妹でも分かる。
魔女さんは家に帰って来る気はない。魔法使いさんが魔力を吸い取るだけで満足する訳がないのは、ルルとナナも承知だ。
「やだよ魔女さん……一緒に帰ろうよ……」
その声を聞いて、魔女さんがそっとナナへと振り返った。
「ナナはルルを支えなさい。そうすればきっとどんな困難も越えられるわ」
「やだよやだよ……魔女さんが居ないと嫌だよ……」
ナナがそんな声を上げようとも、魔女さんはゆっくりと前を向いた。そして「ふっ」と小さく息を吐く。
「行きなさい」
「え?」「……?」
「行きなさいって言ってるの! 早くここから立ち去りなさい!」
魔女さんの怒鳴り声が洞窟の中に響き渡ると、姉妹は揃って体をビクリとさせた。
初めて魔女さんに怒鳴られた。
そんな魔女さんの首筋を汗が伝った。それを目で捉えると、ルルの足は勝手に後ずさりを始めた。
一方のナナは、未だにこちらを向いてくれない魔女さんの顔を見続けている。
「逃がすわけがなかろう!」
魔法使いさんはそう言って魔法を唱えようとするが、それに反応した魔女さんが一歩前に出た。
「やめなさい! 私だけで十分でしょう、あんな小さな子に何が出来るって言うの」
魔女さんに牽制されて、魔法使いさんは渋々だが手を下ろした。
「それもそうだな。小娘ども命拾いしたな。早くここから立ち去れ」
だが姉妹の足は、その場から動かない。
「行きなさい……」
これで最後の忠告とばかりに、魔女さんが小さく声を漏らした。
本当に魔女さんは、魔法使いさんの言葉に従うらしい。もしそうだとしたら、姉妹には何もすることが出来ない。
そう考えると、ルルの足は勝手に動き出していた。魔女さんの顔を見続けているナナの手を取って、ルルは最後にもう一度だけ振り返った。
「魔女さん。今度は私たちの番だから待っててね」
魔女さんに聞こえるか聞こえないかくらいの声を出すが、魔法使いさんと睨み合う魔女さんはこちらを振り返ろうとはしなかった。
それでもルルは、自分で言ったことを胸に刻みながら、ナナを引きずるようにして一心不乱に出口まで駆け抜けた。
檻から抜け出した方法。魔法が使える理由。そしてちっとも老けてない理由。その全てに、姉妹は息を呑んだ。
「これで満足かよ……」
話し終えた魔女さんの手から力が抜けた。
しかしナナは、その手を強く握り続けている。
魔女さんは本当の魔女ではない。その事実を自分の中に落とし込めるまで、姉妹は時間を要した。
「魔女さん……普通の人間だったんだね……」
ナナが魔女さんの顔を見上げながら呟くと、その口角が後悔の色を落とした。
「うん、そうなの。今まで騙しててごめんね」
その声には覇気がなかった。
もしかしたら魔女さんは、ルルとナナから嫌われたと思っているのだろうか。
「ううん! ナナはそれでも魔女さんのこと好きだよ!」
魔女さんの手を離すまいと、目一杯の力を込める。すると、魔女さんの手が優しく握り返してくれた。
「あ! 私も! 私も大好き!」
頭上からはルルの大きな声が鳴り響いた。どうやらルルにも聞こえていたようだ。
「ありがとうルル、ナナ。私も大好きよ」
それを言った魔女さんの声はとても優しいものだったが、どこか寂しそうでもあった。
「ふん、おかしな愛情ごっこに花を咲かせよって。くだらない」
それを見ていた魔法使いさんは、表情ひとつ変えずにいた。そればかりか、うんざりとした表情をも見せている。
「お前さんの話しは分かったわい。まさかそんな『奇跡』が起こっていたとはな」
魔法使いさんはそう言うと、ルルをゆっくりと下ろし始めた。だが、ルルが五メートル程の高さの所で下降は止まった。
「おいてめぇ、話したらルルを解放するって約束したじゃねぇか」
今にでも魔法使いさんへと襲いかかってしまいそうな魔女さんを、ナナが手を強く握って何とか落ち着かせている。何だか凶暴な犬を散歩している気分だ。
「いいや、気が変わった。この小娘を解放する代わりにお前の身柄を頂く」
魔法使いさんはそう言いながら、魔女さんを指さした。
「私の身柄だ?」
「そうだ。魔法で手錠を掛けるから、手を前に出せ」
「私を捕まえてどうする気だよ」
「そんなの決まっておるじゃろ。お前の魔力を全部頂くのじゃよ」
魔女さんはそれを聞くと、何かを考えているのか数秒の間だけ口を閉じた。
「魔女さん、ダメだよ……あいつの言いなりになっちゃ……」
「そうだよ! 私のことなんか気にしなくていいよ!」
ナナとルルが魔女さんに声を掛ける。だが、魔女さんの答えは違った。
「分かりました。だけど、ルルを先に離しなさい」
「それはいかねぇなー、そう言ってワシを攻撃する気じゃろ」
魔法使いさんは用心深い。その一方で魔女さんは、淡々と話を進める。
「じゃあ私に手錠を掛けなさい。それなら魔法も使えないから良いでしょう」
その言葉に、魔法使いさんは目を細くしながら考え込んだ。そしてゆっくりと、ルルの方に視線を向ける。
「よし、それなら良い。ほれ、手を出せ……おっと、胸の前には出すなよ? いつ魔法を唱えられるか分かったもんじゃない」
この人はどこまでも用心深い。ドラゴンに街を襲わせた犯人が魔法使いさんだと、村の人たちが気付かないわけだ。
魔女さんはナナの手を離して腰の前に手を出すと、すぐにそこへ手錠が掛かった。
「ルルを下ろしなさい」
魔女さんが強い口調で言うと、魔法使いさんは口元を歪ませてニヤリと嫌な笑みを作った。
「そう急かすな急かすな。今、下ろしてやるから」
魔法使いさんがそう言うと同時、頭上に居たルルがフワフワと下りてきた。
そして遂に、地面に足が着くと魔法が解かれる。
「魔女さん……大丈夫なの?」
ルルが声を掛けると、魔女さんは優しく笑った。
「えぇ、大丈夫よ。でも、少しの間だけ家を空けるわね」
「え? それってどういう……」
「ちょっと出掛けてくるわ。その間、ナナと仲良くするのよ」
幼い姉妹でも分かる。
魔女さんは家に帰って来る気はない。魔法使いさんが魔力を吸い取るだけで満足する訳がないのは、ルルとナナも承知だ。
「やだよ魔女さん……一緒に帰ろうよ……」
その声を聞いて、魔女さんがそっとナナへと振り返った。
「ナナはルルを支えなさい。そうすればきっとどんな困難も越えられるわ」
「やだよやだよ……魔女さんが居ないと嫌だよ……」
ナナがそんな声を上げようとも、魔女さんはゆっくりと前を向いた。そして「ふっ」と小さく息を吐く。
「行きなさい」
「え?」「……?」
「行きなさいって言ってるの! 早くここから立ち去りなさい!」
魔女さんの怒鳴り声が洞窟の中に響き渡ると、姉妹は揃って体をビクリとさせた。
初めて魔女さんに怒鳴られた。
そんな魔女さんの首筋を汗が伝った。それを目で捉えると、ルルの足は勝手に後ずさりを始めた。
一方のナナは、未だにこちらを向いてくれない魔女さんの顔を見続けている。
「逃がすわけがなかろう!」
魔法使いさんはそう言って魔法を唱えようとするが、それに反応した魔女さんが一歩前に出た。
「やめなさい! 私だけで十分でしょう、あんな小さな子に何が出来るって言うの」
魔女さんに牽制されて、魔法使いさんは渋々だが手を下ろした。
「それもそうだな。小娘ども命拾いしたな。早くここから立ち去れ」
だが姉妹の足は、その場から動かない。
「行きなさい……」
これで最後の忠告とばかりに、魔女さんが小さく声を漏らした。
本当に魔女さんは、魔法使いさんの言葉に従うらしい。もしそうだとしたら、姉妹には何もすることが出来ない。
そう考えると、ルルの足は勝手に動き出していた。魔女さんの顔を見続けているナナの手を取って、ルルは最後にもう一度だけ振り返った。
「魔女さん。今度は私たちの番だから待っててね」
魔女さんに聞こえるか聞こえないかくらいの声を出すが、魔法使いさんと睨み合う魔女さんはこちらを振り返ろうとはしなかった。
それでもルルは、自分で言ったことを胸に刻みながら、ナナを引きずるようにして一心不乱に出口まで駆け抜けた。
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