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13 悲しい過去があるのかもしれないわね
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私の部屋に行き、早速、チワーに確認してみると、チワーは大きく首を縦に振った。
「魔物を操るには、その魔物よりも強い負の感情を持っている人間であれば可能じゃ。この国の魔物は人間よりも賢いものはおらんからな」
「そんなことって有り得るのか?」
「ありえるのじゃ。例えば誰かに家族の命を奪われた時、負の感情というものは大きくなるものじゃ」
ランの質問に答えたあと、チワーがしゅんと顔を下に向けた。
もしかして、チワーにも負の感情というものが芽生えたことがあるのかもしれない。
そして、それは家族の命を奪われたということと関係するのかも……。
「ということは、サウロン陛下の命を狙っている誰かがいるかもしれないということだな?」
「そうなるじゃろうな」
悲しいことを思い出させてしまったようで、チワーは、ランの言葉に答えたあと「すまぬ。体調が悪いのじゃ」と言って、チワーのために用意したベッドに潜り込み、わたし達の声に反応しようとはしなかった。
チワーがそんな状態のため、城に帰るというランを見送ろうと、エントランスホールに向かって歩きながら会話する。
「もしかしたら、チワーには悲しい過去があるのかもしれないわね」
「そうだな。チワーがチワワの姿になってしまったのも、それが原因かもしれない。聖獣のことだから難しいかもしれないけど、少し調べてみる」
「ありがとう。チワーが元気になってくれると良いんだけど。チワーの好きなものって何かしら?」
「そうだな。クッキーは好きだな。というか甘いものが好きだ」
「甘いものを食べさせても良いのかしら?」
「本人はいいって言ってるぞ」
「それは本人が食べたいからいいって言ってるだけじゃないの」
わたしが眉を寄せて言うと、ランが苦笑する。
「それはそうかもな。俺もなんだかんだ言って、チワーに甘かったみたいだ」
「そうね。でも、今日くらいは体にすぐに害が出るものじゃないのなら食べさせてあげようかな」
「そうだな」
ランとはそんな話をして別れ、部屋に戻って、チワーに食べたいものを聞くと、尻尾を振って私に駆け寄ってきたのだった。
次の日、ランからチワーらしきフェンリルについての話を聞いた。
わたしが聖女の力に目覚めた日、フェンリルが2匹死んでいるらしい。
人間がフェンリルを裏切り、魔物に殺させたのだという。
その時、2匹のフェンリルが最後の力を振り絞って逃がした子供のフェンリルがいるらしく、それがチワーじゃないかということだった。
多くの人はフェンリルと共に戦ったけれど、裏切った人物がいる。
もしかすると、今回、陛下を狙わせている人物と同じ人物かもしれない。
ランが候補としてあげた人間の中に、アウトン国の重鎮がいた。
元老院の中の一人であり、その中でも発言力が強い。
わたしをサウロン陛下から遠ざけて、彼を暗殺しようとしているのだとしたら……?
チワーには辛い過去を思い出させてしまうかもしれないけれど、それを確認するために、わたしとランはチワーを連れて、アウトン国に行くことにした。
※あと2話。
本日中に終わります!
そして、こっそり新作をはじめております。
「こんなはずじゃなかった? それは残念でしたね」になります。
よろしければ、お読みいただけると嬉しいです。
「魔物を操るには、その魔物よりも強い負の感情を持っている人間であれば可能じゃ。この国の魔物は人間よりも賢いものはおらんからな」
「そんなことって有り得るのか?」
「ありえるのじゃ。例えば誰かに家族の命を奪われた時、負の感情というものは大きくなるものじゃ」
ランの質問に答えたあと、チワーがしゅんと顔を下に向けた。
もしかして、チワーにも負の感情というものが芽生えたことがあるのかもしれない。
そして、それは家族の命を奪われたということと関係するのかも……。
「ということは、サウロン陛下の命を狙っている誰かがいるかもしれないということだな?」
「そうなるじゃろうな」
悲しいことを思い出させてしまったようで、チワーは、ランの言葉に答えたあと「すまぬ。体調が悪いのじゃ」と言って、チワーのために用意したベッドに潜り込み、わたし達の声に反応しようとはしなかった。
チワーがそんな状態のため、城に帰るというランを見送ろうと、エントランスホールに向かって歩きながら会話する。
「もしかしたら、チワーには悲しい過去があるのかもしれないわね」
「そうだな。チワーがチワワの姿になってしまったのも、それが原因かもしれない。聖獣のことだから難しいかもしれないけど、少し調べてみる」
「ありがとう。チワーが元気になってくれると良いんだけど。チワーの好きなものって何かしら?」
「そうだな。クッキーは好きだな。というか甘いものが好きだ」
「甘いものを食べさせても良いのかしら?」
「本人はいいって言ってるぞ」
「それは本人が食べたいからいいって言ってるだけじゃないの」
わたしが眉を寄せて言うと、ランが苦笑する。
「それはそうかもな。俺もなんだかんだ言って、チワーに甘かったみたいだ」
「そうね。でも、今日くらいは体にすぐに害が出るものじゃないのなら食べさせてあげようかな」
「そうだな」
ランとはそんな話をして別れ、部屋に戻って、チワーに食べたいものを聞くと、尻尾を振って私に駆け寄ってきたのだった。
次の日、ランからチワーらしきフェンリルについての話を聞いた。
わたしが聖女の力に目覚めた日、フェンリルが2匹死んでいるらしい。
人間がフェンリルを裏切り、魔物に殺させたのだという。
その時、2匹のフェンリルが最後の力を振り絞って逃がした子供のフェンリルがいるらしく、それがチワーじゃないかということだった。
多くの人はフェンリルと共に戦ったけれど、裏切った人物がいる。
もしかすると、今回、陛下を狙わせている人物と同じ人物かもしれない。
ランが候補としてあげた人間の中に、アウトン国の重鎮がいた。
元老院の中の一人であり、その中でも発言力が強い。
わたしをサウロン陛下から遠ざけて、彼を暗殺しようとしているのだとしたら……?
チワーには辛い過去を思い出させてしまうかもしれないけれど、それを確認するために、わたしとランはチワーを連れて、アウトン国に行くことにした。
※あと2話。
本日中に終わります!
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「こんなはずじゃなかった? それは残念でしたね」になります。
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