俺を好きになるな、お前を愛していない、極道の目覚めた独占欲

第三章 溺れる抱擁

④

「蓮也さん」

加子は自分の胸に蓮也の頭を押しつけて、撫でた。

「加子、加子」

こんなに蓮也さんが子供みたいに甘えてくれて嬉しい。

蓮也さんは加子をじっと見つめた。

「どうしたんですか」

「お前は不思議な女だな」

「そうですか？」

「俺を好きか」

「はい、大好きです」

加子はニッコリ微笑んだ。

「俺はお前を愛する気持ちはない、それでもいいならここにおいてやる」

「よろしくお願いします」

蓮也はちょっと考えて、加子に尋ねた。

「林田のことはどうするんだ」

「もう、顔も見たくありません、林田さんとは結婚しません」

「そう簡単では済まないと思うが、俺に迷惑かけるな、いいな」

「わかりました」