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1章 断罪回避
6 超絶イケメン間近に迫る
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少し長めの、サラサラの金髪。
風に震える長いまつ毛。
緑の瞳は特に目立つ。
森を映す湖みたいに澄んでいる。
二十歳は確実に超えていると思うけど……
美しすぎて年齢なんかどうでもいい。
ふいに、超絶イケメンが間近に迫った。
私の頬についた砂を、彼の指先がそっと落とす。
(うわ……っ)
心臓が胸の中で跳ね回って、空気の吸い方がわからなくなる。
「アナベル様。この……は、いつ……ますか?」
「ご、ごめん。何?」
風と心臓の音がうるさくて、彼の声がよく聞こえない。
「この嵐はいつ終わりますか?」
「……いつかな?」
早く終わってほしい。
大怪我をする人はいないだろうけど。
精霊は昔、人間を守ると約束したから。
力の経路となれる人間──聖女を選び、共に魔物を倒そうと、手を差し伸べてくれた。
だから、精霊は基本的に人間を傷つけない。
「嵐を起こしたのはアナベル様では?」
「そ、そうなんだけど。いつまで続くかわからないよ」
私と処刑人の間に、変な空気が流れる。
だって力を使うの初めてだし……
真顔の美形にガン見されて、猛烈に居心地が悪い。
気まずくて目をそらすと、光るオコジョがこっちへ飛んでくるのが見えた。
「あっ。おかえり、風の精霊!」
よかった、これで話がそれる。
宙を駆ける風の精霊は、私の目の前でスッと止まった。
「ただいま戻りました、聖女様。私のことはナギとお呼びください」
「えっ、名前があるの?」
ゲーム内では「風の精霊」扱いだったから知らなかった。
「ナギっていうんだ、似合うね」
「聖女様にお褒めいただき、光栄です」
ナギは目を細め、ふわふわの頭を私の頬にすりつけてきた。
ああ、可愛い。
たまらない。
後ろ手に縛られていなければ、この子を抱きしめるのに。
小さなお耳もフニフニしたい……
夢のような妄想をしていると、ナギが私の肩をペチペチと叩いた。
「聖女様。じきに風が鎮まりますよ」
「そうなの?……あ、偵察役の魔物が消えてる」
私がそう言うと、ナギは短い前脚を広げて胸を張った。
「はい!山三つ向こうまで飛ばしてやりました。何しろ私は、息苦しさの中で何十年も耐えた精霊ですから」
「そうなんだ、さすがだね!」
「ええ、逃げてしまったほかの精霊とは違います。魔物の群れも一網打尽ですよ。一匹残らず、千々に引き裂きました!」
「そ、そうなんだ……さすがだね」
「聖女様が、私の力を正しく引き出してくださったからです。だというのに、まだ魔力が十二分に残っておられる。素晴らしい!」
ナギが、私の周りを何度も飛び回る。
尻尾が頬や耳に当たってくすぐったい。
そこへ、淡々とした声が聞こえた。
「たしかに、風が弱まってきたようです」
私と一緒に伏せていた処刑人が、壇の陰から周りをうかがっている。
「魔物の群れも見当たりません」
「そうでしょう? 聖女様のおかげですよ。……それにしても」
ナギは前脚をうんと伸ばして、ポフポフと拍手をする。
「処刑人でありながら、聖女様を支えてくれたようですね。褒美に、聖女様を称える栄誉を差し上げます。さあ、崇めなさい!さあ!」
「いらない!そういうのいらないから!」
美形に崇められるなんて嫌だ。
ただでさえオコジョに絶賛されて気まずいのに。
気まずいのに……
神レベルのイケメンは、薄布でも持つかのように、私をふわりと抱き上げた。
風に震える長いまつ毛。
緑の瞳は特に目立つ。
森を映す湖みたいに澄んでいる。
二十歳は確実に超えていると思うけど……
美しすぎて年齢なんかどうでもいい。
ふいに、超絶イケメンが間近に迫った。
私の頬についた砂を、彼の指先がそっと落とす。
(うわ……っ)
心臓が胸の中で跳ね回って、空気の吸い方がわからなくなる。
「アナベル様。この……は、いつ……ますか?」
「ご、ごめん。何?」
風と心臓の音がうるさくて、彼の声がよく聞こえない。
「この嵐はいつ終わりますか?」
「……いつかな?」
早く終わってほしい。
大怪我をする人はいないだろうけど。
精霊は昔、人間を守ると約束したから。
力の経路となれる人間──聖女を選び、共に魔物を倒そうと、手を差し伸べてくれた。
だから、精霊は基本的に人間を傷つけない。
「嵐を起こしたのはアナベル様では?」
「そ、そうなんだけど。いつまで続くかわからないよ」
私と処刑人の間に、変な空気が流れる。
だって力を使うの初めてだし……
真顔の美形にガン見されて、猛烈に居心地が悪い。
気まずくて目をそらすと、光るオコジョがこっちへ飛んでくるのが見えた。
「あっ。おかえり、風の精霊!」
よかった、これで話がそれる。
宙を駆ける風の精霊は、私の目の前でスッと止まった。
「ただいま戻りました、聖女様。私のことはナギとお呼びください」
「えっ、名前があるの?」
ゲーム内では「風の精霊」扱いだったから知らなかった。
「ナギっていうんだ、似合うね」
「聖女様にお褒めいただき、光栄です」
ナギは目を細め、ふわふわの頭を私の頬にすりつけてきた。
ああ、可愛い。
たまらない。
後ろ手に縛られていなければ、この子を抱きしめるのに。
小さなお耳もフニフニしたい……
夢のような妄想をしていると、ナギが私の肩をペチペチと叩いた。
「聖女様。じきに風が鎮まりますよ」
「そうなの?……あ、偵察役の魔物が消えてる」
私がそう言うと、ナギは短い前脚を広げて胸を張った。
「はい!山三つ向こうまで飛ばしてやりました。何しろ私は、息苦しさの中で何十年も耐えた精霊ですから」
「そうなんだ、さすがだね!」
「ええ、逃げてしまったほかの精霊とは違います。魔物の群れも一網打尽ですよ。一匹残らず、千々に引き裂きました!」
「そ、そうなんだ……さすがだね」
「聖女様が、私の力を正しく引き出してくださったからです。だというのに、まだ魔力が十二分に残っておられる。素晴らしい!」
ナギが、私の周りを何度も飛び回る。
尻尾が頬や耳に当たってくすぐったい。
そこへ、淡々とした声が聞こえた。
「たしかに、風が弱まってきたようです」
私と一緒に伏せていた処刑人が、壇の陰から周りをうかがっている。
「魔物の群れも見当たりません」
「そうでしょう? 聖女様のおかげですよ。……それにしても」
ナギは前脚をうんと伸ばして、ポフポフと拍手をする。
「処刑人でありながら、聖女様を支えてくれたようですね。褒美に、聖女様を称える栄誉を差し上げます。さあ、崇めなさい!さあ!」
「いらない!そういうのいらないから!」
美形に崇められるなんて嫌だ。
ただでさえオコジョに絶賛されて気まずいのに。
気まずいのに……
神レベルのイケメンは、薄布でも持つかのように、私をふわりと抱き上げた。
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