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4 : 少年愛 ※
しおりを挟むリュアオスは宣言通りに会いに来た。
日も高く、放牧している羊たちを眺めていると何処からともなくあらわれたのだ。
頬はすっかり治っており、もともとの美貌がさらに光って見えた。
「こんにちは」
「俺を忘れていないのだな」
リュアオスはすぐになんて言ったが、もうすでに数週間は経っている。
「もちろんですよ。あなたはなんと言うか、印象的だったので。そういえば、あなたの言ったとおり、もうじき弟か妹かが生まれるんですよ」
「男だ。少しやつれたか?」
杖にもたれながらぼーっとしていたのがばれていたようだ。
「母のぶんの仕事もあるので。でも、まわりの人たちも助けてくれてますし、そこまで大変じゃないですよ」
「……そうか」
リュアオスは子供を労うように頭を撫でたが、慣れていないのかなんだかぎこちなかった。
それが擽ったくて、だが存外心地よくて嬉しかった。
「それより、お兄さんと仲直りはできましたか?」
喧嘩したあとがないのだから心配はいらないかもしれないが、仲直りせずに冷戦状態になっていたらもっと大変だと確認する。
「ああ、説得できた」
「それはよかったです」
アメデアは、リュアオスとヘリコルスの喧嘩の原因が自分であることなど知るよしもなく、ただ家族が仲良く暮らせることに喜んだ。
こんな風に、リュアオスは唐突に姿をあらわしてはアメデアと言葉を交わして帰っていく。
放牧している時であったり、村へのお使いの帰りだったりとシチュエーションは様々だったが煩わしさは全く感じなかった。それほどまでにリュアオスとの交流は日常化していた。それどころか、リュアオスとの逢瀬を楽しみにさえしていた。
関係はさらに発展していき、会話だけの交流からボードゲームや格闘などの遊びをする仲になり、最終的には公認をうけた交際がはじまった。
少年愛は社会的制度として暗黙の了解となっている。年長者が年少者を教育し育てるという名目をもち、性愛もゆるされた。
「リュアオスさま、今日は何をしますか? 最近は円盤投げが流行ってるんですよ」
リュアオスに寄り添いながらアメデアは楽しげに話す。
リュアオスがいると羊たちもまわりの動物たちも大人しく、仕事にも余裕がうまれていた。
余暇は「年長者」に教育をしてもらうべきだと父に仕事を取り上げられて、専らリュアオスと過ごす時間が増えた。
「円盤投げはダメだ。昔、とある神とその恋人がその遊びをやっていたが風の神の嫉妬にあって神が投げた円盤が恋人にあたり死んだんだ」
リュアオスによって抱き寄せられて額に口付けされる。アメデアはまだスキンシップになれずに照れくささがある。
「じゃあ、やめておきます。もともと運動神経もよくないですし」
「そうだな。そなたは走ることすらも下手くそだ」
羊飼いなんていう仕事をしておきながら、アメデアは運動能力が乏しい。反射神経が鈍いというか、鈍臭いというべきか。球技でも満足に球をつかめない。走るフォームも独特で、リュアオスが笑ったことを根に持っている。
「むっ。そういうリュアオスさまは芸術センスがないじゃないですか。あの時のリラの演奏はわすれませんよ」
「仕方ない。俺に芸術の権能はないからな。そのかわり、そなたの怪我をなおしたり、芽を花にしたりできるぞ」
そういうとリュアオスは、野花を一つ指差した。まだ花開いていないそれは、彼の力によって美しい赤色の花を咲かせた。
この時には彼が神であることを信じて疑わなかった。
はじめて彼がその超越した力を見せたのは、遊戯をしていた時だ。運動音痴なアメデアが派手に転ぶと、手や膝に些細な擦り傷ができた。
少し血がにじみ出ているくらいどうということも無かったのだが、リュアオスはその力を持って一瞬にして癒したのだ。
こんな傷は神官が直す必要もない、放置していても治るものだというのにだ。
そこから時おりリュアオスはアメデアに神の力の片鱗みせた。それは娯楽の見世物のように。
それに対して返せるものなどないと気落ちすると、ただ口付けをしてくれるだけでいいと言った。
「リュアオスさま」
アメデアはリュアオスにのし掛かり、唇に触れるようなキスをした。
そんな子供だましのようなものでリュアオスが満足するはずもなく、リュアオスはアメデアの腰をしっかりとつかんだ。
深く口づけをするのと同時に、リュアオスの大きな手が形のよいアメデアの双丘をもみしだく。
「あんっ」
「そなたのここは随分と敏感になったな」
その卑猥な言葉に耳まで真っ赤になる。
リュアオスに触られて、開発された体は素直でアメデアの陰茎は勃ちあがり、ズボンを押し上げる。
「いじわるしないで……」
「可愛いことを言ってくれる」
リュアオスはアメデアのズボンに手を差し込み下肢をあらわにする。
その期待と興奮でアメデアは息をあらくする。
今日こそは繋がれるはずだと。
アメデアはリュアオスとこうして睦み合うことはあっても所詮は素股止まり。孔をほぐされてもその中に挿れられたことがないのだ。
リュアオスは尻を抱いたまま立ち上がった。彼の雄々しい男根が勃ちあがっており、尻の間にその重圧を感じる。
だがすぐにその温もりがはなれた。
アメデアは立たされて、後ろを向かされた。
「……また」
不満げな声を小さくこぼした。リュアオスにその言葉が聞こえたかどうかはわからない。
「脚を閉じていろ」
アメデアを後ろ抱きにして、昂るそれを尻に何度か触れさせてから内腿へと入る。
そのまま、本当にアナルセックスをするように腰をふる。
「ああんっ」
リュアオスはアメデアの陰嚢をこすり、側面を擽る。
腹の下を覗くと、アメデアのものよりもずっと大きいそれの頭が見える。
「ひゃっ、急にそこ、触らないっ……ああんっ」
リュアオスの大きな手が重なりあう2つの陰茎を包み込む。
温かく大きな手はアメデアの鈴口をぐちゅぐちゅと押したり擦ったりする。
「あああっ!ダメっ、ああ……っ」
アメデアの先からはだらしなく液が漏れでている。
竿をいじる手の速度がはやくなり、腰を打ち付ける音が鼓膜に焼き付く。
「やだっ、まだイきたく……ッ。ああっ、……まっ、あああぁ——ッ」
どろりと白濁を吐き出したのに満足するどころか、奥が寂しく疼く。
物足りなさを感じるのは、普段から指で後孔をいじられたせいなのだろか。
しかしリュアオスは決してその空白を埋めてはくれない。
「……くっ」
リュアオスは吐精するまで何度も腰をふった。
青い草の上には二人の白い液が散っていた。
「ううっ、……ひっく」
リュアオスが余韻に浸る前にすすり泣くような声が聞こえて我に返る。
「ど、どうしたのだ?」
アメデアを振り向かせると、なぜか涙を流していた。それが美しいと邪な感情が芽生えた。
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