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閑話休題――蒔田一臣、反省、……せず。 *
しおりを挟むやりすぎたか。
と彼は思う。あれから意識を失った彼女を、ひとまず寝室のベッドに寝かせた。その寝顔をここぞとばかりに眺めている。
離れられないでいる。
ちなみに、中途半端に膝の辺りで引っかかっていたジーパンと下着は、脱がせた。
よって、二人とも、裸だ。
妄想していた展開とはちょっと違ったが――彼女が気を失うとは、想定外だったが。時間が経てば落ち着くだろうか。
蒔田は彼女の目覚めを待つ。
幻滅、……されないだろうか。
すこし言葉で責めた。するとおもしろいくらいに反応するからだを堪能した。思い返すだけでまたさかってしまいそうだ。
白い首筋にキスマークが残っている。このからだがほかの男にかつて愛されたなどとは、考えたくない。
魅惑的な彼女を、ほかの男の目になど触れさせたくないとすら思う。おれのように、頭がくらくらするくらい、惚れ込む男だって、いるだろう。
それはとても恐ろしいことだ。
いっそ、彼女を閉じ込めておきたいくらいだ。だが――
彼女は自由であるべきだ。
仮にもしおれから離れたいと言うのなら、おれは黙って見送るべきだ。束縛、などすべきではない。
なのに、いま、おれは眠る彼女を、抱きしめたいとすら思う。触れるだけなら、構わないだろうか。
唇に触れた。そこはみずみずしく、潤っていた。
蒔田さんと言うときの、彼女の言葉の響き。
おれをくわえ込んだときの、あの上目遣い。
後ろからがんがん突かれながら、必死に、愛していると言おうとしたこと。分かっていて責め立てた。
彼女は、いくども、おれのまえで自分を見失っている。だがおれは見られるのが怖い。
白目を剥いたことなどあるらしくさすがに見たら引くに決まっている。
彼女が、理想めいたものをおれに抱いていることを、おれは、知っている。それは大切に守ってやりたい。
「ん……」彼女の胸が上下する。布団に隠れ、乳首は見えていないものの。
急にしゃぶりたくなった。
邪魔な布団を引き剥がし、唇で挟み込む。ん、と声があがった。反省すべき。
そしておれは離れるべきなのに、やめられない。すぐに固くなるなんという感度のよさ。そして、おれ自身すぐにでも挿れられる状態になってしまうことが、恐ろしくもある……。
我慢できず、右の手で彼女の左の乳房に触れる。まだやわらかい。やわやわと、揉むだけにしておく……。
彼女の、頬が、紅潮する。なんと、美しいのだろう……。
おれはすこしのあいだ、彼女から離れ、その表情に魅了された。
「う。う……」彼女がからだの右を下にする。それを阻むように、咄嗟に、口が、動いてしまった……。
「あ。いや、……蒔田さん……」
口ではいやだと言っているのに。
声音は、嘘をつけない。固くなる胸の頂き。彼女の表情から、彼女の内面にどんな変化が起きているのかを、おれは、見抜いた。
夢のなかまでも追いかけて愛し抜いてやる。
決意を新たに実に魅惑的なそのからだに、再び唇を近づけたのだった。
*
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