婚約破棄から始まる、ジャガイモ令嬢の優雅な畑生活

王太子から一方的な婚約破棄の書状を受け取ったその日、エリザベートは呟いた。

「婚約解消ですって?ありがたや~~!」

◆◆◆

殿下、覚えていらっしゃいますか?
あなたが選んだ隣国の姫のことではなく、
――私、侯爵令嬢エリザベートのことを。
あなたに婚約を破棄されて以来、私の人生は見違えるほど実り多くなりましたの。
優雅な所作で鍬を振り、ジャガイモを育て、恋をして。
私のことはご心配なく。土と恋の温もりは、宮廷の冷たい風よりずっと上等ですわ!
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