私を捨てた元婚約者が、一年後にプロポーズをしてきました

柚木ゆず

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第9話 終焉の時 クロード視点(1)完全版

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「でぃ……。でぃおん……」
「ディオン殿だけじゃない。わたしもいるぞ」

 唖然となっていると、もう一つ信じられないことが起きた。向かって左側の男がローブを取ると、その下にあったのは見慣れた顔。この男は、クリステルの義父エドガ―だった……。

「ど、どうして……。なぜ、お前達が……。こんなところに、いるんだ……? 雇われるふりまで、して……。なにを、考えている……?」
「何を考えているのか。ディオン殿とわたしは、お前に現実を教えるために、こうして#戯れて__・・・_#いたんだよ」

 現実……? コイツは、何を言って……。

「クロード・ロウズナ。君は自邸に戻ったあと家を飛び出し、邪魔者である俺を消すべくスラム街にやって来た。だろう?」
「そっ、それがなんだ!? それとこれっ、何が関係しているというんだ!?」

 意味が分からない!! 何が言いたいんだ!?

「まったく、どこかでも愚かな男だな。ここまで聞いてもまだ、ディオン殿の言葉の意味が分からないらしい」
「ではエリナス卿、分かりやすく伝えようとしましょうか。……クロード・ロウズナ。君は家を飛び出し、その足でここへと来た。……エリナス邸に居た俺達がそれを知っているのは、妙だとは思わないかい?」
「っっ!!」

 コイツらは僕の行動を知らないし、尾行の気配もなかった。なのに、当たり前のようにここにいる……。
 妙、どころじゃない……。滅茶苦茶だ……!

「どう、なっているんだ……!? なんで……っ!? なんでなんだ……っっ!?」

 独りでに膝が震え始めて、無意識的に後ずさってしまう。
 コイツらがここにいられる理由はなんだ!? 今こうなっている原因はなんだ!? 何がどうしたらこうなるんだ!?

「エリナス卿と俺が、こうできている理由。それは――ああ、そうだった。言葉だけで説明すると、君の場合は理解に時間がかかってしまうかもしれない。そこでまずは、目で認識してもらうとしよう」
「……目、だと……? きっ、貴様っ、貴様らはっ! 何をするつもりだ!?」
「さあ、何が起きるんだろうね? これから起きることは――。これさ」

 ヤツらは強めに、パンと手を打ち鳴らす。そうしたら二十数人もの男女がディオンとエドガーの背後にやって来て、一斉に傅(かしず)いた。
 …………はぁ? 大勢の部下を、集めただけ?
 この程度なら、僕にだって可能だ! これのどこに、勿体ぶるような要素が――

「ぁ、ぁぁ……」

 鼻で笑おうとしていたら、気が付いた。気が付いてしまった。
 ヤツらの背後にいる、二十数人……。コイツらは……っ。コイツらは……っっ。

 今夜、依頼を持ち掛けていた男達……。そして……っ。そして……っっ。
 先月からウチで働き始めた、使用人の女達だ……!!

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