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第9話 終焉の時 クロード視点(2)
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「君の家に忍び込ませていたのは、俺の部下。君が今夜接触をしていた者達は、エリナス卿の部下。実を言うと君の周りは、俺達の『目』が沢山あったんだよ」
かつてない程の、冷たさ……。まるで、極寒にいるよう……。
手足が氷のようになっていたら、ディオンは自身の瞳を指さした。
「家の中でも外でも、我々の息がかかった者がいた。それ故に我々は、お前の言動を把握できていたんだよ」
だから、ここに来れていた……。
だから、スラム街に配下を配置できていた……。
だから、今日……。僕の来訪に合わせて、ディオンがやって来ていた……。
「復縁の件は、あまりにも突発的故に――お前が目覚めて即動き出したため情報の伝達が遅れたものの、それ以降は我々の手のひらの上。出発前に父ファビアンを突き飛ばして腰を痛めている事も、把握済みだ」
「そ、そんなところにまで、食い込んできている、なんて……。うっ、ウチは伯爵家! 雇用の際は身辺調査を含めて入念なチェックがあるんだぞ!! どうやってソレを掻い潜ったんだ!?」
「簡単な事さ。審査が厳しいなら、審査をする者を引き込めばいい。俺とエリナス卿の手は、君が思っている以上に侵食していたのさ」
「な…………そ、んな……。そんなバカなことが――」
「あるから、こうなっているんだろう? ……クロード。わたしは1年前、己の無力さを痛感したのでね。大切な姪であり娘が二度とあんな思いをせずに済むように、死に物狂いで動き、力を手に入れたんだよ」
「俺は最愛の人を生涯守り続けられるように、一つ上へと昇った。……クロード・ロウズナ、お前には分からないだろうね。本物の想いは、大きな原動力となるんだよ」
2人は東の方角を――エリナス邸がある方角を眺め、揃って穏やかに頬を緩める。
だが――。顔がこちらに向き直ると、その表情は一変する。
例えるなら、鋭い氷柱。
たまらずへたり込んでしまう程に、ぞっとする視線で射貫かれた。
「話を戻そうか。たった今説明したように、俺達は常時君を見ている。今後も、見ることができる」
「種明かしをした方法以外にも監視の手はあり、実際に、すでに某所に配置済みとなっている。要するに今後何を企んでも、全て筒抜けだ」
これは、ハッタリじゃない……。語気の強さで、分かる……。
僕は、何をやっても無駄……。コイツらからは……。逃げられない……。
「た、頼む……。頼むから、や、やめてくれ……!! そんな生活が続けば、気が狂ってしまう……!! お願いだ……っ!! 僕の周りからソイツらを消してくれ……! けっ、消してください…………っ!!」
「断る。君はクリステルの心と体に、大きな傷を負わせた男だ。容赦はしない」
「そっ、そんな………!! お願いします……っ!! そのままでは神経が衰弱して死んでしま――」
「クロードよ。それは、我々にとってはどうでもいい事。取るに足らないものだよ」
「いいか、クロード・ロウズナ。貴様が今後少しでクリステルに近づこうとしたなら、俺達は全力で以て攻撃を行う」
「逆に何もしないのであれば、こちらから何もすることはない。…………それを、よく覚えておくんだな」
ディオンと、エドガー。2人は冷たく見下ろしながら淡々と告げ、大勢の部下を連れて去ってしまった。
「ぁ、ぁぁ……。ぁぁぁぁぁ……」
そうしたら、その場にいるのは僕と数名の護衛だけになって……。
僕は……。その後――
かつてない程の、冷たさ……。まるで、極寒にいるよう……。
手足が氷のようになっていたら、ディオンは自身の瞳を指さした。
「家の中でも外でも、我々の息がかかった者がいた。それ故に我々は、お前の言動を把握できていたんだよ」
だから、ここに来れていた……。
だから、スラム街に配下を配置できていた……。
だから、今日……。僕の来訪に合わせて、ディオンがやって来ていた……。
「復縁の件は、あまりにも突発的故に――お前が目覚めて即動き出したため情報の伝達が遅れたものの、それ以降は我々の手のひらの上。出発前に父ファビアンを突き飛ばして腰を痛めている事も、把握済みだ」
「そ、そんなところにまで、食い込んできている、なんて……。うっ、ウチは伯爵家! 雇用の際は身辺調査を含めて入念なチェックがあるんだぞ!! どうやってソレを掻い潜ったんだ!?」
「簡単な事さ。審査が厳しいなら、審査をする者を引き込めばいい。俺とエリナス卿の手は、君が思っている以上に侵食していたのさ」
「な…………そ、んな……。そんなバカなことが――」
「あるから、こうなっているんだろう? ……クロード。わたしは1年前、己の無力さを痛感したのでね。大切な姪であり娘が二度とあんな思いをせずに済むように、死に物狂いで動き、力を手に入れたんだよ」
「俺は最愛の人を生涯守り続けられるように、一つ上へと昇った。……クロード・ロウズナ、お前には分からないだろうね。本物の想いは、大きな原動力となるんだよ」
2人は東の方角を――エリナス邸がある方角を眺め、揃って穏やかに頬を緩める。
だが――。顔がこちらに向き直ると、その表情は一変する。
例えるなら、鋭い氷柱。
たまらずへたり込んでしまう程に、ぞっとする視線で射貫かれた。
「話を戻そうか。たった今説明したように、俺達は常時君を見ている。今後も、見ることができる」
「種明かしをした方法以外にも監視の手はあり、実際に、すでに某所に配置済みとなっている。要するに今後何を企んでも、全て筒抜けだ」
これは、ハッタリじゃない……。語気の強さで、分かる……。
僕は、何をやっても無駄……。コイツらからは……。逃げられない……。
「た、頼む……。頼むから、や、やめてくれ……!! そんな生活が続けば、気が狂ってしまう……!! お願いだ……っ!! 僕の周りからソイツらを消してくれ……! けっ、消してください…………っ!!」
「断る。君はクリステルの心と体に、大きな傷を負わせた男だ。容赦はしない」
「そっ、そんな………!! お願いします……っ!! そのままでは神経が衰弱して死んでしま――」
「クロードよ。それは、我々にとってはどうでもいい事。取るに足らないものだよ」
「いいか、クロード・ロウズナ。貴様が今後少しでクリステルに近づこうとしたなら、俺達は全力で以て攻撃を行う」
「逆に何もしないのであれば、こちらから何もすることはない。…………それを、よく覚えておくんだな」
ディオンと、エドガー。2人は冷たく見下ろしながら淡々と告げ、大勢の部下を連れて去ってしまった。
「ぁ、ぁぁ……。ぁぁぁぁぁ……」
そうしたら、その場にいるのは僕と数名の護衛だけになって……。
僕は……。その後――
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