お姉様、今度は貴方の恋人をもらいますわ。何でも奪っていく妹はそう言っていますが、その方は私の恋人ではありませんよ?

柚木ゆず

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第6話 初めての対面と、予想外の言葉 ニネット視点(1)

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「改めて、御足労感謝する。俺がニネットの婚約者となる男、エドモンだ。ニネットの両親であるのならば、やがては我が義父母となる存在。これからよい関係を築いてゆこうではないか」

 ネズレント家からのご挨拶が終わって、次はダーファルズ家が挨拶を行う番。今日もエドモン様は堂々としていらして、嫡男――次期伯爵家当主らしく、どっしりと構えて言葉を紡がれた。

「我が息子は非常に優秀で、それ故に求めるレベルも極めて高い。納得できる内外を持った女性は、どこにもいなかったのですよ」
「優秀が故の悩み、ですわね。あまりに別格で、人気があっても結婚には縁がないものと思っていましたが……。安心していますわ」

 そして続けてお父上であるジスラン様とマドレンヌ様が絶賛され、わたくしも何度も頷く。
 だって、全てが事実なんですもの。だから即座に同意をして、お父様とお母様も――あら? 2人は、頷かれていませんわね。どちらも呆然となって、固まってしまっていますわ。

(お父様お母様。どうされましたの?)
(ど、どうされた、だって……? お前は、なにも感じないのか……?)
(エドモン様、当主御夫妻……。あの言葉を聞いて、なにも思わないの……?)

 え? 3人の、言葉?

(ご立派な発言と態度、的を射たものだと、思っていますわよ? それがなにか……?)
(…………。なんでもない。今は、忘れてくれ……)
(そう感じているのなら、今は何を言っても無駄だものね……。この続きは、帰路の車内で――落ち着ける状況になってから、しましょう……)

 お父様とお母様はゲッソリされて、そんな状態はずっと継続。お茶を飲みながら6人でお喋りをした際も変化はなく、

「おっと、もう時間だな。ニネット、残念だが今日はここまでだ。次は、そうだな。新鮮さを求め、3日後にお前の屋敷でアフタヌーンティーでも行うか。その際は必ず、見る目のないバカ女は屋敷から出しておくようにな」
「まぁ、素敵ですわ……っ。ええっ、承知いたしましたわ。エドモン様、楽しみにしております……っ」

 こうした別れの際も、お父様達はこんな調子。すっかり生気をなくした状態で馬車に乗り込んで、あら。ようやく、血の気が戻りましたわ。

「…………ニネット。お前に、大事な話がある」

 そういえば途中で、『帰路で続きを』と口にしていましたわね。一体、なんのお話が出るのかしら?

「…………こんなことは、言いたくはないが……。言わせてもらうぞ……」
「どうしても言うべきだから、言わせてもらうわ……」
「え、ええ。何ですの? お父様お母様?」
「「…………エドモン様との、ご縁は……。解消するべきだ……(解消するべきよ……)」」

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