転生令嬢だと打ち明けたら、婚約破棄されました。なので復讐しようと思います。

柚木ゆず

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「脱獄だ! サーシャ・ミラノが脱獄したぞ!!」
「なんだとっ!? 大至急魔法使いを――」
「呼んでも無意味ですし、呼ぶ暇はありませんよ。さようなら」

 私が静かに、右手を上げる。そうしただけで8人いた衛兵達は氷漬けになり、応援に駆け付けたその他の兵士も氷となりました。

「ひぃぃ……っ。た、たす、けて……」
「おれは、あんたになにもしていない……っ。たすけてくれ……!!」
「それは、うそ。皆さん私が拘束されている時、心ない言葉や石をぶつけましたよね? 同罪ですよ」

 腰を抜かしていた19人の身体を炎が覆い、あっという間に灰になってしまいました。

「だっ、ダメだっ! ジッとしていたら殺される!!」
「戦え! 戦うんだっ!!」
「あらあら、武器を構えて向かってくるんですね? だけどそれでも、貴方たちの未来は同じですよ」

 まるでお菓子を見つけた蟻のように、全方位から走り寄ってくる兵士たち。そんな彼らは私の一薙ぎで、身体が砂となって朽ちてしまいました。

「あの場にいた生き物は、全員死んでもらいますよ。一人も逃がしませんからね」

 私は邪魔な方々を消しながら前進し、ハルク様を探します。
 どこでしょう……? 私が今一番逢いたい方は、どこにいるのでしょう……?

「ここは……。違いますね」

 彼の部屋に、姿はありませんでした。ですのでとりあえず私物を砂にして、次をあたりましょう。

「こちらには……。あら。いらっしゃいませんね」

 彼がよく足を運んでいた、城内にある図書館。そこにもいませんでした。

「ここは、暴風で切り裂いて……。次はどうしましょうか……?」

 手当たり次第探してもいいのですが、そうすると大なり小なり疲れてしまいます。できれば次で、見つけたいですね。

「ハルク様は一体、どこにいらっしゃるんでしょうね……? もしかして…………どこかにお出かけなのでしょうか?」

 これでも私は『復讐はいけない事』だと己に言い聞かせ続け、こうなるまでに三日ほど経過しています。この時間彼に予定はなかったはずなのですが、急に入ったのかもしれませんね。

「でしたら…………王様にお聞きするのが、最も効率がいいですね。あの方も私に色々としてくれましたから、そのお礼も兼ねて伺いましょう」

 王が暮らす『王の間』は、丁度この近く。私は引き続き牙を剥いてくる方々の命を狩りながら、ゆっくりと向かったのでした。
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