転生令嬢だと打ち明けたら、婚約破棄されました。なので復讐しようと思います。

柚木ゆず

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「わ、悪いのは、ハルク……。息子だ……。俺は見逃してくれ……!」

 歯向かってくる方々を、五十人ほど灰にしたでしょうか。手間を取られたものの無事王の間にたどり着くと、この城の主は玉座の前で両手を組んでいました。

「アイツは俺が責任を持って処す! 斬首刑でも絞首刑でも、お前が望むやり方で始末するっ! だから見逃してくれっっ!!」
「私は、そんな刑に興味はありません。私はこの手で、ハルク様を壊したいんですよ」

 代わりに殺害だなんて、もってのほか。邪魔すると、許しませんからね?

「わっ、分かった! 分かったっっ!! すまなかったっっ!!」
「分かれば、いいのですよ。それで、国王様。ハルク様は今現在、どちらにいらっしゃるのですか?」
「あっ、アイツは『エーデル家』の屋敷に向かっている――向かっていますっ。じ、実は……。その、ですね……」
「はい? なんでしょう?」

 酷く、言いにくそうにしていらっしゃいますね。どうされたのでしょうか?

「息子は……一昨日…………そこの娘に…………一目惚れしまして……。その……。会いにいこうと、しているのでございます……」
「ああ、そうなのですね。一目惚れ」

 破棄してすぐ、妻探しをしていたのですね。
 あんなに『愛してる』と言ってくださっていたのに、興味がなくなるとすぐにこれ。ハルク様は本当に、お茶目な方です。

「三十分ほど前に発ったばかりなので、充分に追いつけるはずです。ただちに馬車を手配いたしますねっっ!」
「いえ、結構です。飛行魔法を使えば、すぐ追いつけますからね」

 私の魔法は、お馬さんの4倍もの速度が出るんです。エーデル家は確か、ここからそこそこ離れていますから……。間違いなく、あちらに到着する前に逢えますね。

「王様。情報のご提供、ありがとうございました。感謝いたします」
「とっ、とんでもございませんっ! あ、あの、ですねっ!」
「……? どうしましたか?」
「今俺はお役に立ち、今後も引き続きお役に立てるよう努めますっ。ですので――」
「はい。ご褒美として、楽に死なせてあげますよ」

 私がふぅと息を吹くと、彼の身体は一瞬にして消し飛びました。
 恐らく王は、自分が死んだことにすら気付いていないと思います。彼も私を『悪女』と罵り叩くなどして腹が立っていましたが、ハルク様の居場所を教えてくださいましたからね。お礼として、こうしてあげました。

「……さて、と。エーデル家を目指したという事は、北ですね」

 まずは魔法で壁に大穴を開け、方向を確認。太陽の位置で方向を見極め、飛行魔術を纏って外へと飛び出したのでした。
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