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第6話 気が付くと ソリーヌ視点(4)
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「ろーばるん、さま……?」
「……今、なんでもする、と言いましたね?」
え……?
「何でもする、そう言いましたよね?」
「はっ、はい! 言いました! 言いました!!」
「ですよね? では、こうしましょう。これから口にするお願いを聞いてくれたのであれば、この剣は引く。改心するまでこの場所で軟禁する、に変更しましょう」
!!
たす、かる……?
「ほ、ほんとう、ですか……? うそ、ではありません、よね……?」
「ええ本当ですよ、嘘ではありません。この状況下で嘘を吐く意味はありませんし」
それも、そう。
と、いうことは……………………。
やった!!
死なずに済む!!
「お教えください!! わたくしは何をすればよいのでしょうか!?」
「乗る気、なのですね? 貴方へのお願いは――」
ローバルン様からご説明を受け、それは信じられないくらいに――おもわずポカンとなるくらいに、簡単なことだった。
「そ、それだけで、いいのですか……?」
「はい。いかがなさいますか?」
「勿論やらせていただきます!!」
大急ぎで指示に従って、抜かりないようにしっかりやって! ローバルン様からのお願いは、10分くらいで終わった!!
「ど、どうでしょうか……?」
「………………良いと思いますよ」
よかった……! 満足していただけた……!!
「で、では……。その剣は……」
「約束しましたからね、引きますよ。……これを片づけてくれ」
ローバルン様の手にあったものは再び男へと渡り、冷たい輝きを放っていた剣は鞘に収まった。
「念のためウチの監視をつけはしますが、それ以外は何もしませんよ。それも、約束でしたからね」
「ありがとうございます……! ありがとうございます……!!」
生きていられるなんて、夢みたい。唯一自由に動かせる首から上を何度も上下に動かし、感謝の気持ちをお伝えした。
「このご恩は一生忘れません……!! 絶対に心を入れ替えます……!」
「そうなると、いいですね? それでは僕は去りましょう」
「お見送りをさせていただきます」
嘘じゃ、ない。ひっかけ、でもない。
ローバルン様は間違いなく、お父様と共に部屋を出ていって――
わたくしは、『生』を勝ち取ったのだった……!!
「……今、なんでもする、と言いましたね?」
え……?
「何でもする、そう言いましたよね?」
「はっ、はい! 言いました! 言いました!!」
「ですよね? では、こうしましょう。これから口にするお願いを聞いてくれたのであれば、この剣は引く。改心するまでこの場所で軟禁する、に変更しましょう」
!!
たす、かる……?
「ほ、ほんとう、ですか……? うそ、ではありません、よね……?」
「ええ本当ですよ、嘘ではありません。この状況下で嘘を吐く意味はありませんし」
それも、そう。
と、いうことは……………………。
やった!!
死なずに済む!!
「お教えください!! わたくしは何をすればよいのでしょうか!?」
「乗る気、なのですね? 貴方へのお願いは――」
ローバルン様からご説明を受け、それは信じられないくらいに――おもわずポカンとなるくらいに、簡単なことだった。
「そ、それだけで、いいのですか……?」
「はい。いかがなさいますか?」
「勿論やらせていただきます!!」
大急ぎで指示に従って、抜かりないようにしっかりやって! ローバルン様からのお願いは、10分くらいで終わった!!
「ど、どうでしょうか……?」
「………………良いと思いますよ」
よかった……! 満足していただけた……!!
「で、では……。その剣は……」
「約束しましたからね、引きますよ。……これを片づけてくれ」
ローバルン様の手にあったものは再び男へと渡り、冷たい輝きを放っていた剣は鞘に収まった。
「念のためウチの監視をつけはしますが、それ以外は何もしませんよ。それも、約束でしたからね」
「ありがとうございます……! ありがとうございます……!!」
生きていられるなんて、夢みたい。唯一自由に動かせる首から上を何度も上下に動かし、感謝の気持ちをお伝えした。
「このご恩は一生忘れません……!! 絶対に心を入れ替えます……!」
「そうなると、いいですね? それでは僕は去りましょう」
「お見送りをさせていただきます」
嘘じゃ、ない。ひっかけ、でもない。
ローバルン様は間違いなく、お父様と共に部屋を出ていって――
わたくしは、『生』を勝ち取ったのだった……!!
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