9年ぶりに再会した幼馴染に「幸せに暮らしています」と伝えたら、突然怒り出しました

柚木ゆず

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第8話 その後のソリーヌ 俯瞰視点(3)

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「……これは、ゆめ……? 痛みがあるから夢じゃない! 現実ですわ!! ぁぁお父様! お父様っ!! ソリーヌはお会いしとうございました!!」
「……………………」

 目的地に到着しソリーヌと再会したルーカッソは、部屋に入るや言葉を失ってしまいました。
 なぜなら――

 顔面蒼白で両目は充血。
 胸の前で組まれている手は激しく震え、感激のあまり足元に黄色い水たまりができる。

 ――2日振りに目にした娘は、別人のような姿であり状態となっていたからです。

「……本当に……。ソリーヌ、なのだな……?」
「もちろんでございますわ! わたくしはソリーヌ! お父様の唯一の娘ですわ!」
「そ、そうに決まっている、な……」
「わざわざの御足労感謝いたしますわ!! これからする――いえさせていただくお話はっ、お父様以外には絶対に聞かれたくないんです!! お願いします!! 絶対に誰にも聞かれないようにしてください! お願いします!!」
「わ、分かった。そうしよう……」

 悪意も他意もない。そう一瞬で理解できるほどにソリーヌの目と声音は必死で、ルーカッソは戸惑いながらも人払いを行いました。

「お父様! ドアの近くに居たら話し声が聞こえてしまうかもしれません! お手数ですが確認をしてくださいまし! どうかっ、どうか! 最低でも10メートは離れるように指示を出してください!! お願い致します!」
「……なぜ、そこまで警戒するのだ……?」
「理由は、そのっ、お伝え出来ません! お伝え出来ないとしていただけないのでしょうかっ!? 無理なのでしょうか!?」
「い、いや、そういうことはないが……。いいだろう。指示を出す」

 泣き叫びながら訴えられたためノータッチで更なる人払いを行い、引き続き戸惑いながら娘へと向き直りました。

「お前の希望通りにしたぞ。わたしを呼んだ理由はなんなのだ?」
「はっ、はい! 言わせていただきます! お父様!!」

 ソリーヌは驚くほど真っ白になった手を改めて胸の前で組み直し、ラオンが言ったように極寒にいるかの如くブルブルと震えながら――

「わたくしを孤児院のスタッフとして働かせてください! できるだけこの地から――ファザーナ農園から離れた場所にある孤児院で!!」

 ――ルーカッソが予想だにしなかったことを、口にしたのでした。

「孤児院のスタッフ!?」((この様子、軟禁を逃れようとはしていない……。ソリーヌはなぜ、そんなことを急に言い出した……!?))

 謎の発言。その発端は、深夜まで遡り――


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