隣にある古い空き家に引っ越してきた人達は、10年前に縁を切った家族でした

柚木ゆず

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第12話 ピリオド ジュリエット視点(1)

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「………………」
「………………」
「………………」
「僕達がなぜ生きているか、不思議でたまらないのでしょう? 事細かに教えて差し上げますよ」

 夢を見ていると思っているのでしょう。元お父様とお母様と妹は何度も何度も自分の頬を抓っていて、そんな3人の前に2人の男性が現れました。

「僕はジュリエットちゃんに恩返しをすると誓い、その中のひとつに『心身を守る』がありました。どんな事態が起きてもそうあれるように、お二人――お二人だけではなく二十人以上の方々が、家であり僕達の周囲で目を光らせてくれているんですよ」
「に、にじゅう以上……!? 貴族張り――当時の私以上ではないか……!? 料理人の見習い風情だったお前が、どうやって……」
「仰る通り、僕にはここまでの守りを固める力はありません。ですから、とある方々にご協力をいただいているのですよ」

 有名なリストランテは性質上、様々な意味で『力のある』人が訪れる。ガスパールくんの腕に惚れ支援をしてくださっている皆様はそんな方々で、仕事に集中できるように――という名目で、その道のプロフェッショナルさんを貸していただいているんです。
 ちなみにその中にはお医者様もいらっしゃっていて、怪我や病気にすぐ対応していただくことも可能となっています。

「ですからお三方の悪だくみは、全て筒抜け。僕への尾行も夜中にあった鍵穴の件も情報が届いており、襲いに来るであろう場所でお二人に待ち構えていただいていたのですよ」
「……そう、いう…………ことか……。ずっと、踊らされていた……」
「そうですね、捕らえるチャンスは何度もありました。ただ鍵の複製の罪は比較的軽く、あの時点で捕らえると数年で出てきてしまいます。そこで敢えて泳がせて、出てこれないようにしたのですよ」

 一家3人の殺害計画。赤の他人の家の合鍵作製。侵入の準備。実行犯の手配。元お父様達の性格なら、口封じの準備もしているでしょう。
 それらが合わされば、生きている間は外の空気を吸えなくなります。
 相変わらずな思考回路の持ち主達が、金輪際わたしの視界に入らないように。ガスパールくんは治安機関に連絡をして職員の方を呼び、証拠とするべく一部始終を陰から見ていただいていた――今も、見ていただいているのです。


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