隣にある古い空き家に引っ越してきた人達は、10年前に縁を切った家族でした

柚木ゆず

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第11話 裏側 俯瞰視点

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《俺は右をやる》
《オレは左をやる》

 アイコンタクトで意思疎通を行い、寝室に侵入。トムアとケビンは慣れた手つきで部屋に入り込み、闇に慣らした目を活かして真っ暗な寝室の中を進んでいきます。

《やるぞ》
《やるぞ》

 2人は足音を立てずにベッドに忍び寄り、ナイフを握っている手を振り上げ――

「ようこそ、歓迎するぜ?」
「まあゆっくりしていってくれよ」

 ――振り下ろそうとした瞬間でした。ベッドの中から屈強な男が2人飛び出し、

「な――ぐあ!?」
「っ!? がは!?」

 トムアとケビンは一瞬にして組み伏せられてしまったのでした。

「残念だったな。お前達が狙っていた方々は、ここにはいないぜ?」
「おあいにく今晩この時間は、俺達に寝室になってるんだよな」
「な……!? 誰だ、お前らは……?」
「何者だ……!? なんなんだ――ぐあ!?」
「お前らに質問をする資格はない。お前らが許されているのは、俺達の質問に答える、ただそれだけだ」

 ケビンは頭を乱暴に抑えつけられ、トムアもまた床に顔面を押し付けられました。

「お前らが自分の意思で事を起こしていないのは知っている。雇い主を正確に答えろ」
「「おっ、教えたら見逃してく――があ!?」」
「見逃すわけないだろ。だがちゃんと特典はあるぞ。素直に吐けばこの場で痛い思いをせずに鉄格子の中に入れるぞ」

 そんなの特典じゃないじゃないか!!――。トムアとケビンはそう叫びたかったのですが、逆らえば酷い目に遭うという雰囲気をひしひしと感じていました。

「ターズン。レーラ。ネフール。の3人です」
「俺達はそれぞれ10万で雇われました。前金5万、成功後に5万もらう約束になっています」
「決行後はロッカーンズ公園の傍で落ち合うようになっています」

 そのため抵抗も黙秘は一切せず、あっさりと白状してしまいました。

「よし、言質はとった。ガスパール殿とジュリエット殿に連絡だな」
「コイツらは俺が見ておく。頼んだぞ」

 そうして片割れが別室で待機していた2人に対応完了の報告を行い、

「ありがとうございます。……ジュリエット、行こうか」
「ありがとうございました。そうね、行きましょうか」

 最後の仕上げを行うべく、3人のもとを目指したのでした。



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