隣にある古い空き家に引っ越してきた人達は、10年前に縁を切った家族でした

柚木ゆず

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エピローグ~元家族3人の場合~ 俯瞰視点

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「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」
「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」
「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」

 あの日から一年後。とある場所にあるとある牢屋の中では、3人の親子が同じ言葉を悲痛な面持ちで繰り返していました。

 ――懲役75年――。

 それがターズン達に下された判決で、それぞれ51、50、26歳。懲役を終える頃には126、125、101歳となっており、ネフールでさえも生きて出られる可能性は非常に低い。
 実質一生涯刑務所での生活が確定してしまい、3人は仲良く絶望のどん底に落とされてしまったのでした。

「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」
「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」
「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」

 あの時引っ越さなければ――。あの時工事現場に移動すると言わなければ――。
 リーリスとオルズに出会わなかった。
 殺害などを計画しなかった。
 捕まることはなかった。

 やり直したいと、涙を零しながら願います。

「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」
「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」
「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」

 オルズを売ろうとしなければ――。
 ルンダパーズ様から逃げる必要はなかった。
 身分や名前を捨てる必要はなかった。
 貴族として暮らせていた。

 やり直したいと、涙を零しながら願います。

「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」
「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」
「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」

 リーリスの苦言に耳を傾けていたら――。
 お金があんなにも減りはしなかった。
 慌てる羽目にはならなかった。
 広い屋敷で美味しいものを食べて楽し過ごせていた。

 やり直したいと、涙を零しながら願います。

「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」
「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」
「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」

「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」
「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」
「時間よ戻れ……。時間よ戻れ……。時間を戻れ……。時間よ戻れ……」

 月曜日も火曜日も水曜日も木曜日も金曜日も土曜日も日曜日も。朝も昼も夜も。
 毎日毎日願い続けますが、こんな願いが叶うはずはありません。

「うぁぁあああああああ……!!!」
「いやだぁああああああ……!!」
「いやあぁああああああ……!!」

 ターズンもレーラもネフールも。
 自分達だけが絶望の中にトポンと落ちてしまい、その中で死ぬまでもがき苦しむ羽目になってしまったのでした。
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