隣にある古い空き家に引っ越してきた人達は、10年前に縁を切った家族でした

柚木ゆず

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エピローグ~ガスパールの場合~ 俯瞰視点

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「ガスパールくん。貴方にまた助けられましたね」
「無事、有言実行をできた。大切な人を守れてよかったよ」

 かつてお世話になった人達が消えたあと。僕はジュリエットちゃんと笑みを交わし――心の中で、一層の精進を誓った。

((生きていたら、こういうこともある。世の中には様々な危険な芽があって、次に何かあっても防げるように――。もっともっと、自分の価値を磨いていかないといけないな))

 ジュリエットちゃんのように、損得勘定抜きで動いてくれる人は滅多にいない。
 現在僕でありホライリースを支援してくださっている方々は、僕が『ガスパール』だから――腕の良い料理人だから、親切にしてくださっているだけ。もしも『オルズ』が助けてください! と言っても、決して手を貸してくれはしない。

 魅力を失ったら、簡単にそっぽを向かれてしまう。

 今貸していただいている守護の剣や盾は半永久的にあるものではなく、僕の生き方であり状況次第で一瞬にして喪失してしまうものなのだ。

 第二の人生は順風満帆?
 とんでもない。

 確かにこの船は風に乗って順調に進んでいるけれど、常に嵐に遭遇して沈没する可能性が付きまとっているんだ。
 一瞬でも油断してしまえば、終わってしまう。
 必ず、大切な人――であり大切な人達を守れる日常は、崩壊してしまう。
 そうならないように、走り続ける。
 もっともっと、加速していく。

「??? ガスパールくん? じっと見てどうしたの?」
「ううん、なんでもないよ。さ、戻ろうか」

 リーリス様、ジュリエットちゃんは、自分の一生を犠牲にして僕を助けてくれた。
 その恩もあるし、なにより僕自身が、ナイトでありたいと強く思っているから。

 今までも。
 これからも。

 笑顔だけを届けていくから。安心して、今の人生を楽しんでください。





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