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第4話 婚約破棄の直後に アンリエット視点(2)
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「ですから、その後の判断はこの場にいらっしゃる皆様にお任せしましょう」
アンリエット様が暴言を吐き暴力を振るったと感じた人は、ずっと思っていればいい。アンリエット様は濡れ衣を着せられたと感じた人は、ずっとそう思っていればいい。
ジョエル様はそんな風に口を動かされ、今度はご自身の胸元を軽く叩きました。
「繰り返しますが僕は最初から後者で、後ろめたいものは何もないと確信しています。ですのであの頃はできなかったことを、お相手がいなくなったこの機会に行います」
僅かの時間、お顔に自虐と後悔の感情が浮かんだあとでした。わたしとフェルナン様の間に立っていたジョエル様は、わたしの真ん前にいらっしゃいました。
「婚約を提案をさせていただきましたが、それは貴方の一存で決められるものではありませんよね。それに詳しくお話しさせて欲しいこともあります。ですので明日のお昼、正午過ぎに、アロメリス伯爵邸に伺ってもよろしいでしょうか?」
「…………は、はいっ。明日はお父様にもお母様にも用事はありませんっ。おっ、お願い致しますっ」
信じられないことが連続で起きて、頭が固まってしまっていました。わたしは大急ぎでお返事をさせていただきました。
「急な我がままをを受け入れてくださり、ありがとうございます。では明日、改めてお会い致しましょう」
「は、はい。お待ちしております」
そうして突如発生していた婚約破棄騒動にピリオドが打たれ、ジョエル様があのように振る舞ってくださったおかげで――
「…………そういえば、そうですわね」
「アロメリスさんがそんな方とは思えませんわ」
「タズアール様が仰っていたように、ご自身を良く見せるお芝居だと思っていましたが……。そうではないと、感じるようになっています」
「婚約を申し込んだってことは、相当自信があるんだよな」
「じゃないと、このタイミングで婚約なんてしないよな。俺はジョエルが正しいと思う」
「オレも、同じです。……ジョエル様の言い分ももっともだし…………フェルナン様も、騙されているのか……? とにかく、暴言と暴力は何かの勘違いでしょう」
――会場にいらっしゃる方の8割以上が、わたしにとって好意的なお考えを持つようになってくださいました。
『ええ、そうですねレリア。とても悪い記憶は、とても良い記憶で上書きしてもらえた。こんなに嬉しい、幸せなことはありません』
ですからわたしは馬車の中であのように話しをしていて、不安を微塵も感じず帰路についていたのでした。
アンリエット様が暴言を吐き暴力を振るったと感じた人は、ずっと思っていればいい。アンリエット様は濡れ衣を着せられたと感じた人は、ずっとそう思っていればいい。
ジョエル様はそんな風に口を動かされ、今度はご自身の胸元を軽く叩きました。
「繰り返しますが僕は最初から後者で、後ろめたいものは何もないと確信しています。ですのであの頃はできなかったことを、お相手がいなくなったこの機会に行います」
僅かの時間、お顔に自虐と後悔の感情が浮かんだあとでした。わたしとフェルナン様の間に立っていたジョエル様は、わたしの真ん前にいらっしゃいました。
「婚約を提案をさせていただきましたが、それは貴方の一存で決められるものではありませんよね。それに詳しくお話しさせて欲しいこともあります。ですので明日のお昼、正午過ぎに、アロメリス伯爵邸に伺ってもよろしいでしょうか?」
「…………は、はいっ。明日はお父様にもお母様にも用事はありませんっ。おっ、お願い致しますっ」
信じられないことが連続で起きて、頭が固まってしまっていました。わたしは大急ぎでお返事をさせていただきました。
「急な我がままをを受け入れてくださり、ありがとうございます。では明日、改めてお会い致しましょう」
「は、はい。お待ちしております」
そうして突如発生していた婚約破棄騒動にピリオドが打たれ、ジョエル様があのように振る舞ってくださったおかげで――
「…………そういえば、そうですわね」
「アロメリスさんがそんな方とは思えませんわ」
「タズアール様が仰っていたように、ご自身を良く見せるお芝居だと思っていましたが……。そうではないと、感じるようになっています」
「婚約を申し込んだってことは、相当自信があるんだよな」
「じゃないと、このタイミングで婚約なんてしないよな。俺はジョエルが正しいと思う」
「オレも、同じです。……ジョエル様の言い分ももっともだし…………フェルナン様も、騙されているのか……? とにかく、暴言と暴力は何かの勘違いでしょう」
――会場にいらっしゃる方の8割以上が、わたしにとって好意的なお考えを持つようになってくださいました。
『ええ、そうですねレリア。とても悪い記憶は、とても良い記憶で上書きしてもらえた。こんなに嬉しい、幸せなことはありません』
ですからわたしは馬車の中であのように話しをしていて、不安を微塵も感じず帰路についていたのでした。
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