17 / 27
第10話 そのあとのガエルと、ファスティーヌ 俯瞰視点
しおりを挟む
「リック。帰るぞ」
「は、はい。ガエル様」
1時間半ほど、ファスティーヌの私室に滞在した後のことでした。ガエルは従者が待つ馬車へと戻り、車が走り出すと満足げに笑みを浮かべました。
「ファスティーヌ様に、納得のいく説明をしていただけた。やはり、父上やお前の言う通りだった。洗脳云々は、考えすぎだったらしい」
「そうでございますか……っ。これでやっと、旦那様達との仲が戻りますね。……ただ……。次期会頭の件は……。納得は、されていませんよね……?」
「いや、そちらも納得したよ。経営に関する話などを聞いていたら、俺も一任するべきだと感じ始めた。今度改めてしっかりとそういった話を確認して、問題がなければ、父上と母上の方針に従うつもりだ」
はっはっは! 今日は訪ねてよかった! 有意義だった――。ガエルは満面の笑みを浮かべ、幸せそうに帰路を進んだのでした。
そして――
〇〇
「お疲れ様、ファスティーヌ。ようやく、邪魔者が片付いたな」
「ええ、お父様。これで、邪魔をする者はいなくなりましたわ」
レステラ邸内にある、広々とした食堂。そこでは軽快に、グラスがぶつかる音が聞こえていました。
念のために今回は、従者に不審がられないように対策を施してあります。そのため2人は成功を確信し、ワインで祝杯を挙げていたのです。
「結婚して商会のトップに立ち、じわじわとオーレン家の関係者を減らしてゆく」
「そうして自然な形で、中身ががらりと入れ替わる。我々レステラ家の支配の完成だっ!」
そうなれば、金の移動も思うがまま。バレないよう懐に入れることも、容易です。
「ふふふふふっ。わたくし達は金の生る木を手に入れましたわ……!」
「ああっ! 日常は一変するぞっ!」
そのため親子は大喜びで、確かにその通りでした――。
父ロレンスの言う通り、やがて2人の日常は一変することになります。
ただし、悪い方向に――。
「は、はい。ガエル様」
1時間半ほど、ファスティーヌの私室に滞在した後のことでした。ガエルは従者が待つ馬車へと戻り、車が走り出すと満足げに笑みを浮かべました。
「ファスティーヌ様に、納得のいく説明をしていただけた。やはり、父上やお前の言う通りだった。洗脳云々は、考えすぎだったらしい」
「そうでございますか……っ。これでやっと、旦那様達との仲が戻りますね。……ただ……。次期会頭の件は……。納得は、されていませんよね……?」
「いや、そちらも納得したよ。経営に関する話などを聞いていたら、俺も一任するべきだと感じ始めた。今度改めてしっかりとそういった話を確認して、問題がなければ、父上と母上の方針に従うつもりだ」
はっはっは! 今日は訪ねてよかった! 有意義だった――。ガエルは満面の笑みを浮かべ、幸せそうに帰路を進んだのでした。
そして――
〇〇
「お疲れ様、ファスティーヌ。ようやく、邪魔者が片付いたな」
「ええ、お父様。これで、邪魔をする者はいなくなりましたわ」
レステラ邸内にある、広々とした食堂。そこでは軽快に、グラスがぶつかる音が聞こえていました。
念のために今回は、従者に不審がられないように対策を施してあります。そのため2人は成功を確信し、ワインで祝杯を挙げていたのです。
「結婚して商会のトップに立ち、じわじわとオーレン家の関係者を減らしてゆく」
「そうして自然な形で、中身ががらりと入れ替わる。我々レステラ家の支配の完成だっ!」
そうなれば、金の移動も思うがまま。バレないよう懐に入れることも、容易です。
「ふふふふふっ。わたくし達は金の生る木を手に入れましたわ……!」
「ああっ! 日常は一変するぞっ!」
そのため親子は大喜びで、確かにその通りでした――。
父ロレンスの言う通り、やがて2人の日常は一変することになります。
ただし、悪い方向に――。
99
あなたにおすすめの小説
はじめまして婚約者様 婚約解消はそちらからお願いします
蒼あかり
恋愛
リサには産まれた時からの婚約者タイラーがいる。祖父たちの願いで実現したこの婚約だが、十六になるまで一度も会ったことが無い。出した手紙にも、一度として返事が来たことも無い。それでもリサは手紙を出し続けた。そんな時、タイラーの祖父が亡くなり、この婚約を解消しようと模索するのだが......。
すぐに読める短編です。暇つぶしにどうぞ。
※恋愛色は強くないですが、カテゴリーがわかりませんでした。ごめんなさい。
妹が最優先という事で婚約破棄なさいましたよね? 復縁なんてお断りよッ!!
百谷シカ
恋愛
私の婚約者クライトン伯爵エグバート卿は善良で優しい人。
末っ子で甘えん坊の私には、うってつけの年上の彼。
だけど、あの人いつもいつもいつもいつも……なんかもうエンドレスに妹たちの世話をやいている。
そしてついに、言われたのだ。
「妹の結婚が先だ。それが嫌なら君との婚約は破棄させてもらう」
そして破談になった私に、メイスフィールド伯爵から救いの手が差し伸べられた。
次々と舞い込んでくる求婚話。
そんな中、妹の結婚が片付いたと言ってエグバート卿が復縁をもちかけてきた。
「嘘でしょ? 本気?」
私は、愛のない結婚なんてしないわよ?
======================================
☆読者様の御親切に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
ご心配頂きました件について『お礼とご報告』を近況ボードにてお伝えさせて頂きます。
引き続きお楽しみ頂けましたら幸いです♡ (百谷シカ・拝)
婚約破棄されてしまいましたが、全然辛くも悲しくもなくむしろスッキリした件
瑞多美音
恋愛
真面目にコツコツ働き家計を支えていたマイラ……しかし、突然の婚約破棄。そしてその婚約者のとなりには妹の姿が……
婚約破棄されたことで色々と吹っ切れたマイラとちょっとしたざまぁのお話。
【完結】私の婚約者の、自称健康な幼なじみ。
❄️冬は つとめて
恋愛
「ルミナス、すまない。カノンが…… 」
「大丈夫ですの? カノン様は。」
「本当にすまない。ルミナス。」
ルミナスの婚約者のオスカー伯爵令息は、何時ものようにすまなそうな顔をして彼女に謝った。
「お兄様、ゴホッゴホッ! ルミナス様、ゴホッ! さあ、遊園地に行きましょ、ゴボッ!! 」
カノンは血を吐いた。
双子の妹は私に面倒事だけを押し付けて婚約者と会っていた
今川幸乃
恋愛
レーナとシェリーは瓜二つの双子。
二人は入れ替わっても周囲に気づかれないぐらいにそっくりだった。
それを利用してシェリーは学問の手習いなど面倒事があると「外せない用事がある」とレーナに入れ替わっては面倒事を押し付けていた。
しぶしぶそれを受け入れていたレーナだが、ある時婚約者のテッドと話していると会話がかみ合わないことに気づく。
調べてみるとどうもシェリーがレーナに成りすましてテッドと会っているようで、テッドもそれに気づいていないようだった。
私を家から追い出した妹達は、これから後悔するようです
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私サフィラよりも、妹エイダの方が優秀だった。
それは全て私の力によるものだけど、そのことを知っているのにエイダは姉に迷惑していると言い広めていく。
婚約者のヴァン王子はエイダの発言を信じて、私は婚約破棄を言い渡されてしまう。
その後、エイダは私の力が必要ないと思い込んでいるようで、私を家から追い出す。
これから元家族やヴァンは後悔するけど、私には関係ありません。
妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った
ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。
昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。
しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。
両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。
「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」
父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた
ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。
だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。
永遠の誓いをあなたに ~何でも欲しがる妹がすべてを失ってからわたしが溺愛されるまで~
畔本グラヤノン
恋愛
両親に愛される妹エイミィと愛されない姉ジェシカ。ジェシカはひょんなことで公爵令息のオーウェンと知り合い、周囲から婚約を噂されるようになる。ある日ジェシカはオーウェンに王族の出席する式典に招待されるが、ジェシカの代わりに式典に出ることを目論んだエイミィは邪魔なジェシカを消そうと考えるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる