最後のチャンス~殿下、その選択でよろしいのですね?~

柚木ゆず

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第6話 反撃ののろし ? ナタン視点

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「分かった、分かった! ならばそうするといい! これが事実が間違いなのかっ、その身で理解するといいさ!!」

 酷い判断をしやがった上に、一切返事をしない4バカ。父上、母上、カイン、ルーラを、順に鋭く指さした。

「俺がいなくなってある程度すればこの国はあらゆる面で下降線をたどり、やがて民からは『カインは王太子に相応しくない』『ナタン殿下こそが相応しかった』という声が上がるようになる!!」

 もちろんこれは、強がりじゃない。ちゃんとした根拠があるものだ。

 ――俺は頭脳も対応力も100点満点――。
 ――カインは頭脳も対応力も、せいぜい60点――。

 これまでの言動から客観的に判断をしていて、俺達の間にはこれほどまでの差があると確定している。
 40。この差はあまりにも大きく、まあ、ルーラや周囲のサポートによって最初はそれなりに上手く振る舞えるだろう。だが次第にほころびが生じはじめ、やがては崩れ落ちていってしまうのだ。確実に、な。

「だがお前達は優秀な人材を手放してしまっていて、カインで進むしかない。つまりお前達を――この国を待っているのは、衰退。崩壊の始まりだ」
「「「「……………………」」」」
「はははっ。そうなれば、色々な問題が起きるだろうなぁ」

 内輪での争いや、クーデターなどなど。いずれはこんな、おもしろいこと・・・・・・・が待っているだろう。

「俺はそんな様子を、ランドネ―ルアから見守らせてもらう。王太子カインと王太子妃ルーラによる悲劇――いや、喜劇を楽しませてもらうさ」
「「「「……………………」」」」
「お前達はどうせ、起りはしないと思っているんだろう? なら、そう思っているといいさ。いずれはっきりと、答えが出るんだからな」

 俺の読みでは、10年。そこまでにそっちに都合が悪いことが複数起き始め、その前後を切っ掛けにして急激に動き始める。

「さっきも言ったように俺は隣国にも近い、とっても安全な場所で眺めさせてもらう。……では皆様、わたくしはこれにして失礼致します」

 こうしておいた方が、のちのち大きな追い打ちとなるからな。俺は慇懃無礼に礼を行い、口角を吊り上げながら王の間から連れ出されたのだった――。



 父上、母上、カイン、ルーラ。ひとりだけじゃ倒れないぞ?
 これから待っているのは、共倒れだ。

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