15 / 20
第5話 何度めだかの予想外 ナタン視点(2)
しおりを挟む
「はっ、離せ!! なにをするっ! おっ、俺をどうするつもりだ!!」
「……ナタン。お前をこれより、『ランドネ―ルア』へと連れてゆく」
声を荒らげる俺に向けられたのは、聞き間違いかと思わずにはいられない言葉だった。
ランドネ―ルアだって!? そこはこの国の、辺境の中の辺境! 農業が盛んということしか取り柄がない、ゴミみたいな場所じゃないか!!
「お前はその地にて汗水を流し、自身が軽んじてきたものの大変さ、重要さ、尊さを理解するといい」(もしも理解できたのならば、新たな道も拓けるだろうが――。可能性は、0だろうな)
「父上っ、なにをブツブツ言って――それはいいっ、今はどうでもいいんだ!! この俺にっ! 偉大なる王家の血が流れるこの俺にっ、そのような下級な民が行う労働をさせるというのですか!?」
「………………。そうだな、さきの言から『偉大なる』『下級な民』を除いたことをさせる。お前から王族に関する資格権利すべてを剥奪し、労働を課す」
「っ、冗談じゃない!! 確かに俺は父上達が思うような回答をできなかったもののっ、悪事は働いていません!!」
ルーラに関することで、ちょっと偽装を考えただけ。しかも、実際に危害を加えてはいないんだぞ!?
「ならば何かしらの地位をっ、ある程度の爵位を得る資格があります!! 父上っ! お考え直しを!!」
「ナタン、考え直すつもりはない。そのチャンスは、お前が自ら潰してしまったのだからな」
………………。
単なる『不合格』であるなら、いくつか選択肢を用意していたらしい……。だがルーラの責任を捏造したこと、そして一切躊躇わなかったことによって……。
この処遇を、確定させていた……。
「ちっ、父上! 母上っ! お願いしますっ! 俺に最後のチャンスをください!! 必ずや心を入れ替えてみせますのでチャンスをください!!」
「…………」「…………」
「カインっ、ルーラっ! お前達からも頼んでくれっ! 確かに俺は悪いところばかりだったかもしれないが、ちゃんと良いところもあっただろう!? さあっ、それを父上と母上に伝えてくれ!!」
「…………お断りします」「…………お断りさせていただきます」
だ、駄目だ……。父上も母上もカインもルーラも――周りにいる、宰相や大臣たちもっ。聞く耳を持たず……。
あ、ぁあああ! 理不尽な連行が始まってしまった……!
「まてっ、やめろ!! お前達は全員が最悪の判断をしてしまっているんだ!! 俺はこの国の『中枢』に必要な優秀な人間なんだ!! この国を想うなら今すぐやめろ!! 考え直せ!!」
「「「「……………………」」」」
「俺が欠けたら、この国は多くのダメージを受けてしまうんだぞ!? それでもいいのかっ!?」
「「「「……………………」」」」
いくら訴えても、ヤツらは誰一人として返事をしない。
…………そう、かよ。だったら……!!
「……ナタン。お前をこれより、『ランドネ―ルア』へと連れてゆく」
声を荒らげる俺に向けられたのは、聞き間違いかと思わずにはいられない言葉だった。
ランドネ―ルアだって!? そこはこの国の、辺境の中の辺境! 農業が盛んということしか取り柄がない、ゴミみたいな場所じゃないか!!
「お前はその地にて汗水を流し、自身が軽んじてきたものの大変さ、重要さ、尊さを理解するといい」(もしも理解できたのならば、新たな道も拓けるだろうが――。可能性は、0だろうな)
「父上っ、なにをブツブツ言って――それはいいっ、今はどうでもいいんだ!! この俺にっ! 偉大なる王家の血が流れるこの俺にっ、そのような下級な民が行う労働をさせるというのですか!?」
「………………。そうだな、さきの言から『偉大なる』『下級な民』を除いたことをさせる。お前から王族に関する資格権利すべてを剥奪し、労働を課す」
「っ、冗談じゃない!! 確かに俺は父上達が思うような回答をできなかったもののっ、悪事は働いていません!!」
ルーラに関することで、ちょっと偽装を考えただけ。しかも、実際に危害を加えてはいないんだぞ!?
「ならば何かしらの地位をっ、ある程度の爵位を得る資格があります!! 父上っ! お考え直しを!!」
「ナタン、考え直すつもりはない。そのチャンスは、お前が自ら潰してしまったのだからな」
………………。
単なる『不合格』であるなら、いくつか選択肢を用意していたらしい……。だがルーラの責任を捏造したこと、そして一切躊躇わなかったことによって……。
この処遇を、確定させていた……。
「ちっ、父上! 母上っ! お願いしますっ! 俺に最後のチャンスをください!! 必ずや心を入れ替えてみせますのでチャンスをください!!」
「…………」「…………」
「カインっ、ルーラっ! お前達からも頼んでくれっ! 確かに俺は悪いところばかりだったかもしれないが、ちゃんと良いところもあっただろう!? さあっ、それを父上と母上に伝えてくれ!!」
「…………お断りします」「…………お断りさせていただきます」
だ、駄目だ……。父上も母上もカインもルーラも――周りにいる、宰相や大臣たちもっ。聞く耳を持たず……。
あ、ぁあああ! 理不尽な連行が始まってしまった……!
「まてっ、やめろ!! お前達は全員が最悪の判断をしてしまっているんだ!! 俺はこの国の『中枢』に必要な優秀な人間なんだ!! この国を想うなら今すぐやめろ!! 考え直せ!!」
「「「「……………………」」」」
「俺が欠けたら、この国は多くのダメージを受けてしまうんだぞ!? それでもいいのかっ!?」
「「「「……………………」」」」
いくら訴えても、ヤツらは誰一人として返事をしない。
…………そう、かよ。だったら……!!
15
あなたにおすすめの小説
差し出された毒杯
しろねこ。
恋愛
深い森の中。
一人のお姫様が王妃より毒杯を授けられる。
「あなたのその表情が見たかった」
毒を飲んだことにより、少女の顔は苦悶に満ちた表情となる。
王妃は少女の美しさが妬ましかった。
そこで命を落としたとされる少女を助けるは一人の王子。
スラリとした体型の美しい王子、ではなく、体格の良い少し脳筋気味な王子。
お供をするは、吊り目で小柄な見た目も中身も猫のように気まぐれな従者。
か○みよ、○がみ…ではないけれど、毒と美しさに翻弄される女性と立ち向かうお姫様なお話。
ハピエン大好き、自己満、ご都合主義な作者による作品です。
同名キャラで複数の作品を書いています。
立場やシチュエーションがちょっと違ったり、サブキャラがメインとなるストーリーをなどを書いています。
ところどころリンクもしています。
※小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿しています!
私ではありませんから
三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」
はじめて書いた婚約破棄もの。
カクヨムでも公開しています。
【完結】お父様の再婚相手は美人様
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
シャルルの父親が子連れと再婚した!
二人は美人親子で、当主であるシャルルをあざ笑う。
でもこの国では、美人だけではどうにもなりませんよ。
君のためだと言われても、少しも嬉しくありません
みみぢあん
恋愛
子爵家令嬢マリオンの婚約者アルフレッド卿が王族の護衛で隣国へ行くが、任期がながびき帰国できなくなり婚約を解消することになった。 すぐにノエル卿と2度目の婚約が決まったが、結婚を目前にして家庭の事情で2人は…… 暗い流れがつづきます。 ざまぁでスカッ… とされたい方には不向きのお話です。ご注意を😓
お飾りな妻は何を思う
湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。
彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。
次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。
そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。
【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~
暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」
高らかに宣言された婚約破棄の言葉。
ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。
でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか?
2021/7/18
HOTランキング1位 ありがとうございます。
2021/7/20
総合ランキング1位 ありがとうございます
貴方のことなんて愛していませんよ?~ハーレム要員だと思われていた私は、ただのビジネスライクな婚約者でした~
キョウキョウ
恋愛
妹、幼馴染、同級生など数多くの令嬢たちと愛し合っているランベルト王子は、私の婚約者だった。
ある日、ランベルト王子から婚約者の立場をとある令嬢に譲ってくれとお願いされた。
その令嬢とは、新しく増えた愛人のことである。
婚約破棄の手続きを進めて、私はランベルト王子の婚約者ではなくなった。
婚約者じゃなくなったので、これからは他人として振る舞います。
だから今後も、私のことを愛人の1人として扱ったり、頼ったりするのは止めて下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる