12 / 13
エピローグ ティナ・レテアニア視点(1)
しおりを挟む
「リエズン侯爵家のポール、ガーネット、バチスタ。くだんの3人の件、改めて感謝いたします」
リエズン様の再教育が完了した、翌日。陛下に報告を行い、労いのお言葉と新たなる勲章をいただいた後のことでした。わたくしは『優雅』と『落ち着き』が同居した空間におり、こういったお言葉と共に片膝立ちを――この国・オラスタでは最上級の謝意を示すものを、いただいていました。
目の前にいらっしゃる、『美』という概念が具現化したような男性。この方はこの部屋の持ち主であり、第二王子殿下であらせられるヴィクトール様。わたくしの婚約者様なのですわ。
「こうしてオラスタの真なる安定が保てているのは、貴方の存在があってこそ。ティナこそが我が国の要です」
ヴィクトール様は――陛下、王妃殿下、王太子殿下も立場上、今回のような行動は取れません。皆様はそういった部分を常日頃悔やまれており、そのため報告後はこうして多分なお言葉をくださるのです。
そして――
「ティナ。僕からの感謝の気持ちを、お受け取りください」
――紡ぎ終えて立ち上がられたヴィクトール様は、懐から正方形の箱を取り出し開かれます。
ロイヤルブルーの、小さなボックス。その中に入っていたのは、ダイヤモンドのリング。百合の花をあしらった、素敵な指輪が納まっていました。
「こちらは……。ヴィクト―ル様」
「ええ。貴方をイメージして、制作したものです」
デザインではなくて、制作。この方は毎回わたくしへのお礼を、手作りで行ってくださるのです。
「お三方の確保から報告まで、たった4日。その上ここ数日間は、特にお忙しいと仰られていましたのに。また、睡眠時間を削ってくださったのですね?」
「これくらいしないと、貴方へのお礼にはなりませんよ。むしろ足りないくらいです」
勲章や言葉だけでは、足りません。
もっと、感謝の気持ちを込められるものはないでしょうか……?
ヴィクトール様はそういったことを考えてくださっていて、こちらを思い付かれて。最初は、デザインのみをされていました。
けれどそれでもまだ足りないと仰られて、少ない自由時間を削って制作の技術であり知識を身につけてくださって。毎回お忙しい中をぬって、宝物となる物を作ってくださるようになったのですわ。
そうしてビクトール様は――
リエズン様の再教育が完了した、翌日。陛下に報告を行い、労いのお言葉と新たなる勲章をいただいた後のことでした。わたくしは『優雅』と『落ち着き』が同居した空間におり、こういったお言葉と共に片膝立ちを――この国・オラスタでは最上級の謝意を示すものを、いただいていました。
目の前にいらっしゃる、『美』という概念が具現化したような男性。この方はこの部屋の持ち主であり、第二王子殿下であらせられるヴィクトール様。わたくしの婚約者様なのですわ。
「こうしてオラスタの真なる安定が保てているのは、貴方の存在があってこそ。ティナこそが我が国の要です」
ヴィクトール様は――陛下、王妃殿下、王太子殿下も立場上、今回のような行動は取れません。皆様はそういった部分を常日頃悔やまれており、そのため報告後はこうして多分なお言葉をくださるのです。
そして――
「ティナ。僕からの感謝の気持ちを、お受け取りください」
――紡ぎ終えて立ち上がられたヴィクトール様は、懐から正方形の箱を取り出し開かれます。
ロイヤルブルーの、小さなボックス。その中に入っていたのは、ダイヤモンドのリング。百合の花をあしらった、素敵な指輪が納まっていました。
「こちらは……。ヴィクト―ル様」
「ええ。貴方をイメージして、制作したものです」
デザインではなくて、制作。この方は毎回わたくしへのお礼を、手作りで行ってくださるのです。
「お三方の確保から報告まで、たった4日。その上ここ数日間は、特にお忙しいと仰られていましたのに。また、睡眠時間を削ってくださったのですね?」
「これくらいしないと、貴方へのお礼にはなりませんよ。むしろ足りないくらいです」
勲章や言葉だけでは、足りません。
もっと、感謝の気持ちを込められるものはないでしょうか……?
ヴィクトール様はそういったことを考えてくださっていて、こちらを思い付かれて。最初は、デザインのみをされていました。
けれどそれでもまだ足りないと仰られて、少ない自由時間を削って制作の技術であり知識を身につけてくださって。毎回お忙しい中をぬって、宝物となる物を作ってくださるようになったのですわ。
そうしてビクトール様は――
238
あなたにおすすめの小説
王太子から婚約破棄……さぁ始まりました! 制限時間は1時間 皆様……今までの恨みを晴らす時です!
Ryo-k
恋愛
王太子が婚約破棄したので、1時間限定でボコボコにできるわ♪
……今までの鬱憤、晴らして差し上げましょう!!
【完結】どうぞお気遣いなく。婚約破棄はこちらから致しますので。婚約者の従姉妹がポンコツすぎて泣けてきます
との
恋愛
「一体何があったのかしら」
あったかって? ええ、ありましたとも。
婚約者のギルバートは従姉妹のサンドラと大の仲良し。
サンドラは乙女ゲームのヒロインとして、悪役令嬢の私にせっせと罪を着せようと日夜努力を重ねてる。
(えーっ、あれが噂の階段落ち?)
(マジか・・超期待してたのに)
想像以上のポンコツぶりに、なんだか気分が盛り下がってきそうですわ。
最後のお楽しみは、卒業パーティーの断罪&婚約破棄。
思いっきりやらせて頂きます。
ーーーーーー
天使のように愛らしい妹に婚約者を奪われましたが…彼女の悪行を、神様は見ていました。
coco
恋愛
我儘だけど、皆に愛される天使の様に愛らしい妹。
そんな彼女に、ついに婚約者まで奪われてしまった私は、神に祈りを捧げた─。
【完結】あなたが妹を選んだのです…後悔しても遅いですよ?
なか
恋愛
「ローザ!!お前との結婚は取り消しさせてもらう!!」
結婚式の前日に彼は大きな声でそう言った
「なぜでしょうか?ライアン様」
尋ねる私に彼は勝ち誇ったような笑みを浮かべ
私の妹マリアの名前を呼んだ
「ごめんなさいお姉様~」
「俺は真実の愛を見つけたのだ!」
真実の愛?
妹の大きな胸を見ながら言うあなたに説得力の欠片も
理性も感じられません
怒りで拳を握る
明日に控える結婚式がキャンセルとなればどれだけの方々に迷惑がかかるか
けど息を吐いて冷静さを取り戻す
落ち着いて
これでいい……ようやく終わるのだ
「本当によろしいのですね?」
私の問いかけに彼は頷く
では離縁いたしまししょう
後悔しても遅いですよ?
これは全てあなたが選んだ選択なのですから
双子の妹は私に面倒事だけを押し付けて婚約者と会っていた
今川幸乃
恋愛
レーナとシェリーは瓜二つの双子。
二人は入れ替わっても周囲に気づかれないぐらいにそっくりだった。
それを利用してシェリーは学問の手習いなど面倒事があると「外せない用事がある」とレーナに入れ替わっては面倒事を押し付けていた。
しぶしぶそれを受け入れていたレーナだが、ある時婚約者のテッドと話していると会話がかみ合わないことに気づく。
調べてみるとどうもシェリーがレーナに成りすましてテッドと会っているようで、テッドもそれに気づいていないようだった。
美しいと皆に称賛される姉により、虐げられてきましたが…運命は私に味方しました。
coco
恋愛
美しく綺麗だと称賛される姉。
そんな姉にこき使われ、虐げられる私。
しかし、ある出会いによってその状況は一変し─?
姉の代わりになど嫁ぎません!私は殿方との縁がなく地味で可哀相な女ではないのだから─。
coco
恋愛
殿方との縁がなく地味で可哀相な女。
お姉様は私の事をそう言うけど…あの、何か勘違いしてません?
私は、あなたの代わりになど嫁ぎませんので─。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる