無属性魔法しか使えない少年冒険者!!

藤城満定

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マズい事になりました。

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 ライザ村から二kmも歩いただろうか。
 【サーチ】と【ソナー】を使いながら進んでいたら、五百mくらい先にとんでもない数の反応があった。
 ゴブリンの集落だろう。
 数は…三百以上!?
 おまけに通常種よりも強い反応が六つあった。
 ゴブリンジェネラルかゴブリンキングだろう。ホブゴブリンやゴブリンナイト、ゴブリンアーチャーにゴブリンメイジもいるだろう。

「どうするっかなぁ…う~ん」

 ヒューブはゴブリンスレイヤーの称号持ちだから、キングやジェネラルがいても何の問題もなく討伐できるし、上位種や通常種のゴブリンが三百いようが四百いようが関係ない。
 問題なのは、「目立ちすぎる」事だ。
 集落を潰すだけなら簡単だが、それをしてしまうと色々と面倒な事になるのは想像に難くない。

「覗くだけにしておくかな」

 あくまでも偵察、斥候に努めるだけだと自分に言い聞かせて集落を見下ろせる高台に上がり、そっと覗き込むと…。

「お~お~。いるわいるわ。こりゃ凄えや」

 そこには簡素な家屋がズラッと建ち並び、食事の準備をしているゴブリンもいた。ここまでくると、最早集落というよりも「国」と言ったほうが正しいだろう。
 違う意味で感心していたら、ゴブリン共に動きだした。
 何があったのかと監視していたら、大きな家屋から一匹のキングと五匹のジェネラルが出てきた。キングは五mはあろうかという二本の大長剣を持っているし、ジェネラルは戦斧やモーニングスターなどを持っていた。それらが出てきて一声叫ぶと集落にいた全てのゴブリンが武器を手に取りどこかへ進軍し始めた。
 どこへいくのか…まあ、まずはライザ村だろう。そしてそのまま領都に侵攻するだろう。
 これはマズい。いや、マズいなんてもんじゃない。これはヤバい!!
 ヒューブは緊急事態を報せる信号弾を空に向けて三発撃った。
 赤色の信号弾を三発。
 これは緊急事態を遥かに超えた非常事態発生を報せるもので最長距離で十km離れていてもハッキリと視認できる。

「行かせるかよ!!」

 ヒューブは【マナバースト】をゴブリン軍の先頭にいる通常種のゴブリンや上位種であるホブゴブリンやナイト、アーチャー、メイジを狙ってブッ放した。するとまずは六十匹くらいが爆散した。手を休ませる事なく【マナバースト】を撃ち込み、二百八十匹くらいを討伐し終えると、魔法攻撃を一旦中止した。
 土煙で何も見えなくなったからというのもあるが、ここで殲滅してしまうとさっきも言ったとおり面倒事になるので、進軍を止めるだけに留めた。
 残りは八十匹くらいだが、キングとジェネラルは怪我もしていないので、雑魚ゴブリンがどれだけ減っても安心はできない。
 急いでライザ村に戻って避難を呼びかけないといけないし、ギルドからの応援や領軍の到着をまたなければならない。
 とにかく、「ここまでやりました」というアピールをする必要がある。
 集落の四方に【マナバースト】をブッ放して侵攻コースを潰したところで【ブースト】と【アクセル】を使って風のような速さで駆け出した。
 ライザ村には直ぐに着いた。
 防護柵の前には簡素な槍を構えた村人が5人いた。
 避難を呼びかけないといけない。
 急げ、急げ!!
 
「ゴブリンの集落は確かにあったぞ、直ぐにも大軍で攻めて来るぞっ!!」

 そう叫ぶと村人の顔から血の気が瞬時に消え失せた。
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