【完結】姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます

よどら文鳥

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第一章

11 子供にも優しい

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 出てきた料理は、パンとスープ、それからサラダにデザートとシンプルなものでした。

「美味しい! 美味しいです! こんなに美味しいパンを食べたことありません」

 外側はカリッと香ばしく、中はフワッとした食感で、パンなのに甘かったのです。

「喜んでもらえて良かったです。今日は特別に貸し切りにしてもらいましたが、普段は行列ができる店で入るのもこんなんですからね」

「ライカル様や陛下には大変お世話になっていますから。この店が繁盛するようになったのは主にライカル様が口コミで広げていただいたのがきっかけでしたので」
「私は美味しいものを美味しいと友人に教えただけだがな」
 そう言いながらにこりと笑ってスープを飲みます。

 なるほど。
 ライカル様が貴族の方々に教えたのでしょう。やはり貴族御用達のお店だったのですね。
 私はそう解釈しました。

 美味しいものはどんどん口に入っていきます。
 気がついたら完食でした。

「ご馳走様です。こんな美味しい食事初めてです」
「気に入ってもらえて良かったです。急かせて申し訳ないのですが、外で待たせている民衆達に悪いですから、そろそろ店を出ようかと思います」

 食べるのに夢中で全く気がつきませんでしたが、外を振り向いてみると、行列ができていました。

「ではマスター、また来るよ。今日はどうしてもとお願いさせていただいたが、次回からはいつもどおり並ぶよ」
「またのお越しをお待ちしてますので」

 外へ出ると、先頭で並んでいた親子連れの子供達がにこりと笑ってお辞儀をしてきました。

「あー、ライカルさまー。こんにちはー」
「らいかるさま、また、あそびにきてくらさい」
「フューちゃんとジョン君だったよね。良いよ、また一緒にボールあそびしようか」
「「わーーーい」」
 小さい子供達は大喜びで飛び跳ねていました。

「ライカル様、ありがとうございます。何もおもてなしはできませんが、子供達も大喜びですのでお願いいたします」
「えぇ、もちろんです。今度民衆も交えたお茶会を開催しますので、招待状を持っていく際にお邪魔します」
「楽しみにしています」

 会話から察すると、やはりこの家族は貴族家ではなさそうですね。
 オーブルジェ王国はどうやら、貴族家と民衆との差があまりないように思えます。
 そういう文化なのでしょうか。

 ともあれ、異文化の中で色々なことを知れました。
 ライカル様は子供達にも優しい。民衆に親しまれている。美味しい店を知っている。

 彼の良いところを沢山見てしまい、その魅力にどんどん吸い込まれていくようです。
 これが恋というものなのでしょうか。

「さてリリーナさん、この後はこの先にある公園へ行こうと思いますが、どうでしょうか?」
「はい! ついていきます」

 今日は私にとって、今まで生きていた中で一番充実して楽しい一日になりました。
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