【完結】姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます

よどら文鳥

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第一章

12 とんでもない提案

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「リリーナ嬢よ、ここでの暮らしは慣れてきたか?」
「はい。使用人の方々も含め皆様優しく、とても幸せです」

 王都の散策デートから数日経った夕食時のことです。
 ラウジャム様とライカル様、それから公爵婦人のラベンダー様の四人で食事に同席させていただいてます。

「あらあら、私は厳しいことで有名なのよ。鬼の公爵婦人とパーティーでは恐れられていますわよ? それでも優しいとでも?」
「はい! ラベンダー様の厳しいというのは道理が通った厳しさかと。故にそれは優しさだと私は思います」
「まぁ! そんなこと言われたのは初めてかしら……」

 ラベンダー様は満更でもない顔になってご機嫌のようです。
 別におだててはいません。
 間違いを直ぐに指摘したり、身嗜みや仕草に対して厳しいというだけであって、それは相手のことを思っての行為だと思いますから。
 ここに来て、私も何度かお叱りを受けましたが、それは私のことを想ってのことだとすぐに分かりました。
 むしろこれほど考えてくれるなんて嬉しいことです。

「リリーナ嬢が来てからというもの、我が家も更に明るくなった。更に息子ライカルも急激に仕事力が上がっておる。なんならずっとここにいてもいいのだぞ」

「あらあら、あなたったら私と同じ考えだったのね。ならば一層の事養子にしましょうか」

「そ……それは……」
 流石にそこまでのことはしていませんし、今の待遇でも十分すぎるほどありがたいのですが。

「何か不満だったか?」
「い……いえ、そういうわけではありませんが……あの……」

 こういう時に関して、私は言葉に詰まってしまう悪い癖があります。

 今までおもてなしなど滅多に経験していませんから、待遇をよくしていただいていると、何と言っていいのかわからなくなってしまうのです。

 モジモジと情けない態度をとっていると……。

「そうか! そうだよな! 確かに養子では不満だろう。リリーナ嬢の言いたいことは分かった」

 はい……?
 不満など全く思っていませんが。

「ライカルの婚約者になってくれないだろうか?」
「へ!?」
 驚きのあまり変な声が出てしまいました。
 ふと横を見ると、隣に座っているライカル様は顔が真っ赤です。
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