12 / 71
第一章
12 とんでもない提案
しおりを挟む
「リリーナ嬢よ、ここでの暮らしは慣れてきたか?」
「はい。使用人の方々も含め皆様優しく、とても幸せです」
王都の散策デートから数日経った夕食時のことです。
ラウジャム様とライカル様、それから公爵婦人のラベンダー様の四人で食事に同席させていただいてます。
「あらあら、私は厳しいことで有名なのよ。鬼の公爵婦人とパーティーでは恐れられていますわよ? それでも優しいとでも?」
「はい! ラベンダー様の厳しいというのは道理が通った厳しさかと。故にそれは優しさだと私は思います」
「まぁ! そんなこと言われたのは初めてかしら……」
ラベンダー様は満更でもない顔になってご機嫌のようです。
別におだててはいません。
間違いを直ぐに指摘したり、身嗜みや仕草に対して厳しいというだけであって、それは相手のことを思っての行為だと思いますから。
ここに来て、私も何度かお叱りを受けましたが、それは私のことを想ってのことだとすぐに分かりました。
むしろこれほど考えてくれるなんて嬉しいことです。
「リリーナ嬢が来てからというもの、我が家も更に明るくなった。更に息子ライカルも急激に仕事力が上がっておる。なんならずっとここにいてもいいのだぞ」
「あらあら、あなたったら私と同じ考えだったのね。ならば一層の事養子にしましょうか」
「そ……それは……」
流石にそこまでのことはしていませんし、今の待遇でも十分すぎるほどありがたいのですが。
「何か不満だったか?」
「い……いえ、そういうわけではありませんが……あの……」
こういう時に関して、私は言葉に詰まってしまう悪い癖があります。
今までおもてなしなど滅多に経験していませんから、待遇をよくしていただいていると、何と言っていいのかわからなくなってしまうのです。
モジモジと情けない態度をとっていると……。
「そうか! そうだよな! 確かに養子では不満だろう。リリーナ嬢の言いたいことは分かった」
はい……?
不満など全く思っていませんが。
「ライカルの婚約者になってくれないだろうか?」
「へ!?」
驚きのあまり変な声が出てしまいました。
ふと横を見ると、隣に座っているライカル様は顔が真っ赤です。
「はい。使用人の方々も含め皆様優しく、とても幸せです」
王都の散策デートから数日経った夕食時のことです。
ラウジャム様とライカル様、それから公爵婦人のラベンダー様の四人で食事に同席させていただいてます。
「あらあら、私は厳しいことで有名なのよ。鬼の公爵婦人とパーティーでは恐れられていますわよ? それでも優しいとでも?」
「はい! ラベンダー様の厳しいというのは道理が通った厳しさかと。故にそれは優しさだと私は思います」
「まぁ! そんなこと言われたのは初めてかしら……」
ラベンダー様は満更でもない顔になってご機嫌のようです。
別におだててはいません。
間違いを直ぐに指摘したり、身嗜みや仕草に対して厳しいというだけであって、それは相手のことを思っての行為だと思いますから。
ここに来て、私も何度かお叱りを受けましたが、それは私のことを想ってのことだとすぐに分かりました。
むしろこれほど考えてくれるなんて嬉しいことです。
「リリーナ嬢が来てからというもの、我が家も更に明るくなった。更に息子ライカルも急激に仕事力が上がっておる。なんならずっとここにいてもいいのだぞ」
「あらあら、あなたったら私と同じ考えだったのね。ならば一層の事養子にしましょうか」
「そ……それは……」
流石にそこまでのことはしていませんし、今の待遇でも十分すぎるほどありがたいのですが。
「何か不満だったか?」
「い……いえ、そういうわけではありませんが……あの……」
こういう時に関して、私は言葉に詰まってしまう悪い癖があります。
今までおもてなしなど滅多に経験していませんから、待遇をよくしていただいていると、何と言っていいのかわからなくなってしまうのです。
モジモジと情けない態度をとっていると……。
「そうか! そうだよな! 確かに養子では不満だろう。リリーナ嬢の言いたいことは分かった」
はい……?
不満など全く思っていませんが。
「ライカルの婚約者になってくれないだろうか?」
「へ!?」
驚きのあまり変な声が出てしまいました。
ふと横を見ると、隣に座っているライカル様は顔が真っ赤です。
77
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】記念日当日、婚約者に可愛くて病弱な義妹の方が大切だと告げられましたので
Rohdea
恋愛
昔から目つきが悪いことをコンプレックスにしている
伯爵令嬢のレティーシャ。
十回目のお見合いの失敗後、
ついに自分を受け入れてくれる相手、侯爵令息のジェロームと出逢って婚約。
これで幸せになれる───
……はずだった。
ジェロームとの出逢って三回目の記念日となる目前、“義妹”のステイシーが現れるまでは。
義妹が現れてからの彼の変貌振りにショックを受けて耐えられなくなったレティーシャは、
周囲の反対を押し切って婚約の解消を申し出るが、
ジェロームには拒否され挙句の果てにはバカにされてしまう。
周囲とジェロームを納得させるには、彼より上の男性を捕まえるしかない!
そう結論づけたレティーシャは、
公爵家の令息、エドゥアルトに目をつける。
……が、彼はなかなかの曲者で────……
※『結婚式当日、婚約者と姉に裏切られて惨めに捨てられた花嫁ですが』
こちらの話に出て来るヒーローの友人? 親友? エドゥアルトにも春を……
というお声を受けて彼の恋物語(?)となります。
★関連作品★
『誕生日当日、親友に裏切られて婚約破棄された勢いでヤケ酒をしましたら』
エドゥアルトはこちらの話にも登場してます!
逃走スマイルベビー・ジョシュアくんの登場もこっちです!(※4/5追記)
【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
甘やかされた欲しがり妹は~私の婚約者を奪おうとした妹が思わぬ展開に!
柚屋志宇
恋愛
「お姉様の婚約者ちょうだい!」欲しがり妹ルビーは、ついにサフィールの婚約者を欲しがった。
サフィールはコランダム子爵家の跡継ぎだったが、妹ルビーを溺愛する両親は、婚約者も跡継ぎの座もサフィールから奪いルビーに与えると言い出した。
サフィールは絶望したが、婚約者アルマンディンの助けでこの問題は国王に奏上され、サフィールとルビーの立場は大きく変わる。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
★2025/11/22:HOTランキング1位ありがとうございます。
妹に全部取られたけど、幸せ確定の私は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
恋愛
マリアはドレーク伯爵家の長女で、ドリアーク伯爵家のフリードと婚約していた。
だが、パーティ会場で一方的に婚約を解消させられる。
しかも新たな婚約者は妹のロゼ。
誰が見てもそれは陥れられた物である事は明らかだった。
だが、敢えて反論もせずにそのまま受け入れた。
それはマリアにとって実にどうでも良い事だったからだ。
主人公は何も「ざまぁ」はしません(正当性の主張はしますが)ですが...二人は。
婚約破棄をすれば、本来なら、こうなるのでは、そんな感じで書いてみました。
この作品は昔の方が良いという感想があったのでそのまま残し。
これに追加して書いていきます。
新しい作品では
①主人公の感情が薄い
②視点変更で読みずらい
というご指摘がありましたので、以上2点の修正はこちらでしながら書いてみます。
見比べて見るのも面白いかも知れません。
ご迷惑をお掛けいたしました
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
婚約破棄されたので、とりあえず王太子のことは忘れます!
パリパリかぷちーの
恋愛
クライネルト公爵令嬢のリーチュは、王太子ジークフリートから卒業パーティーで大勢の前で婚約破棄を告げられる。しかし、王太子妃教育から解放されることを喜ぶリーチュは全く意に介さず、むしろ祝杯をあげる始末。彼女は領地の離宮に引きこもり、趣味である薬草園作りに没頭する自由な日々を謳歌し始める。
婚約者の姉を婚約者にしろと言われたので独立します!
ユウ
恋愛
辺境伯爵次男のユーリには婚約者がいた。
侯爵令嬢の次女アイリスは才女と謡われる努力家で可愛い幼馴染であり、幼少の頃に婚約する事が決まっていた。
そんなある日、長女の婚約話が破談となり、そこで婚約者の入れ替えを命じられてしまうのだったが、婚約お披露目の場で姉との婚約破棄宣言をして、実家からも勘当され国外追放の身となる。
「国外追放となってもアイリス以外は要りません」
国王両陛下がいる中で堂々と婚約破棄宣言をして、アイリスを抱き寄せる。
両家から勘当された二人はそのまま国外追放となりながらも二人は真実の愛を貫き駆け落ちした二人だったが、その背後には意外な人物がいた
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる