【完結】姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます

よどら文鳥

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第一章

46 暴走

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 私とライカル様も、狙撃部隊の一員です。王宮の庭へ移動して、敵の到着を待ちましょうか。

 狙撃部隊の方々には、見えない場所に隠れてもらっています。私の合図で一斉に麻酔銃を打ち込むようにお願いしているのです。

 もしも王宮内で暴れられたり、敵に隠れられると厄介ですからね。
 ここで、しんちゃんことシンザーン殿下が話し合いをすることにしています。
 デインヒール陛下は安全な場所に避難してもらっているので。

「馬車の集団が来たわよ。リーナもライカルちゃんも危ないと思ったら逃げなさい」

 しんちゃんは心配そうに言ってくれています。

「それは私のセリフよ。話し合いは私でもよかったのに……」
 ゼオン前国王とは何度も話したことがあります。
 できれば速やかにお帰り願いたいところですが。

「ダメよ。今となっては国にとって一番大事なのはリーナよ。もしも何かあったら困るでしょ? それに、私はこんな口調でも、公の場としてしっかりともてなすつもりよ。……テキイガナケレバナ!」

 最後の一言だけが男前の口調で、尚且つ恐さを感じました。
 どうやら本心では相当怒っているのでしょうか。
 しんちゃんが怒ると明らかに危険なので、なるべく穏便に済ませたいですね。

 沢山の馬車が到着しました。
 二番目の馬車から出てきたのは……。

「リ……リリーナではないか! 何故ここに……」
「お久しぶりですねゼオン元国王様」

 ゼオン元国王はとても驚いているようです。
 国から追放されたのですから、私が向かう先はオーブルジェ王国もしくは距離はありますがもう一方の……。

「これはこれはようこそオーブルジェ王国へ、ゼオン殿。私はシンザーン=オーブルジェ第二王子である。早速失礼だがまずは私に挨拶するのが筋では?」

 あぁ……ダメかもしれません。
 すでにシンザーン殿下は呆れながらもお怒りですね。
 ゼオン元国王は、中央に立っている王子を差し置いて、後ろに控えている私に声をかけるような行動をしたのです。
 どの国でもこんなことをすれば王様に対して失礼でしょう。

「ふん、第二王子ごときに挨拶など必要ない。それよりもここのお気楽国王はどこだ? そいつに話がある」
「……お帰り願おうか。王族に対する無礼な口調、侮辱に値する。本来ならば死罪に値しますが」

 ゼオン元国王は気でも狂ったのでしょうか。
 いえ、昔から気に喰わない相手にはこんな感じでしたけど……。
 まさか他国の王族に対してまで態度が変わらぬとは驚きました。

「ふん! 合わせぬというのならば強行手段に移るのみだ。おい! 皆の者! 行動開始だ!!」
 ゼオン元国王の大きな叫び声と同時に、馬車の中にいた兵士や貴族と思われる者が、木刀や剣を持って一斉に出てきました。

 私たちは、誰一人として驚きもしませんでしたが。
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