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68 空挺騎兵隊は藪を突いてヘビを出す。そしてマルスは敵のど真ん中に顔を出す
しおりを挟むアイホーでの騎兵戦は山岳地帯を回り込んでのものだった。標高1000メートル級の山々の尾根を越えて沢を渡る騎行は困難を極めた。が、「空挺騎兵隊」のここアルムでの相手は亜熱帯性のジャングルだった。
グデーリアン中尉から渡された地図は、航空偵察写真から起こしただけにおおむね正確だった。しかし、上空から写しただけの地形図には実際に地上を踏破すると遭遇する視界50メートル以下のジャングルや、腐った枝葉が積もり踏み込むと水が浸みだしてきてブーツのくるぶしまで埋まる湿地帯などは記載されてはいなかった。
当然騎行などはできず、騎馬隊は皆馬を降り徒歩で進軍せねばならなかった。アルムまでの道のり以上に何度も立ち止まっては地図と実際の地形とを照らし合わせた。
そうこうするうちに、俄かに空がかき曇り、本当に雨が降って来た。
こんなことで陽の落ちる前に目的地へ辿り着けるのだろうか。
アイゼナウ大尉に付き従う将兵たちの誰もの胸の中にも雨雲が垂れ込めた。
兵たちは生い茂る木々の枝葉を透かして急に暗くなって雨粒を落としはじめた空を見上げ、皆大木の根元に馬と我が身を寄せた。
「おいおい。また小休止かよ。大丈夫か我らが騎兵隊長は」
さすがの兵長も誰言うともなくボヤいた。枝葉から滴る雨が兵長のヘルメットに落ち、ひさしの上に溜まった。ふいにヘルムートを振り返った彼のひさしから溜まった雫が弾けた。
「もう日も暮れる。こりゃ、無理だな。しかも二十四時間以内に、なんてよ。残念だがお前の愛しの女を助け出すのは出来ない相談・・・」
ヘルムートはやおら立ち上がった。
「・・・おい、どうした」
「道がわかればいいんですよね。隊長に偵察行動を具申してきます!」
「ちょっと待て、ヘルムート!」
「・・・それも、そうだな」
たかが二等兵の提案にカンタンに飛びつくのは気が引けたが、グールド大佐に大言壮語してナイグンを出て来た以上、何か結果を残さねば帰れない。沽券にもかかわる。わざわざやってきて雨のそぼ降るチナのジャングルで夜明かししても仕方がないのだった。
ヘルムートの意見具申に、「きまぐれ」大隊長アイゼナウ大尉は内心の焦燥を隠し威厳を取り繕った。そして、
「どうせなら複数でやろう。二人一組で5組ほど現在地を起点にして扇状に探索行動を行う」
無論、言い出しっぺのヘルムートも馬を繋ぎ兵長とペアで偵察組に加わった。
昼なお暗いジャングル。しかも雨。しかもアルム川に注ぐ支流のまた支流となる川が増水して沼地に近い湿地帯と化した地帯。しかも、視界は雨のせいでさらに落ちている。
「泥が深くなった。この先が川なんだろう。その川を渡れば目的地だ。近いぞ」
行く手を遮る枝葉をライフルの銃身で避けつつ、一歩、また一歩と進む二人。
と。
行く手の薄闇の向こうに、明らかに雨のせいではない木々のざわめき、人の気配を感じた。
「兵長どの!」
大声を出すのを憚り、腰を落として雨水をたっぷりと含んだブッシュの中に潜んだ。二人とも、銃を構えた。
帝国語でない、抑揚が軽やかに舞うチナ独特の言葉が聞こえて来た。
「・・・敵だ、動くな!」
二人は石のように固まった。
敵兵は複数いるようだ。異様に近い。恐らくは50メートルもないだろう。敵兵の息遣いまでが聞こえてくるようだった。ヘルムートの胸の鼓動がドラムのように高鳴った。あのアイホーでの「ヒヨドリゴエ」よりも緊張が、恐怖がいや増した。
怖い・・・。
「どうしますっ?」
雨が打つヘルメットに穴でも開いているかのようにヘルムートの額を汗が流れ落ちた。槓桿を引く音さえ忍び、ヘルムートは声を押し殺して兵長の指示を乞うた。
「まあ落ち着け」
兵長は言った。
「敵兵がいるということはこの先に敵の陣地があるということだ。
オレらの目的は偵察だ。ここでドンパチはマズい。やり過ごし、やつらが行っちまったら引き返してそれを報告・・・」
影は二人見えた。一人が雨を凌げるほどの大木の幹に辿り着いたと思いきや、それを追って来たらしいもう一人が相手を大木の幹に押しやった。かつて旧文明のヤーパンに「壁ドン」という言葉があったことをこの帝国の田舎出の純朴な二人の兵は知らなかったが、これはさしずめ「幹ドン」であろうか。二人のチナ兵の、なにやら怪しげな雰囲気、振る舞いに束の間目を奪われた。
こんな雨の中なのに・・・。熱い。熱すぎる!
そして、「幹ドン」をした方が何やら語り掛けるや、やおら二人の顔が重なった。
「うおっ!・・・」
出し抜けに声を上げてしまったのはヘルムートのまだ女も知らない純朴のせいだった。
と。
「幹ドン」をした方の男が何やら叫んだ。そこにいるのは誰だ! とでもいうように。
「見つかったか」
そして、肩の銃を構えて、撃って来た。
ドンッ!
弾は二人の頭の上の枝葉を掠めた。
どうせ見当で撃っているのだ。経験のある兵長の方にはこうした場合の耐性があったが、徴兵されたてのヘルムートにはそれがなかった。
「発見されました。撃ちますっ!」
「待て、ヘルムート!・・・」
新兵は忍耐よりも恐怖心の方が勝ってしまった。気が付いたら引き金を引いていた。
ズダーンッ!
しかも、外した。
二人の男色のチナ兵は驚いて何やら喚きながら元来た方に逃げていった。
「なんで撃つんだ!」
「目が合ってしまいました。発見されたと・・・」
ヘルムートは恐怖と狙いを外してしまった悔しさとで混乱し、震えた。
「あれは、当てずっぽうだ。こっちを確認して撃ったんじゃない。
おい、戻るぞ。あいつら増援を呼んでくるかもしれん」
だが実際に来たのは敵の増援ではなく、砲弾だった。
クーンッ・・・、
「いかんっ、伏せろっ!」
「うおわーっ!」
ドガドガーンッ!
薄闇に近かった泥濘のジャングルがたちまち真っ赤な爆炎と爆風の坩堝と化した。爆圧が激し過ぎて呼吸さえ困難になるほどその砲撃は激しいものだった。
「ほら見ろッ! 言わんこっちゃねえっ!」
二人は這いつくばるようにして這う這うの体で元来た方に向かって逃げ出した。
一方。
「黒騎士」戦車大隊の一個中隊を率いる「バンディット(無法者)」バンドルー中佐は、アルム川の東岸、土手沿いに敷いた戦車と砲兵からなる掩護陣の横にテントを張り、テーブルの上に広げた地図を睨みつつ、逐一無線機に入って来る「学者」大隊とグデーリアン中尉に任せた陽動部隊からの戦況とに耳を傾けていた。
少し前に「大工」大隊の約300が救出され対岸の渡河陣地に集結しつつありとの報に接してはいた。だが、「大工」の残る二個小隊を追っている「マルス」の捜索隊が未だ暗渠から出てきていないことと、彼らとの通信が途絶えたことに気を揉んでいた。
強い雨が天幕を叩く音が喧しい。
テントを出、未だ勢いの衰えない雨に赤いベレーが濡れるのも厭わず、バンドルーは双眼鏡を川向うに向けた。
「空挺騎兵の連中からは何も言って来ていないか」
背後のテントの中で本隊の小隊長たちと共にラジオに噛り付いている通信兵に呼びかけた。
「はい。まだ何も・・・」
彼らがグデーリアン中尉の許を離れてからもう3時間になる。
「使えねー奴らだな、まったく・・・」
何の施設かはわからない。が、敵が堅固に守っているアルム市街東方の区域を北から回り込んで襲撃させる。そうすれば「大工」救出を妨害しようとする敵の牽制になるはずだ。
そう考えて送り出した「空挺騎兵」たちだったのだが、やはり「にわか騎兵」には無理だったのかもしれない。
今は「鉄の馬」に乗り換えてはいるものの、かつては本職として馬で戦場を駆けまわっていた老舗の「騎兵」であるバンドルーにとっては歯噛みする思いだった。
しかし、いつまでもイラついてばかりもいられない。
首都から南下している敵の増援部隊は数万以上との報も入っている。雨のせいで偵察機も飛ばせないからその後の敵情、増援部隊の現在位置はわからない。もしかするとその先鋒はもう市街の北に到達しているかもしれない。
そろそろ決断をせねばならない時が来ていた。
テントの中に戻り、首に巻いた赤いスカーフを抜いた。そして通信兵に言った。
「対岸の『優等生』に連絡」
濡れた双眼鏡のレンズをスカーフで拭い、バンドルーはもう一度テントの中から対岸を睨んだ。
「『学者』の兵全員を渡河陣地まで撤退させろ。暗渠の出口を守っている兵も含めて全部だ。『大工』の300が集結次第、『大工』及び救出部隊は再渡河を開始せよ。そう伝えろ」
「ですが、『マルス』と『大工』の残りがまだなのでは?」
第二小隊の中尉が懸念を言った。
バンドルーはゆっくりと振り向き、表情を厳しくしてこう、言い切った。
「救い得た『大工』の300と今いる『学者』の生還を優先する」
そして、心配性の中尉の肩を叩いた。
「『マルス』たちは大丈夫だ。手立てはある!」
ヤヨイたち「学者」がボートで渡河している最中に無線で知らせて来た「庭師」フロックス少将。その彼から伝え聞いていた、「予備手段」を使う時が来たのだ。しかしそのためにも敵の意識を「マルス」たちから背けさせねば。それが最も肝要なのだったが・・・。
「大隊長殿! 『空挺騎兵』からです!」
無線機をモニターしていた通信兵が声を上げた。バンドルーと小隊長たちがラジオの周りに集まった。
「橋北方東岸のジャングルの西に敵陣地らしきものを発見、これと不期遭遇戦の後・・・、砲撃を受けて現在、東に撤退中・・・。以上です」
テントの下の一同から遣る瀬無い溜息が漏れた。バンドルーも額に手をやりテントの湿った天幕を振り仰いだ。
やはり、使えないやつらだ。
これは自力でやるしかない。
「ハインツに連絡しろ。もう一度敵に槍を深く突き入れろ、と」
そして小隊長たちを見回して言った。
「こっちも牽制を強化するぞ。土手の上に戦車を上げろ。対岸の陣営地に敵を近付けるな!」
ヤヨイたち「マルス探索隊」8名は再び集水桝の方に向かって進みだした。
目的が探索ではなく彼ら彼女ら自身の脱出に変わった。俄然足が早まった。
急がねばならなかった。早くしないと放水路から逆流した水で暗渠が水没する。そうなればアルムの下水道の中で溺れ死ぬだけだった。
「道は一つだ。水が流れてくる方、市街の手前か城壁の中まで行き、そこから地上に出る。それしかない。敵の真っ只中だから危険だが止むを得まい」
ウェーゲナー中尉の提案にヤヨイも頷いた。
「では市街戦に備えて『置き土産』を持って来ましょう」
「覗き魔」のマックスが機転を利かし、フリッツを伴って集水桝の縁まで先行した。そこに集積された「置き土産」、グラナトヴェルファーの弾体を手投げ弾に使うためだった。大口径のものは重くてダメだが、小口径のものなら遅延信管を最大に遅らせて投擲すれば手榴弾に使えるのである。小銃しか武器の無いヤヨイたちには天の恵み、麗しい「置き土産」だった。
枝分かれした横洞は集水桝から放水路への「本洞」よりもさらに狭いものだった。大人一人がやや背を傾けながら通るのがやっと。しかもブーツが沈むまでの水が流れる中を歩かねばならない。
「お待たせしました!」
バシャバシャと水を跳ね上げながらカンテラが近づいて来た。背嚢に弾体を一杯に詰めたマックスとフリッツが戻って来たのだ。
「デカイのはそのままだな」
「はい。起爆装置は生きています」
「・・・じゃあ、ボチボチ行くか」
一行は横洞に、文字通り「這入って」行った。
それは「苦行」とも言うべきものだった。
このようなトンネル、暗渠が市街の南の耕作地の下に網の目のように掘られていて一部は市街に通じるトンネルと繋がっている。「大工」のハインケル大尉がくれた見取り図ではそうなっていた。
そしてヤヨイたちが行く暗渠には市街の手前に一カ所だけ、点検のためだろう人が登れる竪穴があるのが見取り図に記されていた。
「中尉、大丈夫ですか?」
ヤヨイは、ウェーゲナーを気遣った。子供のころに押し入れに閉じ込められて以来の「閉所恐怖症」というのが何とも気の毒ではあった。
「しゃあねえだろ。ガマンするさ」
彼には、10日ほど前にナイグンに降下したてのヤル気のない「覗き魔」小隊指揮官の気分が戻って来たみたいに見えた。だが、「恐怖に囚われた指揮官」よりも「ヤル気のない指揮官」のほうがまだ救いがある。
「恐怖」は説得してもムダであり、「恐怖」に駆られた無思慮な行動は部下の命を不必要に危険に晒し悲劇を招くこともある。だが、「ヤル気のなさ」はおだてればなんとかなるものだ。事実降下して以来、あれだけ「ヤル気」のなかった「覗き魔」小隊は、古墳の丘での奮闘をはじめとして、「マルス」と並び「学者」大隊の中だけでなく近衛軍団第一落下傘連隊中最高殊勲ともいうべき働きをしてきている。
今も、「閉所恐怖症」にも拘わらず、それを克服してこうしてヤヨイの身を案じて同行してきてくれているのだ。怖いのに頑張っている。そんな彼の健気さに密かな可笑しみを見出し、ヤヨイはクス、と笑った。
「もう少しで竪穴ですからね、中尉」
「・・・おう」
暗闇の中、苦行の中に
「頑張って下さい、中尉どの♡」
リーズルまでもがヤヨイの感じた可笑しみに共感したようでウェーゲナーを揶揄い半分に励ました。
「おい、笑うなよ。これでも必死なんだぜ」
暗闇にも拘わらずその明るい雰囲気がクリスティーナやビアンカたちにも伝わった。女たちが笑えば男の心も和む。結果的に「マルス探索隊」の士気は上がった。
あの「覗き魔の丘」でも小隊の士気は何故か高かった。恥ずかしい小隊名を送られようが閉所恐怖症であろうが、結果として部隊の士気が上がり任務が果たせればそれでいいのだ。
良い指揮官とか良い指導者というのは、部下をして「俺が頑張ってやらねば」と思わせることに成功した者を言うのかもしれない。だとするなら、この「ヤル気のない」「閉所恐怖症」の男が、案外最も良い指揮官と言えるのかもしれない。
そんなことを思いつつ、ヤヨイは進んだ。
そのようにしてしばらくゆくと、上から梯子が降りている場所に着いた。
「どうやらここが竪穴みたいね」
カンテラを翳して梯子が伸びている上を見上げ見取り図と照らし合わせた。
「登ってみましょう」
フリッツが梯子に手を掛けた。
「ちょっと待て。マックス、2発ほど用意して後に続け。他の者は竪穴から離れて待機!」
ウェーゲナーの指示でフリッツの後にマックスが続いた。
5メートルほど上がったところに鉄製の四角い蓋があった。
重いのか錆びついていて固まっているのか、手で押し上げただけではその蓋は持ち上がらなかった。フリッツはもう一段足を掛けて背中で蓋を押し上げた。
「んーっ! こんちくしょーっ! 」
歯を食いしばって渾身の力を籠めた。
ガバッ!
出し抜けに蓋が開いた。
雨模様の曇天ではあったが、暗い暗渠の中で慣れたフリッツの目には眩しいほどの光が差し込んだ。
だが、そこにはチナ兵が素足に履く編み上げの靴も見えた。
そこは敵陣の真っ只中だったらしい。
突然暗渠に降りる蓋が持ち上がって覗き込んできたチナ兵の東洋的な目がそこにあった。
「マックス!」
後に続いていたマックスが、手にした2発のグラナトヴェルファーの弾体、すでに3秒にセットしてあった時限信管の、その尾部に付いている起爆装置を押し込んでフリッツに手渡した。
「落ちろっ!」
ゆっくり梯子を下りている暇などないからそう言った。マックスが言葉通りに梯子を滑り降りてきて、バシャーンと大きく飛沫を飛ばし、続いてフリッツが落ちて着て間もなく、
ド、ドーンッ!
頭の上で大きな爆発音がし、天井のレンガの目地が崩れパラパラと舞い落ちた。
「フリッツ、マックス、大丈夫?」
カンテラを翳したヤヨイにフリッツは親指を立てて見せた。
「敵が爆薬を投げ込んでくるかもしれん。この先に行くぞ、急げ!」
こうしてヤヨイたち「マルス探索隊」は、市街を巡る城壁の外に出るのを諦め城壁の中に、アルムの市街への脱出を試みるべく、さらに暗渠を進み始めた。
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