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67 マルス、退路を断たれる
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「中尉、『大工』かもしれません。誰何(すいか)してみましょう」
「・・・わかった」
ヤヨイは息を吸い込むと大声を張り上げた。
「我々は『マルス』だ! 出迎えに来た!」
それだけ叫ぶと後は黙った。
なおも靴音は大きく、さらに多くなり刻々と近づいて来た。
「自分たちの靴音が反響して聞こえないのかも知れん」
ウェーゲナーが呟くと、
「でも、もし敵だったら?」
フリッツが殺気立つとリーズルが小銃を肩から外しクールに槓桿を引いた。
ジャキーン!
「その時は撃つだけよ。大丈夫。こんな狭い所なら8名も80名も変わらないわ」
ヤヨイはもう一度声を励ました。
「止まれーっ! 我々は『マルス』だ! 出迎えに来た!」
その場の8名全員の心臓の鼓動が聞こえるような気がした。
足音がようやく止まった。
—「大工」だ! 空挺部隊の「大工」だ! —
ヒューッ・・・。
安堵の口笛を吹くフリッツ。緊迫していたヤヨイたちもようやく溜め込んでいた息を吐いた。
「悪いがカンテラは点けないでくれ!」
そう言いながら小さなローソクほどの明かりと共に近づいて来たのは金の樫の葉の大尉だった。
「『大工』大隊副大隊長、ハインケルだ。穴倉生活が長くなってみんな目が明るさに慣れていないのでな」
「『学者』大隊『マルス』小隊のヴァインライヒ少尉、そして、」
「ウェーゲナー中尉です」
「長い穴倉生活」
そう言う割には手を差し出して来たハインケル大尉の声は快活に響いた。ヤヨイもウェーゲナーも共に官姓名を名乗り、「学者」と「大工」の士官は握手を交わした。
「おお! 『アイゼネス・クロイツじゃないか!」
疲労の浮かんだ顔ながら大尉はまだまだ余裕がありそうに見えた。こうでなくては困難な籠城作戦を遂行できなかったろう。さすがハーベ少佐の部下だと思った。ヤヨイたちは畏敬の眼差しでこの副大隊長と彼の後ろに続いている「大工」の兵たちをみやった。
「みなさん、全員ですか? ハーベ少佐は?」
「残念だが全員ではない。連れて来たのは300ほどだ。これまでの戦闘で1個小隊ほどの損害が出た。負傷者は連れてきたが・・・」
あとに続いている兵たちの列を顧みて、大尉は声を落とした。300名の兵たちの息遣いが暗い暗渠の澱んだ空気を伝わってきた。
「まだ大隊長どのが残っておられる」
と、彼は言った。
「負傷者を載せる担架を用意するのと、脱出に当たって敵の気を散らすために陽動作戦を行ったりしたので集合時刻に遅れてしまったのだ。しかも、12台の通信機をやりくりしてバッテリーを節約しながらここまでもたせてきたのだが、それが今日になって全部ダメになってしまった。それで連絡もできなかったのだ」
ミン一族との一時休戦で補給を得られグリル(バーベキュー)までできたナイグンに比べ、アルムはほとんど補給なしだったのだ。それで10日以上も持ちこたえたのだから、無理もないと思った。
「脱出を悟られぬよう1個小隊を陽動に向かわせたわけだが、彼らとも連絡がつかなくなってしまったのだ。それで大隊長殿は、ハーベ少佐は一隊を率いてその捜索に向かわれた。で、俺が後を託されたというわけなのだ」
「そうでしたか・・・」
ドーンッ・・・。
至近に着弾したのだろう。爆発の振動で天井の目地の土がパラパラと落ちた。
「とすると残っているのは2個小隊弱というところですね。・・・わかりました」
ヤヨイは傍らのウェーゲナー中尉と顔を見合わせ、ハインケル大尉を促した。
「ではすぐに脱出してください。出口で『学者』の兵たちが敵の攻撃を食い止めています。急いでください!」
「それはありがたい。だが、貴官たちはどうするのだ?」
「われわれは『大工』全員を本国に連れ帰るために来たのです。ハーベ少佐らと合流の後、、脱出します!」
「・・・わかった。ありがとう」
と、大尉は言った。
「しかし、ここまで耐えておきながら任務を完遂出来ぬまま帰らねばならぬとはな。それだけは返すがえすも残念だ・・・」
律儀で感動しやすい質なのか、それとも暗闇の中の籠城に疲れたのか、辿って来た暗渠の暗い彼方に続いている「大工」の兵たちの列を見やりつつ、ハインケル大尉は呟いた。
別れ際、彼は胸のポケットから一枚の図面を取り出した。
「籠城戦中に調べた地下排水路網の見取り図だ。役に立つと思う」
親切な大尉は現在地と拠点にした集水施設と少佐が向かったと思われる排水暗渠まで教えてくれた。ヤヨイたちが想像していた以上に、このアルムの排水路網は網の目のように複雑に設けられていることがわかった。
「これはありがたいです!」
ヤヨイとウェーゲナーは暗い灯に照らされた見取り図を覗き込み、礼を言った。
「では大隊長を頼むぞ。貴官らに神々のご加護を、な」
『大工』大隊、出発するぞ!
大尉の号令一下、「大工」たちは再び動き出した。
「出口で『学者』が待ってるぞ!」
「頑張ったな!」
「おつかれさん!」
一人ひとりの顔こそよく見えなかったが、ヤヨイたち「マルス」は彼ら彼女ら「大工」たちの肩を叩き、その十日に及ぶ籠城の労をねぎらった。
みな薄汚れて疲れ切ってはいた。だが灯りを極端に落としたカンテラに浮かぶその面魂たちは決して敗残兵と呼ばれるようなそれではなく、どの顔にも長期の困難な任務に耐えた自負が垣間見えた。
出口へ、故郷の帝国へ帰る入口へと向かう長い長い隊列の最後にカンテラを捧げた影が2つあった。ハインケル大尉同様にハーベ少佐を補佐して来たらしい士官と兵だった。
「貴官たちは『マルス』か?」
「そうです。ウェーゲナー中尉にヴァインライヒ少尉です」
「おお! 『アイゼネス・クロイツ』じゃないか!」
握手を交わした暗闇に浮かぶ顔にはハインケル大尉同様に旺盛な精力が漲っていた。
「リヒテル中尉だ。こっちは通信兵のハイドリヒ。貴官たちに会ったら教えようと思っていた。実は、置き土産がある」
「置き土産?」
「ワルター」
リヒテル中尉は傍らの上等兵を促した。歳のころは30前後だろうか。ハイドリヒ上等兵はその小さな体躯をそびやかし、青い眼に不敵な笑みを浮かべて、言った。
「この先に我々が拠点にしていた集水桝があるんですが、その入り口にちょっとした仕掛けをしてきました。使い残したグラナトヴェルファーの弾薬を集めて弾体の信管に細工して来たんです。万一追っ手が迫った時のためにと」
「トラップか!」
ウェーゲナー中尉が感心したように声を上げた。
ハイドリヒは口の端を引いて頷いた。
「彼は工業技術院からの出向組でな。帝国初のポータブルの通信機を開発した技術者でもあるんだ。バッテリーの補給なしで10日も通信機を持ち堪えられたのは彼の功績なんだ」
リヒテル中尉の紹介に、ヤヨイは危うく声を上げそうになった。
この人が、フェルミ先生と共にあのミカサで彼女を援けリュッツオーに乗り込んだミヒャエルに託した通信機を作ったその人だったのだ、と。近衛軍団を出発する前にあの好奇心のカタマリのような先生と会ったが、今目の前にいる上等兵は先生と同様、この帝国の宝だと。彼を救えただけでも、来た甲斐があったと思った。
これでわかった。やはりグールド大佐は落下傘の最精鋭をアルム攻略の「大工」に集めていたのだ。ヤヨイたちの「学者」だったら、補給なしでここまで持ち堪えられたかどうか・・・。
「穴暮らしでヒマだったんで何度もテストしました。電圧が下がって通信に不適なバッテリーを直列に繋いで・・・。あ、わかりませんよね」
「はい、わかります」
ヤヨイはそれだけを言った。バカロレア理学部電気学科出身で、「クィリナリス」のエージェントである身分を気安く披瀝する必要はなかった。
「これが起爆装置です。全員で暗渠を脱出した時点で起爆しようと思っていました。お渡ししておいた方が、いいですよね?」
「ありがとうございます!」
「周波数230で10秒間送信カフを押し続けてください。暗渠の中でも1,000メートルは届くと思います」
ヤヨイは畏敬の眼差しで弾薬袋、カーキ色のカンヴァスに包まれたその基盤を受け取った。
「ではな。神々のご加護を」
そして300の「大工」の精鋭たち最後の士官と兵が出口に向かって去った。
これでヤヨイたち「学者」大隊が苦労してアルムの川を渡河し、敵陣を切り拓いたことが大部分報われた。残るは2個小隊とハーベ少佐だけだ。
「グレタ、届くかどうかわからないけど通報してみて。本隊300と遭遇、本隊は出口に向かいつつあり。これより『ヤヨイ』は残る2個小隊とハーベ少佐の捜索に赴く、と」
「Jawohl! 」
「急ぎましょう、中尉!」
「うむ! みんな、行くぞ!」
「『ヤヨイ』より『でぶ』へ・・・」
グレタが背負った通信機でオットー少尉に送信を試み始め、ヤヨイたちは再び前進を開始した。
そして暗渠の暗闇の中を歩くこと約30分。
途中、何本かの別れ洞を過ぎた。それらの洞からも水は流れ込んで来ていた。中央の溝の汚水は次第にその水位を上げ、ヤヨイたちの来た方、放水路へと流れていった。つまり、ヤヨイたちはやや登り勾配を進んでいたことになる。その度にカンテラを捧げ持ったフリッツの側に寄り、ハインケル大尉に貰った図面を確認した。
「真っすぐのはずだわ」
トンネルの向こうに薄ぼんやりとした明かりが見え、そこから何やらゴウゴウと水音が聞こえ始めた。
「間違いない。あれが『大工』の拠点だったところよ」
ヤヨイたちの脚は俄然早まった。
半ば小走りにブーツを鳴らし身に着けた装具をカチャカチャ言わせながら、ついにそこに着いた8名は皆、息を呑んだ。
そこは地下に設けられた広大な「瓶」の中のようなところだった。
見上げる上方はドーム型の天井になっていて、「瓶」の上の巨大な土圧を分散する工夫が見て取れた。元は全くの暗闇であったのだろうが、砲撃のせいなのかドームの頂上部分に大きな穴が開いてそこから外光とともに雨水が滴り落ち、はるか眼下に降り注いでいた。
そのお陰でカンテラを翳さなくても五角形をした「瓶」の内側がかなり下方まで視認できた。内径はおよそ50メートルはあろうか。
五角形の側面5面のうちの3面にはヤヨイたちが来た暗渠の高さよりやや低い位置に同じように暗渠の口が開いており、そこから勢いよく水が吐き出され滝のように「瓶」の底に流れ落ちていた。薄闇の底に轟音を立てて流れ落ちて行く茶色く濁った水は暗闇に棲む巨大な3匹の龍を思わせた。暗渠の縁にはグライダーの骨材を利用したらしい縄梯子が掛けられていたが、その下を覗き込めば縄梯子の先はもう、濁った水の下になっていた。
暗渠の出口にはあの工業技術院のハイドリヒ上等兵の言葉の通りにグラナトヴェルファーの使い残しの弾体が積み上げられ、その一つにグレタの背負っているのと同じ通信機が繋がれていた。この分量が一挙に爆発すれば優にこの暗渠を塞ぐ威力はあるだろう。
「・・・すごいな。『大工』はここを塒にしていたんだ。これなら、一個大隊はゆうに滞在できる。そしてあの暗渠を通じて多方面に出没し敵に嫌がらせを続けてきたわけか。敵にとってはたった一個大隊が一個連隊にも一個師団にも感じられただろうな。包囲のために敵が2万もの大部隊を繰り出して来たのも頷ける」
ウェーゲナー中尉が感嘆の声を上げた。
「でも、予想に反して例年なら乾季のはずの冬に季節外れの雨に見舞われ、本来の『集水桝』に戻ってしまった。というわけですね・・・」
フリッツが冷静に状況を解説してくれた。
「これではもはや拠点として用をなしませんね」
中隊長殿!
突然、グレタが叫んだ。
「今、『でぶ』と繋がりました! ・・・ハインケル大尉以下300、・・・全員無事暗渠を出て、・・・現在渡河地点の『優等生』の陣地に移動中、だそうです!」
ウォーッ!
マルスの「探索隊員」たちの歓声が上がった。
「よかったです! 我々の『大工』救出作戦は正解でした。間一髪でしたね!」
ビアンカも感激して上ずった声を上げた。
だが、ウェーゲナー中尉だけは冷徹になさねばならぬことを指摘した。
「で、ハーベ少佐は? どの暗渠に入っていったのか。『大工』の残り2個小隊は今どこにいるんだ」
「ハインケル大尉の言によれば、あの真ん中の暗渠を行ったと・・・」
ヤヨイは激しく水を吐き出す3本の暗渠の中央のを指さした。あの水量では到底彼らの後は追えないのは誰の目にも明らかだったし、あの暗渠の口にすら渡る術がない。
轟々と流れ落ちる水音を聞きながら、ヤヨイはハーベ少佐らの行方の推測、そしてこの「集水桝」の機能と今後数時間以内に起こるであろう状況の予測を試みた。
「いずれここも水で一杯になっちゃうのかな」
フリッツが呟くと、
「いいえ、ならないわ」
リーズルが応じた。
「あの一番大きなトンネルが排水口じゃない? あの向こうが橋の下に出る口じゃないの?」
彼女の指さした先、隣の一面のヤヨイたちのいる暗渠の口よりも数メートルは下に一際大きな暗渠が口を開けていた。眼下の「瓶」の底の水位は刻々と上がり、すでにその大きな排水口の下5メートルほどに迫っていた。
ヤヨイは図面を見て頷いた。
「そうね。降下直後の『大工』は恐らくあそこからここに入ったんでしょう。ここが満杯になる前にあの排水口から吐き出される。だから水位はあれ以上にはならないんでしょう」
「でも、だとしたら、今我々が通って来たこの暗渠の役割って、何なのでしょう」
何気ないクリスティーナの呟きに皆口を噤んだ。
ふとマックスがカンテラを掲げて暗渠のレンガの壁を見上げ手を伸ばした。
「小隊長、見てください!」
ウェーゲナーが駆け寄ってマックスの指さす壁を見上げた。目の高さよりも上の壁に、乾いた泥と塩の筋が出来ていた。明らかに過去にそこまで水が上がって来たことを示していた。
「おいおい・・・」
彼はひゅーっ、と唇を鳴らした。
「ヤヨイ、これを見てみろ。
アルム川が増水して水位が上がれば排水口から水が逆流してくる。そうなればこの『水瓶』はあの天井近くまで満水になる。オレらが通って来たこの暗渠はその時のための予備の排水口だったんだよ。
オレらはやれるだけのことはやった。もうシオドキだぜ、ヤヨイ。溺れる前に、引き返そう」
「でも、少佐どのたちがまだ・・・」
「これじゃ、もうムリだ。300を救い出せただけでも、良しとするんだ!」
「覗き魔」ラインハルト・ウェーゲナーは華奢な「マルスの娘」の両肩をグッと引き寄せ、その魅惑的な唇にキスをせんばかりに顔を近付けた。
ヘルメットの下の碧眼が潤み、ヤヨイの胸が、一瞬だが高鳴った。だが今はそんな感情に囚われている場合じゃない。決断せねば・・・。
「お前の部下たちのことを考えるんだ。
お前は指揮官だろ? ヤヨイ・・・」
ヤヨイは奥歯をギリギリと噛み。図面を握りつぶした。
ここまで来ておきながら。当然に悔しさはある。
彼女に注がれた12の瞳を見回した。
不思議なことに、部下たちの顔を見ているうちに悔しさが遠のき、やがて消えていった。
いったんは握り締めた図面を再び延ばして丁寧にたたみ、胸のポケットにしまった。
「・・・わかりました。・・・撤退、します!」
こうして「『マルス』探索隊」は元来た道を引き返すことになった。
「『ヤヨイ』より『でぶ』。これより帰投する。ハーベ少佐ら2個小隊は捕捉不能」
兵らの最後に、ヤヨイも「瓶」を離れた。
「少佐ーっ、ハーベ少佐っ!」
去り際、爆音をとどろかせて流れ落ちる水の音で届かぬであろうとは知りながら、ヤヨイは広大な「瓶」の中に向かってその名を叫んだ。ナイグンでの苦しかった時に無線ではあったが度々力づけてくれた恩人であるハーベ少佐を残したまま引き返さざるを得ないのはまことに無念だった。
一行は足早に南に、「でぶ」や「鍛冶屋」、「ラインハルト」隊の待つ出口に向かって暗渠を引き返した。
「急げ! 暗渠の出口が水没する前に脱出するんだ!」
溝から溢れた水をブーツの爪先が蹴り、くるぶしまで水に浸かるようになった。放水路への下り勾配、しかも合流する横洞からの水量はさらに増していた。
それがさらに膝上までに至ったとき、ヤヨイはすぐ後ろの通信兵に尋ねた。
「グレタ、まだラジオは通じる?」
「『ヤヨイ』より『でぶ』へ。応答願います。『ヤヨイ』より『でぶ』へ・・・」
「みんな、止まれ!」
ウェーゲナーが叫び、
「マックス!」
「覗き魔」の一等兵を呼んだ。
「マックス、先行して水かさを確かめて来い」
「jawohl!」
カンテラを下げたマックスが水を跳ね上げて暗いトンネルを駆けだしていった。ヤヨイの抱いている懸念ウェーゲナーもまた、感じたのだ。
「グレタ、どう?」
「ダメです、もう通じなくなりました。あの上の穴にアンテナを出せば可能かもしれませんが・・・」
「中尉・・・」
ウェーゲナーの顔を見上げるヤヨイの許にマックスが引き返して来た。
「小隊長どのっ! この100メートルほど先で既に胸のラインまで水が上がっています!」
壁のレンガに指をさして水かさを示すマックスに、ウェーゲナーは舌打ちをした。
「くそっ! 一歩遅かったか・・・」
暗闇に佇む8名の「『マルス』探索隊」の面々に不安が影を落とした。
レオン少尉、教えてください!
わたしはどうしたらいいのでしょう?
四次元の彼方の雷神はヤヨイの切なる問いかけにも、何も答えてはくれなかった。
「・・・わかった」
ヤヨイは息を吸い込むと大声を張り上げた。
「我々は『マルス』だ! 出迎えに来た!」
それだけ叫ぶと後は黙った。
なおも靴音は大きく、さらに多くなり刻々と近づいて来た。
「自分たちの靴音が反響して聞こえないのかも知れん」
ウェーゲナーが呟くと、
「でも、もし敵だったら?」
フリッツが殺気立つとリーズルが小銃を肩から外しクールに槓桿を引いた。
ジャキーン!
「その時は撃つだけよ。大丈夫。こんな狭い所なら8名も80名も変わらないわ」
ヤヨイはもう一度声を励ました。
「止まれーっ! 我々は『マルス』だ! 出迎えに来た!」
その場の8名全員の心臓の鼓動が聞こえるような気がした。
足音がようやく止まった。
—「大工」だ! 空挺部隊の「大工」だ! —
ヒューッ・・・。
安堵の口笛を吹くフリッツ。緊迫していたヤヨイたちもようやく溜め込んでいた息を吐いた。
「悪いがカンテラは点けないでくれ!」
そう言いながら小さなローソクほどの明かりと共に近づいて来たのは金の樫の葉の大尉だった。
「『大工』大隊副大隊長、ハインケルだ。穴倉生活が長くなってみんな目が明るさに慣れていないのでな」
「『学者』大隊『マルス』小隊のヴァインライヒ少尉、そして、」
「ウェーゲナー中尉です」
「長い穴倉生活」
そう言う割には手を差し出して来たハインケル大尉の声は快活に響いた。ヤヨイもウェーゲナーも共に官姓名を名乗り、「学者」と「大工」の士官は握手を交わした。
「おお! 『アイゼネス・クロイツじゃないか!」
疲労の浮かんだ顔ながら大尉はまだまだ余裕がありそうに見えた。こうでなくては困難な籠城作戦を遂行できなかったろう。さすがハーベ少佐の部下だと思った。ヤヨイたちは畏敬の眼差しでこの副大隊長と彼の後ろに続いている「大工」の兵たちをみやった。
「みなさん、全員ですか? ハーベ少佐は?」
「残念だが全員ではない。連れて来たのは300ほどだ。これまでの戦闘で1個小隊ほどの損害が出た。負傷者は連れてきたが・・・」
あとに続いている兵たちの列を顧みて、大尉は声を落とした。300名の兵たちの息遣いが暗い暗渠の澱んだ空気を伝わってきた。
「まだ大隊長どのが残っておられる」
と、彼は言った。
「負傷者を載せる担架を用意するのと、脱出に当たって敵の気を散らすために陽動作戦を行ったりしたので集合時刻に遅れてしまったのだ。しかも、12台の通信機をやりくりしてバッテリーを節約しながらここまでもたせてきたのだが、それが今日になって全部ダメになってしまった。それで連絡もできなかったのだ」
ミン一族との一時休戦で補給を得られグリル(バーベキュー)までできたナイグンに比べ、アルムはほとんど補給なしだったのだ。それで10日以上も持ちこたえたのだから、無理もないと思った。
「脱出を悟られぬよう1個小隊を陽動に向かわせたわけだが、彼らとも連絡がつかなくなってしまったのだ。それで大隊長殿は、ハーベ少佐は一隊を率いてその捜索に向かわれた。で、俺が後を託されたというわけなのだ」
「そうでしたか・・・」
ドーンッ・・・。
至近に着弾したのだろう。爆発の振動で天井の目地の土がパラパラと落ちた。
「とすると残っているのは2個小隊弱というところですね。・・・わかりました」
ヤヨイは傍らのウェーゲナー中尉と顔を見合わせ、ハインケル大尉を促した。
「ではすぐに脱出してください。出口で『学者』の兵たちが敵の攻撃を食い止めています。急いでください!」
「それはありがたい。だが、貴官たちはどうするのだ?」
「われわれは『大工』全員を本国に連れ帰るために来たのです。ハーベ少佐らと合流の後、、脱出します!」
「・・・わかった。ありがとう」
と、大尉は言った。
「しかし、ここまで耐えておきながら任務を完遂出来ぬまま帰らねばならぬとはな。それだけは返すがえすも残念だ・・・」
律儀で感動しやすい質なのか、それとも暗闇の中の籠城に疲れたのか、辿って来た暗渠の暗い彼方に続いている「大工」の兵たちの列を見やりつつ、ハインケル大尉は呟いた。
別れ際、彼は胸のポケットから一枚の図面を取り出した。
「籠城戦中に調べた地下排水路網の見取り図だ。役に立つと思う」
親切な大尉は現在地と拠点にした集水施設と少佐が向かったと思われる排水暗渠まで教えてくれた。ヤヨイたちが想像していた以上に、このアルムの排水路網は網の目のように複雑に設けられていることがわかった。
「これはありがたいです!」
ヤヨイとウェーゲナーは暗い灯に照らされた見取り図を覗き込み、礼を言った。
「では大隊長を頼むぞ。貴官らに神々のご加護を、な」
『大工』大隊、出発するぞ!
大尉の号令一下、「大工」たちは再び動き出した。
「出口で『学者』が待ってるぞ!」
「頑張ったな!」
「おつかれさん!」
一人ひとりの顔こそよく見えなかったが、ヤヨイたち「マルス」は彼ら彼女ら「大工」たちの肩を叩き、その十日に及ぶ籠城の労をねぎらった。
みな薄汚れて疲れ切ってはいた。だが灯りを極端に落としたカンテラに浮かぶその面魂たちは決して敗残兵と呼ばれるようなそれではなく、どの顔にも長期の困難な任務に耐えた自負が垣間見えた。
出口へ、故郷の帝国へ帰る入口へと向かう長い長い隊列の最後にカンテラを捧げた影が2つあった。ハインケル大尉同様にハーベ少佐を補佐して来たらしい士官と兵だった。
「貴官たちは『マルス』か?」
「そうです。ウェーゲナー中尉にヴァインライヒ少尉です」
「おお! 『アイゼネス・クロイツ』じゃないか!」
握手を交わした暗闇に浮かぶ顔にはハインケル大尉同様に旺盛な精力が漲っていた。
「リヒテル中尉だ。こっちは通信兵のハイドリヒ。貴官たちに会ったら教えようと思っていた。実は、置き土産がある」
「置き土産?」
「ワルター」
リヒテル中尉は傍らの上等兵を促した。歳のころは30前後だろうか。ハイドリヒ上等兵はその小さな体躯をそびやかし、青い眼に不敵な笑みを浮かべて、言った。
「この先に我々が拠点にしていた集水桝があるんですが、その入り口にちょっとした仕掛けをしてきました。使い残したグラナトヴェルファーの弾薬を集めて弾体の信管に細工して来たんです。万一追っ手が迫った時のためにと」
「トラップか!」
ウェーゲナー中尉が感心したように声を上げた。
ハイドリヒは口の端を引いて頷いた。
「彼は工業技術院からの出向組でな。帝国初のポータブルの通信機を開発した技術者でもあるんだ。バッテリーの補給なしで10日も通信機を持ち堪えられたのは彼の功績なんだ」
リヒテル中尉の紹介に、ヤヨイは危うく声を上げそうになった。
この人が、フェルミ先生と共にあのミカサで彼女を援けリュッツオーに乗り込んだミヒャエルに託した通信機を作ったその人だったのだ、と。近衛軍団を出発する前にあの好奇心のカタマリのような先生と会ったが、今目の前にいる上等兵は先生と同様、この帝国の宝だと。彼を救えただけでも、来た甲斐があったと思った。
これでわかった。やはりグールド大佐は落下傘の最精鋭をアルム攻略の「大工」に集めていたのだ。ヤヨイたちの「学者」だったら、補給なしでここまで持ち堪えられたかどうか・・・。
「穴暮らしでヒマだったんで何度もテストしました。電圧が下がって通信に不適なバッテリーを直列に繋いで・・・。あ、わかりませんよね」
「はい、わかります」
ヤヨイはそれだけを言った。バカロレア理学部電気学科出身で、「クィリナリス」のエージェントである身分を気安く披瀝する必要はなかった。
「これが起爆装置です。全員で暗渠を脱出した時点で起爆しようと思っていました。お渡ししておいた方が、いいですよね?」
「ありがとうございます!」
「周波数230で10秒間送信カフを押し続けてください。暗渠の中でも1,000メートルは届くと思います」
ヤヨイは畏敬の眼差しで弾薬袋、カーキ色のカンヴァスに包まれたその基盤を受け取った。
「ではな。神々のご加護を」
そして300の「大工」の精鋭たち最後の士官と兵が出口に向かって去った。
これでヤヨイたち「学者」大隊が苦労してアルムの川を渡河し、敵陣を切り拓いたことが大部分報われた。残るは2個小隊とハーベ少佐だけだ。
「グレタ、届くかどうかわからないけど通報してみて。本隊300と遭遇、本隊は出口に向かいつつあり。これより『ヤヨイ』は残る2個小隊とハーベ少佐の捜索に赴く、と」
「Jawohl! 」
「急ぎましょう、中尉!」
「うむ! みんな、行くぞ!」
「『ヤヨイ』より『でぶ』へ・・・」
グレタが背負った通信機でオットー少尉に送信を試み始め、ヤヨイたちは再び前進を開始した。
そして暗渠の暗闇の中を歩くこと約30分。
途中、何本かの別れ洞を過ぎた。それらの洞からも水は流れ込んで来ていた。中央の溝の汚水は次第にその水位を上げ、ヤヨイたちの来た方、放水路へと流れていった。つまり、ヤヨイたちはやや登り勾配を進んでいたことになる。その度にカンテラを捧げ持ったフリッツの側に寄り、ハインケル大尉に貰った図面を確認した。
「真っすぐのはずだわ」
トンネルの向こうに薄ぼんやりとした明かりが見え、そこから何やらゴウゴウと水音が聞こえ始めた。
「間違いない。あれが『大工』の拠点だったところよ」
ヤヨイたちの脚は俄然早まった。
半ば小走りにブーツを鳴らし身に着けた装具をカチャカチャ言わせながら、ついにそこに着いた8名は皆、息を呑んだ。
そこは地下に設けられた広大な「瓶」の中のようなところだった。
見上げる上方はドーム型の天井になっていて、「瓶」の上の巨大な土圧を分散する工夫が見て取れた。元は全くの暗闇であったのだろうが、砲撃のせいなのかドームの頂上部分に大きな穴が開いてそこから外光とともに雨水が滴り落ち、はるか眼下に降り注いでいた。
そのお陰でカンテラを翳さなくても五角形をした「瓶」の内側がかなり下方まで視認できた。内径はおよそ50メートルはあろうか。
五角形の側面5面のうちの3面にはヤヨイたちが来た暗渠の高さよりやや低い位置に同じように暗渠の口が開いており、そこから勢いよく水が吐き出され滝のように「瓶」の底に流れ落ちていた。薄闇の底に轟音を立てて流れ落ちて行く茶色く濁った水は暗闇に棲む巨大な3匹の龍を思わせた。暗渠の縁にはグライダーの骨材を利用したらしい縄梯子が掛けられていたが、その下を覗き込めば縄梯子の先はもう、濁った水の下になっていた。
暗渠の出口にはあの工業技術院のハイドリヒ上等兵の言葉の通りにグラナトヴェルファーの使い残しの弾体が積み上げられ、その一つにグレタの背負っているのと同じ通信機が繋がれていた。この分量が一挙に爆発すれば優にこの暗渠を塞ぐ威力はあるだろう。
「・・・すごいな。『大工』はここを塒にしていたんだ。これなら、一個大隊はゆうに滞在できる。そしてあの暗渠を通じて多方面に出没し敵に嫌がらせを続けてきたわけか。敵にとってはたった一個大隊が一個連隊にも一個師団にも感じられただろうな。包囲のために敵が2万もの大部隊を繰り出して来たのも頷ける」
ウェーゲナー中尉が感嘆の声を上げた。
「でも、予想に反して例年なら乾季のはずの冬に季節外れの雨に見舞われ、本来の『集水桝』に戻ってしまった。というわけですね・・・」
フリッツが冷静に状況を解説してくれた。
「これではもはや拠点として用をなしませんね」
中隊長殿!
突然、グレタが叫んだ。
「今、『でぶ』と繋がりました! ・・・ハインケル大尉以下300、・・・全員無事暗渠を出て、・・・現在渡河地点の『優等生』の陣地に移動中、だそうです!」
ウォーッ!
マルスの「探索隊員」たちの歓声が上がった。
「よかったです! 我々の『大工』救出作戦は正解でした。間一髪でしたね!」
ビアンカも感激して上ずった声を上げた。
だが、ウェーゲナー中尉だけは冷徹になさねばならぬことを指摘した。
「で、ハーベ少佐は? どの暗渠に入っていったのか。『大工』の残り2個小隊は今どこにいるんだ」
「ハインケル大尉の言によれば、あの真ん中の暗渠を行ったと・・・」
ヤヨイは激しく水を吐き出す3本の暗渠の中央のを指さした。あの水量では到底彼らの後は追えないのは誰の目にも明らかだったし、あの暗渠の口にすら渡る術がない。
轟々と流れ落ちる水音を聞きながら、ヤヨイはハーベ少佐らの行方の推測、そしてこの「集水桝」の機能と今後数時間以内に起こるであろう状況の予測を試みた。
「いずれここも水で一杯になっちゃうのかな」
フリッツが呟くと、
「いいえ、ならないわ」
リーズルが応じた。
「あの一番大きなトンネルが排水口じゃない? あの向こうが橋の下に出る口じゃないの?」
彼女の指さした先、隣の一面のヤヨイたちのいる暗渠の口よりも数メートルは下に一際大きな暗渠が口を開けていた。眼下の「瓶」の底の水位は刻々と上がり、すでにその大きな排水口の下5メートルほどに迫っていた。
ヤヨイは図面を見て頷いた。
「そうね。降下直後の『大工』は恐らくあそこからここに入ったんでしょう。ここが満杯になる前にあの排水口から吐き出される。だから水位はあれ以上にはならないんでしょう」
「でも、だとしたら、今我々が通って来たこの暗渠の役割って、何なのでしょう」
何気ないクリスティーナの呟きに皆口を噤んだ。
ふとマックスがカンテラを掲げて暗渠のレンガの壁を見上げ手を伸ばした。
「小隊長、見てください!」
ウェーゲナーが駆け寄ってマックスの指さす壁を見上げた。目の高さよりも上の壁に、乾いた泥と塩の筋が出来ていた。明らかに過去にそこまで水が上がって来たことを示していた。
「おいおい・・・」
彼はひゅーっ、と唇を鳴らした。
「ヤヨイ、これを見てみろ。
アルム川が増水して水位が上がれば排水口から水が逆流してくる。そうなればこの『水瓶』はあの天井近くまで満水になる。オレらが通って来たこの暗渠はその時のための予備の排水口だったんだよ。
オレらはやれるだけのことはやった。もうシオドキだぜ、ヤヨイ。溺れる前に、引き返そう」
「でも、少佐どのたちがまだ・・・」
「これじゃ、もうムリだ。300を救い出せただけでも、良しとするんだ!」
「覗き魔」ラインハルト・ウェーゲナーは華奢な「マルスの娘」の両肩をグッと引き寄せ、その魅惑的な唇にキスをせんばかりに顔を近付けた。
ヘルメットの下の碧眼が潤み、ヤヨイの胸が、一瞬だが高鳴った。だが今はそんな感情に囚われている場合じゃない。決断せねば・・・。
「お前の部下たちのことを考えるんだ。
お前は指揮官だろ? ヤヨイ・・・」
ヤヨイは奥歯をギリギリと噛み。図面を握りつぶした。
ここまで来ておきながら。当然に悔しさはある。
彼女に注がれた12の瞳を見回した。
不思議なことに、部下たちの顔を見ているうちに悔しさが遠のき、やがて消えていった。
いったんは握り締めた図面を再び延ばして丁寧にたたみ、胸のポケットにしまった。
「・・・わかりました。・・・撤退、します!」
こうして「『マルス』探索隊」は元来た道を引き返すことになった。
「『ヤヨイ』より『でぶ』。これより帰投する。ハーベ少佐ら2個小隊は捕捉不能」
兵らの最後に、ヤヨイも「瓶」を離れた。
「少佐ーっ、ハーベ少佐っ!」
去り際、爆音をとどろかせて流れ落ちる水の音で届かぬであろうとは知りながら、ヤヨイは広大な「瓶」の中に向かってその名を叫んだ。ナイグンでの苦しかった時に無線ではあったが度々力づけてくれた恩人であるハーベ少佐を残したまま引き返さざるを得ないのはまことに無念だった。
一行は足早に南に、「でぶ」や「鍛冶屋」、「ラインハルト」隊の待つ出口に向かって暗渠を引き返した。
「急げ! 暗渠の出口が水没する前に脱出するんだ!」
溝から溢れた水をブーツの爪先が蹴り、くるぶしまで水に浸かるようになった。放水路への下り勾配、しかも合流する横洞からの水量はさらに増していた。
それがさらに膝上までに至ったとき、ヤヨイはすぐ後ろの通信兵に尋ねた。
「グレタ、まだラジオは通じる?」
「『ヤヨイ』より『でぶ』へ。応答願います。『ヤヨイ』より『でぶ』へ・・・」
「みんな、止まれ!」
ウェーゲナーが叫び、
「マックス!」
「覗き魔」の一等兵を呼んだ。
「マックス、先行して水かさを確かめて来い」
「jawohl!」
カンテラを下げたマックスが水を跳ね上げて暗いトンネルを駆けだしていった。ヤヨイの抱いている懸念ウェーゲナーもまた、感じたのだ。
「グレタ、どう?」
「ダメです、もう通じなくなりました。あの上の穴にアンテナを出せば可能かもしれませんが・・・」
「中尉・・・」
ウェーゲナーの顔を見上げるヤヨイの許にマックスが引き返して来た。
「小隊長どのっ! この100メートルほど先で既に胸のラインまで水が上がっています!」
壁のレンガに指をさして水かさを示すマックスに、ウェーゲナーは舌打ちをした。
「くそっ! 一歩遅かったか・・・」
暗闇に佇む8名の「『マルス』探索隊」の面々に不安が影を落とした。
レオン少尉、教えてください!
わたしはどうしたらいいのでしょう?
四次元の彼方の雷神はヤヨイの切なる問いかけにも、何も答えてはくれなかった。
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