"番様"認定された私の複雑な宮ライフについて。

airria

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勝手に呼んでおいてチェンジとか。

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周囲がぐるぐる回っている。

まるで、洗濯機の中に放り込まれたような酷いめまいだ。

多分私は倒れているんだろうけれど、めまいが酷くて、天地の区別がつかない。

薄暗い感じは同じだけれど、さっきまでいたトイレではない、と漠然とわかる。

周囲のざわつき、たき火のような煙の匂い。

どこなんだろう、とかそんなことより、気持ち悪さが勝ってそれどころじゃなかった。






「おい、なんだこいつは!」

すぐそばで誰かが怒鳴っている。

広いホールのような場所なのか、男の声が反響した。

「これがつがい様だと!?男だろう!見ろ、この髪を!」

うう、気持ち悪い。

めまいのせいで吐き気が強まる。

「もう一回やり直せないのか?だって男だぞ?間違えたということだろう?」

周りのザワザワする声に比べて、男の話す声はよく通り、耳に入ってきた。

「今ならまだやり直しきくんじゃないか?ムリ?一応確認を?俺がか?お前たちは・・・まだ結界に入って来れないのか?・・はぁ、難儀だな」

吐き気と戦う私のそばで、さっきから偉そうにがなりたてているこの男は何なんだ。

(うるさっ・・それに多分だけどさっきから私のこと、男の人と間違えてるよね?)

吐き気とイライラを募らせる私に、とうとう男が話しかけてきた。

「おい、そこのお前!聞いてるのか!いつまで這いつくばっているつもりだ!」

頭のすぐ上の方から声がする。

ちょっとだけめまいはよくなり、視界が開けてきた。

私はうつ伏せに伏せっていたらしい。

目の前には靴。

金の刺繍がされた黒いブーツだった。

このブーツの主が、今話しかけてきてる男だろう。

「お前、名前は何と言う・・おい、いつまで寝てるつもりだ。不敬だぞ!」

すぐ真上から降ってくる声。

私に向かって言っているに違いない。

気持ち悪いのに勘弁して欲しい。

「すみません、吐きそうで・・」

必死の思いで、そう弁明する私の声を相手は聞き取れなかったようだ。

「なんだ?聞こえんぞ!表を上げろ!ほら!」と手を引いて私を起こした。

思いの外、力強く、グイッと持ち上げられ、立たせられる。

「お前、名前は何と・・ん?なんだ、その顔・・お前、女か?」

頭ひとつ分ほど高いその男を見上げる。

肩より少し長い黒髪を上の方だけ括ったその男は、白装束のような格好をしていた。

鼻筋の通った、整った顔立ちなのに、その口元は不満げに歪められている。

凛々しいながらも目尻が少し垂れていて、目元はなんとなく佑太に似て見えた。

男は眉を顰めて「顔が白すぎるな」と怪訝そうにした後、「で、結局お前は」と言いかけた。

彼は最後まで言い切れなかった。

なぜなら吐き気の限界を迎えた私が、男の胸元へ、マーライオンよろしく勢いよく戻したからだ。

「ギャァアアアア!」

男の絶叫が響き渡った。



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