"番様"認定された私の複雑な宮ライフについて。

airria

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私が番候補?

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吐いた。

めっちゃ吐いた。

ようやく吐き切ったら、眩暈も落ち着いて、なにやら目の前で絶叫していた男から離された。

グッタリしている私は、あれよあれよという間にお風呂に入れられ、服も着替えさせられた。

そして今。

広い部屋の寝台で、大人しく横になっている。

何か入浴剤のようなものを使ってくれたらしく、自分の体から、仄かに花のようないい香りがして、ようやく人心地着いた気分だ。

はぁ、それにしてもここはどこなんだろう。

不調が解決したことで色々気になってくる。

お布団から目だけ出してキョロキョロと見回すけれど、広い寝室なので、ここからだと中華風の飾り窓と、置物らしき大きな壺しか目に入らない。

全体的に中華風なインテリアで、寝巻きもやはり着物みたいな形をしていた。

世話を焼いてくれる人たちに「つがい様」と呼ばれていたのも気になる。

「あの、ここどこですか。」

「今日は遅いのでゆっくりお休みください。明日また改めて・・おやすみなさいませ」

そう言われれば何も言えず、酔いも手伝って、そのうちグッスリ眠ってしまった。






翌朝。

どうやら夢ではなかったらしい。

「つがい様、こちらへ。」

朝、用意されていた服はまたもや中華風で、いわゆる中国の昔のお姫様のような服だった。

それに着替えて、朝食に出されたお粥を食べてお茶を啜っていると、ドスドスと足音が近づいてくる。

バンッ!と勢いよくドアが開き、昨日の失礼な男がこちらを睨みつけてきた。

昨日の真っ白な装束ではなく、今日は薄青色の漢服に似た服を着ていた。

私を世話してくれている女官達が男に向かって丁寧にお辞儀する。

それを見て、私もお茶を啜りながらペコッと軽く会釈したら男の眉間に皺が寄った。

「おぉい!貴様!ペコッじゃないんだよ!ペコッじゃあ!」

…朝から元気だな。

「なにスッキリした顔してるんだ!何か言うことがあるだろうが俺に!」

怒気をこめてこちらを睨む男。

(あー、やっぱ目が佑太に少し似てるな。)

そう思った瞬間、私はイラッとした。

失恋したばかりというのもあったし、初対面なのにこの人なんか失礼だし、あまり自制が効かなかった。

「…なんなんですか。っていうか誰なんですか、あなた」

「ぁあ!?何だお前は!国王に向かって、何だその口のきき方は!」

「え、国王?」

思い切り怪訝な顔をしてしまったようだ。

佑太似の男が「何だその納得いかないって顔は!」と、またわーわー騒いでいる。

「陛下!陛下!」

後ろに侍っていた、私と同じくらいの背の、小太りのオジさんがアタフタと前へ出てきた。

「どうぞお怒りをお収めください!つがい様ですぞ!折角、我々の呼びかけに応えて来てくださったのです。」

「しかし」

「これまでの苦難の道を挽回できるかもしれんのです!ここはどうぞ、私めにおまかせを!」

小太りのオジさんは「失礼つかまつる!」と前へ出ると、私に向かって、長い話を始めた。





まず、この国はくにといい、佑太似の男は本当に国王だった。

この国は今、窮地に陥っている。

それというのも、先の戦争によりほとんど蓄えもなく、民も疲弊しているこのタイミングで、雨が降らないのだ。

日照り続きで穀物は育たず飢饉の危機がある上に、生態系にまで影響し、里にまで獣が降りてしまい、獣被害が増えている。

昨年即位したばかりの阿王も色々と策を練ったものの、雨が降らないことにはもうどうしようもないらしい。

ふむふむ。

「それは大変ですねー」

「ありがとうございます。さすがつがい様・・・慈愛にあふれたお方だ」

オジさんがそっと目元を拭ったが、涙が出ているようには見えない。

「それでですね、なぜあなた様をお呼びしたかというと、ここからが本題で・・」



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