(完)子供も産めない役立たずと言われて・・・・・・

青空一夏

文字の大きさ
11 / 50

アイザックにプチ嫌がらせさせたマイケル

しおりを挟む
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚マイケル視点


 その侍従は、腰を抜かさんばかりに驚いた。彼は私の屋敷に来ていっぺんで酔いが覚めたようだ。

「お、お許しください。私は、罰せられるのでしょうか?」

「は? まさか? その逆だ。 君は、アイザックの上司になれ。王宮で働くのだ。そこでは私の部下が最高責任者だ。君はアイザックに・・・・・・・。君には、そこでの報酬とは別にカリブ家からも給与を払おう」


*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*

*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚カシアス視点(元レイラ男爵家の侍従)




 私は、カリブ伯爵からカツラと眼鏡を渡された。私の元の髪は黒だが、金髪のカツラをつけると雰囲気がまるで変わった。眼鏡をかけて、完了だ。

 どうせ、アイザック様は私など覚えていないから、バレるはずはない。アイザック様が、使用人の顔をまともに見たことは一度だってない。名前すら覚えていないのだから。『おい!』とか『お前!』で呼びかけられるだけだった。 

 冷酷で嘘つきでずるい男。それが、アイザック・レイラ男爵だった。

 私はカリブ伯爵の命令に、大喜びで飛びついた。『あの鬼畜をちょっと困らせろ』の命令なら、誰だってやるさ!

 

*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*



「アイザック君!この書類の数値が間違っているのだが、今日で何度目かな?」

 私は、たくさんの人間がいる前でアイザック様に注意をした。

「え?先ほど、カシアス様に言われた通りの数値で書類は作りました。どこにも、おかしな点はないはずです」

「私に口答えをするのかね? 君は、足し算もできないのか?」

 私が大きな声を出すと、私の上司が来てもちろん私の味方をした。

「困るなぁ。アイザック君! カリブ伯爵の顔に泥を塗る気かい? カリブ伯爵はこんなくだらない計算間違いばかりする君をわざわざ推薦したのだぞ!・・・・・・カリブ伯爵に恥をかかせてはいけないな!」

 アイザック様は、悔しそうに顔を歪めた。


*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*


 アイザック様の同僚は、その様子を見て苦笑いをしている。

「「「カリブ伯爵の縁というだけで、来られてもいい迷惑だなぁ」」」

「「「足し算もできないのか? 大丈夫か?」」」

 あちこちで、ひそひそと話す声が聞こえた。

 

  王宮には、王宮勤めの貴族専用の食堂があった。そこに私がアイザック様を誘う。

「一緒に飯を食おうじゃないか? 今日は私が奢ろう」

 そう言いながら、アイザック様が苦手な食べ物が入った料理をわざと注文した。

「さぁ、遠慮なく食べたまえ! 私の好物だ」

 私はそう言いながら、その料理を食べるが、アイザック様は固まって食べられないでいる。

「君はさきほどのことを反省していないのかな? こちらとしては、気を遣ってこうして奢ってあげようというのに一口も食べないとはどういうことだい?」

 その私の言葉に、まわりがざわついた。

「「「子供みたいに拗ねてるのかしら?」」」

「「「拗ねる歳? あれでカリブ伯爵の縁者なの?」」」

「「「母親は呆けているって噂だよ? あのアレクサンダー様に歌劇の劇場でケンカ売ったらしいよ」」」

「「「うわっ! あの英雄にたてついたの? 『あの親にしてこの子あり』だね?」」」

 


しおりを挟む
感想 263

あなたにおすすめの小説

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑

岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。 もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。 本編終了しました。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...