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すれ違う姉妹
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騎士団長リアスへの報告を終えた後、私は、フレッダリオ家を訪れていた。
理由は……。ヒーナと話すため。
「……なんですか? お姉様」
「ありがとうヒーナ。顔を合わせてくれて」
「姉妹ですもの。当然ですわ」
そう言いつつも、ヒーナは明らかに、何かを警戒している様子だった。
「随分立派な部屋を頂いたのね。ここでの生活はどう?」
「恨み言を言うために、わざわざ会いに来たのですか?」
「……世間話でも。と思ったのだけれど、あなたがそう言うのであれば、早速本題に入らせてもらおうかしら」
私はポシェットの中から、数枚の書類を取り出した。
「これは……。私がたまたま診断して、相性が最悪だった人たちの、その後よ」
お母様からは、大切な人に……。という話をされたけれど。
本当に、魂の相性が、人生に影響を及ぼすのか知りたくて、私は見ず知らずの夫婦にも、魔法を使っていた。
「気味が悪い……。なんなのですか?」
「デンスタート家、あなたも記憶しているでしょう?」
「焼身自殺した夫婦……。それが、相性のせいだと?」
「その通りよ」
「馬鹿馬鹿しい。後付けでしょう? だってお姉様、そんな話、一切してこなかったじゃない」
「あなたが結婚する時がきたら、話そうと思っていたのよ……」
それがまさか、こんなことになるなんて。
「それから、二年前、崖から転落して、家族全員が犠牲になってしまった、ベルシア家。魔物に子供を食い殺されてしまった、シタロッテ家、それに……」
「もうやめてください!」
ヒーナが、書類をビリビリに破った。
バラバラになった紙くずが、宙を舞う。
「不愉快です。人がせっかく幸せな気分になっているというのに、あなたという人は……。そんなに私に負けたことが、悔しいのですか!?」
「違うのヒーナ。これは本当に、あなたたちにも起こることで……。……いいえ、こんなことよりも、もっと酷いことが起こる可能性が」
「これ以上、私に付きまとわないで」
「ヒーナ……」
「出て行ってください。十秒以内に出て行かないのであれば、人を呼びます」
「……」
私は諦めて、部屋を出ることにした。
……もう少し、姉妹としての関係が、良好だったら。
きっとヒーナは、話を聞いてくれただろう。
これは、私の責任でもあるのかもしれない。
☆ ☆ ☆
「はぁ……」
床に落ちる紙を拾うメイドを見ながら、私はため息をついた。
ギルガム様が、剣技の鍛錬を積みに、訓練所へ行ってる間を、お姉様は狙ったんだ……。
もう二度と、家には入れてあげない。
顔も見たくない。
……何が相性よ。
私とギルガム様は、体の相性だって、バッチリだったのに。
そもそも、魂の相性って何?
「……終わりました」
「ありがとう。リズベル」
フレッダリオ家のメイドのリズベルが、丁寧に床を掃除してくれた。
「では、失礼いたします」
「えぇ」
リズベルが、部屋を出て行った。
……と、思ったら、立ち止まって、こちらに戻ってきた。
「どうしたの?」
「……お伝えしようかどうか、迷ったのですが」
「なにかしら」
「その……。ミュシー様と、すれ違ったのですが」
「お姉様と?」
「はい。ミュシー様は……。涙を流しておられました」
「……」
あのお姉様が……?
「何かの見間違いよ。きっと」
「そうでしょうか……」
「あるいは、目にゴミが入ったか」
「……わかりました。報告は以上です」
「……」
ありえない。
いつも私を見下して……。
今も、魂の相性だなんて、意味のわからないことを言って、私を困惑させる。
あんな人、もう、姉でも何でもない。
私の家族は、お父様とお母様だけ。
そう思って、生きていく。
理由は……。ヒーナと話すため。
「……なんですか? お姉様」
「ありがとうヒーナ。顔を合わせてくれて」
「姉妹ですもの。当然ですわ」
そう言いつつも、ヒーナは明らかに、何かを警戒している様子だった。
「随分立派な部屋を頂いたのね。ここでの生活はどう?」
「恨み言を言うために、わざわざ会いに来たのですか?」
「……世間話でも。と思ったのだけれど、あなたがそう言うのであれば、早速本題に入らせてもらおうかしら」
私はポシェットの中から、数枚の書類を取り出した。
「これは……。私がたまたま診断して、相性が最悪だった人たちの、その後よ」
お母様からは、大切な人に……。という話をされたけれど。
本当に、魂の相性が、人生に影響を及ぼすのか知りたくて、私は見ず知らずの夫婦にも、魔法を使っていた。
「気味が悪い……。なんなのですか?」
「デンスタート家、あなたも記憶しているでしょう?」
「焼身自殺した夫婦……。それが、相性のせいだと?」
「その通りよ」
「馬鹿馬鹿しい。後付けでしょう? だってお姉様、そんな話、一切してこなかったじゃない」
「あなたが結婚する時がきたら、話そうと思っていたのよ……」
それがまさか、こんなことになるなんて。
「それから、二年前、崖から転落して、家族全員が犠牲になってしまった、ベルシア家。魔物に子供を食い殺されてしまった、シタロッテ家、それに……」
「もうやめてください!」
ヒーナが、書類をビリビリに破った。
バラバラになった紙くずが、宙を舞う。
「不愉快です。人がせっかく幸せな気分になっているというのに、あなたという人は……。そんなに私に負けたことが、悔しいのですか!?」
「違うのヒーナ。これは本当に、あなたたちにも起こることで……。……いいえ、こんなことよりも、もっと酷いことが起こる可能性が」
「これ以上、私に付きまとわないで」
「ヒーナ……」
「出て行ってください。十秒以内に出て行かないのであれば、人を呼びます」
「……」
私は諦めて、部屋を出ることにした。
……もう少し、姉妹としての関係が、良好だったら。
きっとヒーナは、話を聞いてくれただろう。
これは、私の責任でもあるのかもしれない。
☆ ☆ ☆
「はぁ……」
床に落ちる紙を拾うメイドを見ながら、私はため息をついた。
ギルガム様が、剣技の鍛錬を積みに、訓練所へ行ってる間を、お姉様は狙ったんだ……。
もう二度と、家には入れてあげない。
顔も見たくない。
……何が相性よ。
私とギルガム様は、体の相性だって、バッチリだったのに。
そもそも、魂の相性って何?
「……終わりました」
「ありがとう。リズベル」
フレッダリオ家のメイドのリズベルが、丁寧に床を掃除してくれた。
「では、失礼いたします」
「えぇ」
リズベルが、部屋を出て行った。
……と、思ったら、立ち止まって、こちらに戻ってきた。
「どうしたの?」
「……お伝えしようかどうか、迷ったのですが」
「なにかしら」
「その……。ミュシー様と、すれ違ったのですが」
「お姉様と?」
「はい。ミュシー様は……。涙を流しておられました」
「……」
あのお姉様が……?
「何かの見間違いよ。きっと」
「そうでしょうか……」
「あるいは、目にゴミが入ったか」
「……わかりました。報告は以上です」
「……」
ありえない。
いつも私を見下して……。
今も、魂の相性だなんて、意味のわからないことを言って、私を困惑させる。
あんな人、もう、姉でも何でもない。
私の家族は、お父様とお母様だけ。
そう思って、生きていく。
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