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2章 帝国の呪い
2-48 動悸がとまらない
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朝。
大教会へと集合時間前にやってきた。
「お、ファン、おはよ」
「おはよう、ボレール」
先に着いていたボレールはいつものツナギ姿である。
大教会の前の階段で座っていた。
大教会の扉自体は開いているだろうが、祈るわけでもない者が中にいても信者の邪魔になるだけだ。
「早く来ちまった。部屋長からは時間にならないと来ないと言われていたのに」
「俺もついつい遠足気分で早く来ちゃったよ」
「あー、やっぱり早く来たんだねー」
大教会の扉を開けて出てきたのは、部屋長、ではなくリーウセンさんだった。
「あ、おはようございます」
「昨日、クロウから言われてたんだよー。二人が早く来たら中に通しておいてくれって。朝でも帝都の夏は暑いからねえ」
さすがは部屋長。
俺たちのことを良くわかっている。
仕事じゃなければ、遠慮して中に入れないことも。
トータなら時間まで薬部屋にいたのだろうか?
「クロウたちはゴートナー文官に付き添われてくるから定刻にしか来れないよ」
「ええ、俺たちもそのことは聞いていたんですけど」
リーウセンさんは祈りの間を通り、資材等が置かれている小空間へ案内した。
小さな椅子を俺たちに勧める。
「今日のこと教会長に話したら、特別にこの二匹を貸してくれるって」
リーウセンさんの手のひらに白ワンコ二匹がのっている。
ボレールの肩に一匹が飛び乗り、もう一匹が俺の頭の上にのった。
なぜ、俺は頭の上。。。
「もしものことがあるかもしれないから、保険のために」
「もしもって、トータが言っていた戦闘、」
戦闘面では俺は全然役に立たない。
部屋長もわかっているから、見学は一人ずつって言っていたんだろうし。
戦闘可能な薬師って、、、もしかしてボレールのところの薬工房にはいるのかな?狩りって言っていたくらいだし。
「うーん、戦闘ならクロウが何とかしてくれるだろうけど、ここの彫刻たち、けっこう多芸なんだよ」
「彫刻が多芸?」
「見てのお楽しみー、と言いたいところなんだけど、命の危険もあるから言っておくけど、壁とか柱とか暖炉とか触りやすいところに何らかの彫刻があったとしても不用意に触らないようにね。花とかの植物の彫刻でも危険だから。触った部位を吹っ飛ばすくらいの芸当は普通にやるから」
「注意を受けていれば、アクシデントがない限り不用意に触る人は少ないのでは?」
ボレールの問いに、リーウセンさんが遠い目をした。
「ああ、うん、最近ではよくポシュが手を吹っ飛ばされているよ。魔法がないとあれだけ不用心になるんだな、人って。脳筋ですらご主人様の命令には従うのに」
手を吹っ飛ばされている?
けど、普通に両手あるよな?
「ええっと、それは治療魔法とかで治しているということですか?」
「いや、ポシュだからね。まあ、ポシュ以外どうしようもない方法だから二人とも気をつけてね。白ワンコがワンとないたら絶対に警戒するように」
言葉を濁されたが、ポシュは帝国の英雄だから何かしらの魔法が使われるということなのか?
俺たちのような一般人相手には使えないような高額で高度な魔法なのかもしれない。
欠損は治療魔法では治らない。
「そんなところで教会長や神官は無事に過ごしているんですか?二人は大丈夫なんですか」
「ああ、聖職者は大丈夫だし、修繕が終了したところは普通に触っても平気だよ。彫刻を修繕する行為が攻撃に見なされるようなんだけど、一概に触れたら発動するタイプのものばかりじゃないのが困るんだよね」
「おはよう。リーウセン、二人に説明してくれたのか」
部屋長がいつもの純白キラキラの法衣でやってきた。
朝見るとより眩しい気がする。
後ろには護衛のセリムさん、ルッツ副隊長、そして、ポシュにメーデ氏がいる。
ちなみに護衛の二人はリンク王国の騎士服で、ポシュとメーデ氏は動きやすい普段着である。
「おはようございますっ。今日はよろしくお願いします」
「二人には危険だから彫刻には触れないようにって教えていたー」
俺たちが二人で挨拶した後、リーウセンさんが部屋長に伝えた。
「ああ、うん、何度言っても触れる人物がこの世にいるとは俺も思わなかったけど」
部屋長のボヤキ。
ポシュが自分のことだと思っていないような表情でその場に立っている。その後ろのメーデ氏がため息を吐いているのとは対照的に。
英雄は規格外じゃないとなれないってことですか?
それとも、魔法に頼っていた部分が大きいってことなのだろうか。
記憶力の欠如とか、、、いや、あの分厚い薬師のテキスト素早く覚えているからなあ。短期記憶に問題があるとか?
「ええっと、素手じゃなければ大丈夫ってことはありますか?」
ボレールが質問した。
魔導士である部屋長とリーウセンさん、魔導士であったポシュも手袋をしていない。
セリムさんとルッツ副隊長は白の手袋、メーデ氏は黒の手袋をしている。
セリムさんはよく手袋を外して、部屋長に触れているが。
その外す動作も好きらしく、部屋長は上機嫌でセリムさんを見ていることが多い。
武器を持つ者は負担軽減、手の保護のために手袋をしているらしい。長時間戦っても大丈夫なように。
「あー、作業員の方々も手袋しているから絶対に大丈夫とは言えないけど、手袋を持っているのならしておいた方がいいかもしれないなあ」
「あ、はい」
ボレールはツナギのポケットから軍手を取り出した。
、、、ボレールのところの薬工房って日常的にどんな作業をしているのか気になるところだ。
トータのところは薬草栽培からしているので、軍手を持っていそうだが。あ、そうだ、持ってた。オーバーオールの胸ポケットに突っ込まれていたのを見た記憶がある。
「あ、ファンは持ってるか?」
「うちはあまり軍手使わないから」
そもそも、二人が話しているような外の作業があまりない。
うちの薬工房の方が彼らの工房よりもここから離れているのに。一等地のお客様は天然にこだわる自然派なのだろうか。
薬品や材料を手にするときゴム手袋や白手袋をすることはあるが、外にまで持ち歩くことはない。
ボレールは軍手を見て、俺を見た。
「使い古しだから綺麗じゃないが、お前が使え」
「え、」
ポンと投げられたので、受け取ってしまった。
「俺は長袖だからまだ触れる面積が少ないが、半袖のお前は転んだ時も危ない」
「ボレール、ありがたいけど、俺は、うおっ」
すぐ背後から部屋長に見られていた。何とも言いようのない表情だが。
もう少しで軍手を宙に放り出すところだった。
「、、、借りておけば?ないよりはあった方がいいと思うし」
「え、ええっと、そうですかね」
「床にも彫刻があったりするし、普段は発動しない罠がなぜか動くこともあるし、下手に武器を持つとケガする可能性があるから持たせないけど、白ワンコがいるから触らなければきっと大丈夫?」
疑問形なところが怖いんですけど。
きゅっと軍手を握ってしまう。
「ボレール、」
「いいから使ってくれ。その方が俺の気が休まる」
どういう意味だ?
俺、そんなにボレールに心配かけたことがあったかな?
「、、、そこまで言うなら、ありがたく」
俺は軍手をはめる。
長袖だからと言っていたボレールは袖を捲ったままである。
ボレールは俺の頭をくしゃっとして、笑った。
ん?
俺の頭の上にいたはずの白ワンコがいつの間にか肩に移動していた。
すぐ近くにいたはずの部屋長がいない。
「はーい、見学者のお二人さん、こちらでーす。急な階段使いまーす。動悸息切れしたら即座に中止しますので早めに言ってくださいねー」
黒ワンコ印のちっこい白い旗をフリフリしているのは銀ワンコだった。
キリリとした目つきが今日もカッコイイぞ。
隠れた暗い場所に上に向かう階段はあるようだ。
しかし、動悸息切れ。
そんな忠告を受けるほどの急な階段をのぼるのか。
そう、この動悸は急な階段をのぼったからだ。
大教会へと集合時間前にやってきた。
「お、ファン、おはよ」
「おはよう、ボレール」
先に着いていたボレールはいつものツナギ姿である。
大教会の前の階段で座っていた。
大教会の扉自体は開いているだろうが、祈るわけでもない者が中にいても信者の邪魔になるだけだ。
「早く来ちまった。部屋長からは時間にならないと来ないと言われていたのに」
「俺もついつい遠足気分で早く来ちゃったよ」
「あー、やっぱり早く来たんだねー」
大教会の扉を開けて出てきたのは、部屋長、ではなくリーウセンさんだった。
「あ、おはようございます」
「昨日、クロウから言われてたんだよー。二人が早く来たら中に通しておいてくれって。朝でも帝都の夏は暑いからねえ」
さすがは部屋長。
俺たちのことを良くわかっている。
仕事じゃなければ、遠慮して中に入れないことも。
トータなら時間まで薬部屋にいたのだろうか?
「クロウたちはゴートナー文官に付き添われてくるから定刻にしか来れないよ」
「ええ、俺たちもそのことは聞いていたんですけど」
リーウセンさんは祈りの間を通り、資材等が置かれている小空間へ案内した。
小さな椅子を俺たちに勧める。
「今日のこと教会長に話したら、特別にこの二匹を貸してくれるって」
リーウセンさんの手のひらに白ワンコ二匹がのっている。
ボレールの肩に一匹が飛び乗り、もう一匹が俺の頭の上にのった。
なぜ、俺は頭の上。。。
「もしものことがあるかもしれないから、保険のために」
「もしもって、トータが言っていた戦闘、」
戦闘面では俺は全然役に立たない。
部屋長もわかっているから、見学は一人ずつって言っていたんだろうし。
戦闘可能な薬師って、、、もしかしてボレールのところの薬工房にはいるのかな?狩りって言っていたくらいだし。
「うーん、戦闘ならクロウが何とかしてくれるだろうけど、ここの彫刻たち、けっこう多芸なんだよ」
「彫刻が多芸?」
「見てのお楽しみー、と言いたいところなんだけど、命の危険もあるから言っておくけど、壁とか柱とか暖炉とか触りやすいところに何らかの彫刻があったとしても不用意に触らないようにね。花とかの植物の彫刻でも危険だから。触った部位を吹っ飛ばすくらいの芸当は普通にやるから」
「注意を受けていれば、アクシデントがない限り不用意に触る人は少ないのでは?」
ボレールの問いに、リーウセンさんが遠い目をした。
「ああ、うん、最近ではよくポシュが手を吹っ飛ばされているよ。魔法がないとあれだけ不用心になるんだな、人って。脳筋ですらご主人様の命令には従うのに」
手を吹っ飛ばされている?
けど、普通に両手あるよな?
「ええっと、それは治療魔法とかで治しているということですか?」
「いや、ポシュだからね。まあ、ポシュ以外どうしようもない方法だから二人とも気をつけてね。白ワンコがワンとないたら絶対に警戒するように」
言葉を濁されたが、ポシュは帝国の英雄だから何かしらの魔法が使われるということなのか?
俺たちのような一般人相手には使えないような高額で高度な魔法なのかもしれない。
欠損は治療魔法では治らない。
「そんなところで教会長や神官は無事に過ごしているんですか?二人は大丈夫なんですか」
「ああ、聖職者は大丈夫だし、修繕が終了したところは普通に触っても平気だよ。彫刻を修繕する行為が攻撃に見なされるようなんだけど、一概に触れたら発動するタイプのものばかりじゃないのが困るんだよね」
「おはよう。リーウセン、二人に説明してくれたのか」
部屋長がいつもの純白キラキラの法衣でやってきた。
朝見るとより眩しい気がする。
後ろには護衛のセリムさん、ルッツ副隊長、そして、ポシュにメーデ氏がいる。
ちなみに護衛の二人はリンク王国の騎士服で、ポシュとメーデ氏は動きやすい普段着である。
「おはようございますっ。今日はよろしくお願いします」
「二人には危険だから彫刻には触れないようにって教えていたー」
俺たちが二人で挨拶した後、リーウセンさんが部屋長に伝えた。
「ああ、うん、何度言っても触れる人物がこの世にいるとは俺も思わなかったけど」
部屋長のボヤキ。
ポシュが自分のことだと思っていないような表情でその場に立っている。その後ろのメーデ氏がため息を吐いているのとは対照的に。
英雄は規格外じゃないとなれないってことですか?
それとも、魔法に頼っていた部分が大きいってことなのだろうか。
記憶力の欠如とか、、、いや、あの分厚い薬師のテキスト素早く覚えているからなあ。短期記憶に問題があるとか?
「ええっと、素手じゃなければ大丈夫ってことはありますか?」
ボレールが質問した。
魔導士である部屋長とリーウセンさん、魔導士であったポシュも手袋をしていない。
セリムさんとルッツ副隊長は白の手袋、メーデ氏は黒の手袋をしている。
セリムさんはよく手袋を外して、部屋長に触れているが。
その外す動作も好きらしく、部屋長は上機嫌でセリムさんを見ていることが多い。
武器を持つ者は負担軽減、手の保護のために手袋をしているらしい。長時間戦っても大丈夫なように。
「あー、作業員の方々も手袋しているから絶対に大丈夫とは言えないけど、手袋を持っているのならしておいた方がいいかもしれないなあ」
「あ、はい」
ボレールはツナギのポケットから軍手を取り出した。
、、、ボレールのところの薬工房って日常的にどんな作業をしているのか気になるところだ。
トータのところは薬草栽培からしているので、軍手を持っていそうだが。あ、そうだ、持ってた。オーバーオールの胸ポケットに突っ込まれていたのを見た記憶がある。
「あ、ファンは持ってるか?」
「うちはあまり軍手使わないから」
そもそも、二人が話しているような外の作業があまりない。
うちの薬工房の方が彼らの工房よりもここから離れているのに。一等地のお客様は天然にこだわる自然派なのだろうか。
薬品や材料を手にするときゴム手袋や白手袋をすることはあるが、外にまで持ち歩くことはない。
ボレールは軍手を見て、俺を見た。
「使い古しだから綺麗じゃないが、お前が使え」
「え、」
ポンと投げられたので、受け取ってしまった。
「俺は長袖だからまだ触れる面積が少ないが、半袖のお前は転んだ時も危ない」
「ボレール、ありがたいけど、俺は、うおっ」
すぐ背後から部屋長に見られていた。何とも言いようのない表情だが。
もう少しで軍手を宙に放り出すところだった。
「、、、借りておけば?ないよりはあった方がいいと思うし」
「え、ええっと、そうですかね」
「床にも彫刻があったりするし、普段は発動しない罠がなぜか動くこともあるし、下手に武器を持つとケガする可能性があるから持たせないけど、白ワンコがいるから触らなければきっと大丈夫?」
疑問形なところが怖いんですけど。
きゅっと軍手を握ってしまう。
「ボレール、」
「いいから使ってくれ。その方が俺の気が休まる」
どういう意味だ?
俺、そんなにボレールに心配かけたことがあったかな?
「、、、そこまで言うなら、ありがたく」
俺は軍手をはめる。
長袖だからと言っていたボレールは袖を捲ったままである。
ボレールは俺の頭をくしゃっとして、笑った。
ん?
俺の頭の上にいたはずの白ワンコがいつの間にか肩に移動していた。
すぐ近くにいたはずの部屋長がいない。
「はーい、見学者のお二人さん、こちらでーす。急な階段使いまーす。動悸息切れしたら即座に中止しますので早めに言ってくださいねー」
黒ワンコ印のちっこい白い旗をフリフリしているのは銀ワンコだった。
キリリとした目つきが今日もカッコイイぞ。
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