婚約破棄されたので、隠していた力を解放します

ミィタソ

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婚約破棄、大いに結構

六話 最初の試験

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「じゃあ、さっそく試してみるか」

 私がここで生きていくと決めた瞬間、カイルはそう言って立ち上がった。

「……試す?」

「当然だろ。うちは遊びじゃない。生きるために戦う場所だ。力のないやつを受け入れるほど甘くはねえよ」

「なるほど」

 私は静かに頷いた。

 まあ、当然だろう。ここは貴族の屋敷とは違う。甘えや情けで生き残れる世界ではない。

「いいぜ、カイル。こいつの実力、確かめてやろうじゃねえか」

 そう言って、レオンがにやりと笑った。

「ちょうど明日、ギルドの新入り試験をやる予定だったんだ。ついでにこいつも混ぜちまえばいい」

「問題ないな?」

 カイルが私を見る。

 私は少し考えたあと、ゆっくりと息を吐いた。

「受けます」

 ここで引くわけにはいかない。

 自分の力で生きると決めたのなら、それを証明するしかないのだから。

 ***

 翌朝。

 私はギルドの訓練場へと案内された。

「さて、新入りの試験だが――簡単な実戦形式でいくぞ」

 レオンが木剣を手にしながら言った。

「試験内容はシンプルだ。俺と手合わせして、ちゃんと戦えることを証明すれば合格だ」

「わかりました」

 私は静かに木剣を受け取った。

 剣技に関しては、貴族として最低限の訓練を受けたことがある。でも、それだけでは到底足りない。私は魔法を使うしかないだろう。

「準備はいいか?」

「はい」

 私は構えた。

「じゃあ――始め!」

 レオンの掛け声と同時に、彼が一気に踏み込んできた。

 速い。

 彼の剣が横薙ぎに振るわれる。私は咄嗟に後ろへ跳び、距離を取った。

「反応は悪くねえな。でも――」

 レオンはすぐさま距離を詰め、容赦なく木剣を振るう。

 私も必死に防ぐが、圧倒的に経験が違う。力も、速さも、すべてが上回っていた。

 ――このままでは負ける。

 ならば。

「……《エア・ブースト》」

 私は小さく呟き、足元に風の魔法を発動させた。

 一瞬、レオンの目が驚きに見開かれる。

「魔法か――面白え!」

 私は風の力で一気に跳躍し、レオンの懐へと飛び込んだ。そして、全力で木剣を振るう。

「おっ……と!」

 レオンはギリギリでそれを受け止め、わずかに後退した。

「へえ……やるじゃねえか」

 彼はにやりと笑いながら、剣を下ろした。

「合格だ。お前、なかなか面白いな」

 その言葉を聞いて、私は静かに息を吐いた。
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